「あんな、ユッキィ。俺な大人になってからサンタさん見れんようなった」
ハイド君が、独り言のように呟いた。
僕は思わず「サンタなんて居るわけないでしょ」
って、言いそうになった・・・
けど。
けど。
独り言のように呟いたハイド君の顔が、あまりにも悲しそうだったから。
「あんな、サンタさんはな。心の綺麗な人にしか見えへんのやって」
ハイド君は、窓の外をジィッと見つめながら。
まるで、サンタクロースを探しているかのように。
「俺の心綺麗や無くなったんかな・・・」
独り言のように呟いたハイド君の顔が、あまりにも悲しそうだったから。
「それは、違うんじゃない?ハイド君の心はスゴク綺麗だよ」
今日だけはクールなユキヒロじゃなくさせて。
「え?」
「サンタクロースは、ハイド君に一生に一番大切なプレゼントをくれたんだよ。
だから、もうハイド君の前にサンタクロースは現れないんだよ」
「一番大切なプレゼント?」
「12月25日。今日は僕らの記念日でしょ?」
普段こんなキザな言葉言わない僕の顔はきっと湯気が出る程真っ赤。
「・・・ふふっ。今日のユッキィ変」
笑いながら僕に抱きついてくるハイド君。
そんなハイド君の顔もきっと僕と同じくらい真っ赤。
「・・・サンタさんにお礼の言わんと。こんな素敵なプレゼントくれて」
『素敵なプレゼントをありがと』
鈴の音が聞こえた気がした。
あとがき。
クールなユッキーもイイけど。
蝶姫は、真っ赤になっちゃう可愛い照れ屋ユッキーの方がスキ。(笑)
サンタさんパワーで、いつもと違うユキヒロさんでした。