「なぁ〜テツ、ハイド知らん?」
「ハイドなら、息抜きするって屋上に行ったで」



「発見☆」
「あっ、ケンちゃん」
「何見てたん?」
「空」

ハイドはそう言うと上を見上げた。
ケンもつられて上を見る。

「ケンちゃん知ってる?人の数だけ空があるんやって」

ハイドは少し考えるように空を見つめた。

「どう言う意味なんやろなぁ、ケンちゃんはどう思う?」

ケンも少し考えるように空を見つめた。

「ん〜、そうやなぁ・・今、俺らみたいにどこかで、こうやって空を見ている人が居たら
 その空はその人のもんやろ?だから人の数だけ空があるんやない?」

そう言うと、ケンはハイドを見た。
ハイドは分からなそうに首を傾げてる。

「んぅ〜と・・空って見る位置によって形が違うやろ?」
「うん」
「やから、その空はその人だけのモノやん?だから、今ハイドが見てる空は
 ハイドだけのもんやねん、俺はそう思うな」
「そっかぁ」

ハイドはニコッと笑うとまた空を見つめた。
そして、ケンに抱きついた。

「ハイド?」
「これで、この空は俺とケンちゃんのもんやね」
「・・そうやね」

そう言うと今度は二人で空を見つめた。
同じ場所から同じ空を。
二人だけの空を。

「・・・この空はずっと二人だけのもの?」

真剣な顔でハイドはケンを見つめた。
ケンは、優しくハイドの髪を撫でた。

「当たり前やろ?ずっと二人だけの空や」
「・・・良かった」

「んで、これからももっといっぱい二人だけの空見ような?」
「うん、約束な」

もう一度二人で空を見た。

永遠を誓った二人だけの空を。
その色は、いつでも二人を見守っていてくれるような、
温かい色をしていた。
あとがき。

あるホラー映画で「人の数だけ空があるんだよ」
と言うセリフがあって、こりゃ使える!!と思って、
これが出来上がりました(汗)
テーマは愛を確かめ合う二人です。(笑)
kh

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