テッちゃんと離れ離れになるのが嫌で嫌で、泣いちゃいそうなくらい嫌で。
でも、強がって笑顔でテッちゃんに手を振って、
映画撮影のために香港に旅立ったのは数時間前。
飛行機の中で、色々考えた。
今日からは、テッちゃんの居ない世界。
おはようのキスも無ければ、
おやすみのキスも無くて。
頭を撫でてくれる手も無くて。
声は電話で聞けるけど、やっぱ生が良いし。
笑顔も持ってきた写真で見れるけど、やっぱ生が良いし。
考えれば考える程、
寂しくなって、テッちゃんが恋しくて恋しくて、
涙がポロポロ出てきた。
今からこんな調子で、これから大丈夫なのかと自分で心配になり、
出てくる涙をゴシゴシ手で拭いてみるけど、
涙は意地悪で、次から次へとポロポロ溢れ出てきた。
やっと香港に到着。
やっと・・・と言っても、日本を離れてまだ3時間30分くらいしか経ってない。
それでも、もう何日もテッちゃんに会ってない気がした。
香港着いてから、すぐに撮影。
テッちゃんの事で頭いっぱいだったけど、一生懸命演技に集中した。
でも、やっぱり頭の中にはテッちゃんは居て、
演技してる時もどっかでテツは自分の事見てくれてるんやないかと、
周りをキョロキョロしてしまった。
夜、ホテルに着いて、自室に入った。
・・・人の気配がする。
そう思った瞬間に口を抑えられた。
「っ!!・・・テッちゃ・・・!!」
恐くて恐くて。
暴れながら、必死にテッちゃんの名前を呼んだ。
居るわけないのに。
「な〜に?」
でも、何故か聞こえてきた声はまさしくテッちゃんの声。
後ろを振りかってみると、
そこには、写真の笑顔じゃなくて、生のテッちゃんの笑顔。
「ごめんごめん。恐かったな」
そう言って、頬を伝っていた涙を手で拭ってくれて、
頭を撫でてくれた。
その声は、今日電話で聞こうと思ってた声じゃなくて、生の声で。
頭を撫でてくれる手もそこにはあって。
涙がポロポロ出てきた。
「うわわ・・恐い思いさせてほんまごめんな」
俺が止まんないくらい涙を流すものだから、
テッちゃんがあたふたする。
「ちゃうもんっ・・・恐いからやないもん・・・ちゃうもん」
そう言って、テッちゃんの胸に顔を埋めた。
『会えて嬉しいから泣いてる』って言えば良いのに、
素直じゃないこの口が憎らしい。
「ハイド寂しくて泣いんじゃないかと思って来ちゃった」
でも、言わなくても、
テツにはちゃんと伝わるハイドの気持ち。
テツは微笑みながらハイドの頭を撫でてくれた。
今日の夜は、おやすみのキスがある。
テッちゃんに会えない日の分までおやすみのキスしてもらおう。
明日の朝は、おはようのキスがある。
テッちゃんに会えない日の分までおはようのキスしてもらおう。
きっと、それで大丈夫。
・・・でも、たまに寂しくて泣きたくなる時もあると思うから、
その時は、また会いに来てな。
あとがき。
ムンチャ・・・
かなり前のネタでゴメンなさい;;