・・・ん〜・・・

・・・あかん・・・頭クラクラする・・・。

とりあえず、電話せな。


プルルルルルル・・・・


「もしもし〜?」

「ケンちゃん、俺、今日仕事休むな」

「何で〜?」

「風邪ひいちゃって」

テツはそれだけ言うと、電話を切り、また眠りについた。


一方、大慌てのケン。

(い、愛しのテツが風邪やとぉ?!こうしちゃおれんっ!!)

「今日、テツ風邪で
休みやって〜。そんでもって俺も休み☆じゃっ!!」

ケンは軽く手を上げて立ち去ろうとする。

しかし、そんな事が簡単に許される訳がない。

「なぁ〜んでケンちゃんも休みなんや〜?」

重低音そう言って睨むハイドは威圧感たっぷり。

「え、いや、その・・テツのところに・・」

エヘッと笑ってみせるが、ハイドは睨んだまま。

そこでケンは、名案(?)が思い浮かんだ。

「なぁ、ハイド。俺が今日居なくなったら、ハイドはユッキーと二人きりやん?」

ケンがそう言うと、ハイドの表情がパァッと明るくなる。

「と、言う事は、ユッキーとイチャイチャできるわけやん?」

すかさず、ケンはとどめをさす。

「そうやけど・・・・でも、いつもイチャイチャしてるし」

ちょっと手強いハイド。

「いやぁ〜、やっぱ人が居るのと居ないのとでは違うやんっ!」

ケンは苦し紛れに説得させると、

飛んでテツのところに向かった。

「ちょっと!!・・・まぁ、ええか」






---ガチャッ

テツの家に着いたケンは合鍵で潜入。

テツが居るであろう寝室を見に行く。

そこには、寝苦しそうに寝返りをうつテツの姿。

シャツは汗でビッショリでへそがチラリと見えている

頬は熱のせいかほんのり赤くなっていて、

息遣いも少し荒い。

その姿を見たケンは今にも襲いたくなる衝動に駆られるが、

そこは何とか抑えて、キッチンに向かう。

氷枕と冷たいタオルを準備すると、再びテツの元に行く。

氷枕を敷きタオルをおデコに乗せてやると、心なしか少しだけ苦しそうだったテツの表情が

緩くなった気がした。

その後、ビッショリのシャツを新しいのに着替えさせてやった。

ケンはキッチンに戻ると、お粥と卵味噌を作るために

材料を探す。

すると、肝心の卵が切れていた。

近くのスーパーに買いに行く事にしたケンは、

他にも買う物はないかと、探していると、風邪薬がないのに気がついた。

(あれ〜風邪薬ないやん。この前、俺が風邪引いて看病しに来た時、

 風邪薬がないっ!って怒ってたくせに、自分の事になると、

 ボケてるっちゅか、なんちゅうか。まっ、そこが可愛いねんけどなぁ〜♪)

なんて、惚気ながらスーパーに行くケン。

ついでに、冷えピタシートも買う事にした。




ケンが、家を出たのと同じくらいに、テツが目覚めた。

(ん?冷たい。氷枕とタオル??シャツも新しい。
 誰がやってくれたんやろ・・・?
 まさか、自分でやったなんてありえへんしなぁ。まさか泥棒?!
 って、それはもっとありえへんかぁ。とりあえず、もう一眠りしよ・・)

考えるのがめんどくさくなったテツはまた寝ることにした。




---ガチャッ

しばらくして帰ってきたケン。

冷えピタシートはちゃんと冷蔵庫に入れて、

早速、料理に取り掛かります。。

(待ってろよ〜テツ。今、ケンちゃんが美味しいお粥と卵味噌作ったるからなぁっ!)


