「ケンちゃんっ!!」
ハイドが必死にケンに呼び掛けます。
すると、ケンが薄っすら目を開けました。
「・・・ハイド・・戻って来てくれたんやね・・・」
ケンはそう言って、ハイドの髪を撫でます。
「当たり前やんっ!!これからはずっと一緒やで?」
ハイドがそう言うと、ケンが嬉しそうに微笑み、
静かに目を閉じました。
影で見守っていたルミエール達は目を伏せました。
「ケンちゃん?・・・嘘やろ・・?!」
ハイドは泣きながらケンの体を揺さぶります。
それでも、ビクともしません。
ハイドはケンを抱きしめました。
「・・・愛してる・・・」
ハイドがそう言った瞬間。
魔女から貰った最後の一枚の花弁がヒラリと落ちました。
その時です。
ケンの体から黄金の光が溢れ出し、宙に浮きました。
お城も光に包まれ、真っ黒だったお城が真っ白のお城に変わり、
本来のお城の姿を現しました。
ケンの負った傷はなくなり、宙に浮いていたケンはゆっくりと地に降り立ちました。
「・・・ケン・・・ちゃん・・?」
ハイドはケンを見つめます。
ケンは信じられないといったように、体のあちこちを見渡しています。
ハイドはケンに近づきます。
「ハイドっ」
ケンはハイドを抱きしめました。
「俺・・・生き返ったんやっ!!」
「・・・っ・・・」
「ハイド・・・泣いてるん?」
そう言ってケンがハイドの顔を覗きます。
「やって・・・やって・・・」
どんどん涙が出てきて、言葉に詰まるハイド。
「これからは、ずっと一緒やで・・・」
そう言って、ケンはハイドに口づけました。
そんな幸せそうな二人の様子を見ていたルミエール達も、
光に包まれ、元の姿に戻りました。
ルミエール達は二人の所に駆け寄りました。
二人はみんなに祝福されたながら結ばれ。
ハイドとケンとルミエール達、それからテツも。
お城でみんな仲良く幸せに暮らしました。
『物語の終わり』