ザァ-----------------



「やっば・・めっちゃ遅刻してとるやんっ。しかも雨降っとるし・・・」

テツは時計を気にしながら車を走らせる。


今日は、ハイドとデート。

いつもなら、テツがハイドの家に向かえに行くか、その逆なのだが、

今日は、二人ともソロの仕事があり、終わる時間が同じくらいだったので、

久しぶりに、外で待ち合わせしてたのだ。

でも、テツの仕事が終わるのが遅くなり、

もう、40分も待たせている。

一応、メールはしておいたが、

雨の中ハイドを待たせてると思う心配で仕様がない。

どこかの喫茶店とかに入ってればいいな。と思いながら

車を急がせる。






「テッちゃんまだかなぁ〜」

仕事が予定より早く終わったハイドは、

少し早めに待ち合わせ場所に来た。

久しぶりの外での待ち合わせにハイドはワクワクする。

「何や。めっちゃ恋人って感じやなぁ〜」

嬉しくて鼻歌なんかも歌いだす。

ラッキーな事に近くに時計があった。

「テッちゃんが来るまで、後10分やな」

ハイドは、まだかまだかと、時計の針をジッと見つめる。

こんな事をしてると、ますます恋人って感じでワクワクしてきた。

ところが、10分経ってもテツは来ない。

「きっと、仕事が少し遅れたんやな」

最初はそう思っていたハイドだが、

それから10分経っても、15分経ってもまだテツは来ない。

「・・・テッちゃんなんで来いへんのやろ・・」

ハイドは不安になる。

どんどん嫌な考えが頭の中に浮かんでくる。

・・・テッちゃんに嫌われたんかな。

  テッちゃん、俺の事スキなんかじゃなかったんかな。

  そうや、テッちゃんは俺の事なんか嫌いなんや。

  だから来いへんのや。

考えれば考える程悲しくなってきた。、

涙が出そうになり、空を見ると、

ポツッと鼻に水が落ちてきた。

それは、だんだん多くなり激しくなり、

音を出して地面に落ちた。

まるで、ハイドの心みたいに。

でも、ハイドはそこから動かなかった。

テツが来てくれる事を祈って。






「はぁ〜。やっと着いたっ」

待ち合わせ場所に着いた時には、

待ち合わせの時間から50分も経っていた。

雨はさっきより酷くなっていた。

流石にこの雨の中には居ないだろうと、電話を手にした。

何気なく待ち合わせ場所を見てみると、

誰かが立っていた。

この雨の中、傘も差さずに。

「ハイドっ!!」

雨でよく見えなかったが、恋人を見間違えるわけがない。

テツは急いで車を出た。

ハイドは下を向いてて、テツが来た事に気付いていない。

「・・・ハイドっ」

自分を呼ぶ声がする。

ハイドが顔を上げた。

そこには、今、一番会いたかった人。

「・・・テッちゃん・・・」

小さく消えそうな声でハイドが言う。

テツがハイドをギュッと抱きしめた。

ハイドはずぶ濡れで、すごく冷たくなっていた。

「何で、こんなとこに居んのや!!」

ゴメンの言葉よりも先説教が出てきてしまった。

「・・・だって・・ココで待ち合わせしたから・・・他のトコに居ったらテッちゃんに会えへんから・・・」

ハイドの声は涙で震えていた。

テツはもっとギュッとハイドを抱きしめた。

「ゴメンな。ハイド」

ハイドがテツの腕の中で、コクっと頷いた。



「今日のデートは中止やな。俺ん家に来て風呂入りや?」

テツがそう言うと、ハイドが首を横に振る。

「いやや。お風呂嫌いやもん。デートしたい・・・」

駄々を捏ねるハイドの頭ポンポンと叩いた。

「お風呂入んない子は嫌いやで?」

そう言うと、ハイドの目の色が変わった。

「いややっ。嫌いにならんといてっ」

そんなハイドを見てテツが優しく笑う。

「んじゃぁ、お風呂入ろうな?」

ハイドが、コクッと頷く。

「よしっ。ええ子やね。何なら一緒に入る?」

「・・・変態」

「何やそれぇ〜。あっ。そういえば、俺メールしたんやで?」

テツがそう言うと、急いで携帯を見る。

「あっ。ドライブモードになっとる」

ハイドは、テツからのメールを見てみる。

『ゴメンなぁ!!仕事終わるの遅くなる(T_T)

 ほんまゴメンなぁ〜!!!

 ハイドっ!!愛してるでぇ〜(^3^)/CHUw』

ハイドは、クスッと笑い、

テツのほっぺたにチュッとキスをした。

外はすっかり晴れて、空に七色の橋が掛かっていた。
あとがき。

うちのハイドさんは何かと積極的なんで、(笑)
たまには、こういうのも。
・・・う〜んでもやっぱり積極的??
th

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