---グツグツグツ・・・・


だんだん美味しそうな匂いが漂ってきました。

寝ていたテツもその匂いに目を覚ましました。

「・・・いい匂い・・・」

まだ、熱っぽいが、氷枕のおかげで楽になった様子。

朝から何も食べていないテツは、お腹が減っている事に気がつきました。

しばらくボー、としていると、キッチンの方から鼻歌が聞こえてきました。

「・・・ケンちゃん?」

何でケンちゃんが居るんやろ?と、考えましたが、

考えると余計頭が痛くなるような気がしたのでやめました。

またボー、としていると、ケンが部屋に入ってきた。

「おっ、テツおはよ〜、大丈夫か?」

そう言うケンの手には冷えピタシート。

「うん、ちょっと楽になった」

ケンは、良かった〜、と言うと、冷えピタシートを

テツのおデコに貼り付けた。

「冷たっ」

「それがええんやろ。そや、お粥作ったんやけど、食べれそう?」

「うんっ。お腹ペコペコ」

テツがそう言うと、ケンは「ちょっと待ってな」と言って、

お盆に載せて、お粥と卵味噌を持ってきた。

次いでに風邪薬も。

「出来たばっかりやから、アツアツやでぇ」

そう言ってケンは、お粥と卵味噌をスプーンですくうと、

フーフーと冷まして、テツの口元に持っていった。

「はい、あ〜ん」

「ええよっ!自分で食べるから」

テツは恥ずかしくなって、熱で元々赤かった頬を、

もっと赤くする。

「ええやん☆はい、あ〜ん」

テツはケンの笑顔に負けて、口を開けました。

「美味しい?」

「美味しいっ」

テツが少し笑うと、ケンは、『やったね』と言わんばかりに、

ニッと笑ってピースをしました。

テツは、余程お腹が空いていたのか、全部食べてしまいました。

「はぁ〜、お腹いっぱい」

「んじゃ、俺片付けてくるからテツは薬飲んで寝とき」

そう言って、ケンが立とうしたら、テツがケンの服を引っ張った。

「ん?」

「・・・ここに居って」

テツがあまりにも珍しい事を言うので、ケンは驚いた。

「どうしたん?」

ケンが聞いても、テツは黙って服を引っ張るだけ。

「しゃぁないな〜」

ケンはそう言うと、ニコッと笑ってテツの髪を撫でた。

「ここに居るから、ちゃんと寝るんやで?」

「うん」

(ええよな?たまには甘えてみんのも。
 今なら、風邪のせいで頭おかしなってたって言い訳出来るし。
 やって、甘えるのって・・・恥ずかしいやん・・)

ケンがずっと髪を撫でてくれてるので、

テツはしだいにウトウトしてきた。

「なぁ、テツ。キスしてもええ?」

ケンがそんな事言うものだから、一気にテツの眠気が覚める。

「だ、駄目っ。風邪うつるやんっ」

(・・・本当は恥ずかしいからやけど)

「ええよぉ。テツの風邪欲しい〜」

そう言うと、ケンはテツが抵抗する間もなくキスしてきた。

それは、ドンドン深いものになっていく。

「・・んっ、・・はぁっ・・」

やっと唇を離してもらったテツの顔は恥ずかしくて真っ赤。

「ムフフ〜。テツの風邪貰っちゃった」

ケンは悪戯っぽく言うと、テツのシャツに手を伸ばしてきた。

ここまで来ると、そう簡単にケンの好きな様にはさせない。

「駄目っ!!俺の風邪酷くなってもええの?」

(いや・・本当は恥ずかしいからだけど)

そう言って、テツはケンの頭をポカポカ殴った。

「いて、イデデデデっ。分かった、分かったって」

ケンは仕方なく引き下がる。

だって、テツの風邪酷くさせたくないからね。


ケンは、またテツの髪を撫でだした。

テツも段々ウトウトしてきて、

ケンも段々ウトウトしてきて、

二人仲良く眠ってしまいました。




後日、ケンは見事熱を出し、

テツにブツクサ言われながら看病をうけましたとさ★


あとがき。

テーマは『可愛いテツ』
見事敗北☆★
ケンテツは何かが難しいっっ(汗)
可愛いテツ書こうとすると、ロリィ〜って感じになっちゃう(汗)
100

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