今日は、誰も居ない家に帰る。

いつもは、明かりが灯って。

美味しそうな匂いと、

愛しい人の笑顔が待っている。

でも、今日は違う。


誰も居ないのだから、

もちろん明かりが灯っている筈がなくて。

美味しそうな匂いも、

愛しい人の笑顔もない。





溜め息をつきながら、誰も居ない家の鍵を開ける。

ドアを開けると、

やっぱり真っ暗で・・・


「ん?誰か・・居る?」


微かに声が聞こえる。

それは、話してるとかそういう声ではなくて

泣き声。


リビングの明かりをつける。


「・・・テル?」

お気に入りでいつも座っているソファーの上で膝を抱えて

小さくなっていたテル。

俺の声にテルが顔を上げた。

その顔はいつもの笑顔ではなくて、

涙でグシャグシャになっている泣き顔。

「・・タク・・・ロッ・・俺・・・ゴメンっ・・なさいっ・・」

「俺の方こそ・・ゴメンな・・」

そう言って、俺はテルを抱きしめた。







今日は、愛しい人の泣き顔と。

涙の匂いと『ごめん』の言葉が待っていた。
あとがき。

ん〜・・微妙にお題『誰もいない』に内容があってない気が;;
・・・まぁ、いっかぁ〜(汗)
蝶姫はまだ学生なんで一人暮らしじゃないケド、
誰も居ない家に帰ってくるのって寂しいだろうなぁ〜。
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