微かな春1


 柔らかい朝日が窓から差し込み、小鳥がさえずるのを煩く聞きながら、関寧は頭まで布団をかぶる。
 休日くらい、鳥もゆっくり寝ていれば良かろうに……ん?
頭だけ出して部屋を見渡すと、隣の寝台で同じように丸くなる弟が目に入る。
「お前がまだ布団にいるなんて珍しいな」
「ぁ、兄上…おはようございます」
いつもなら剣の稽古に精をだしている時刻のはずだが、どうしたのか布団から出ようとしない。
「具合いでも悪いのか?」
腕を伸ばして髪を梳くと、心地よさそうに目を閉じながら口籠る。
ふむ…と一つ溢して布団から抜け出し、弟の寝台に腰掛けると明らかにギクリとしている。
「どうしたと聞いているだろう。そんな風では気になって眠れないではないか」
「まだ寝る気ですか…」
堅物で通っている関寧だが、普段と休日のメリハリははっきりとしていて、だらしないと思いつつも、融通のきかない関平には少し羨ましかった。
「―その…父上や母上には内緒にしてくださいますか?」
「また何かやらかしたのか」
「そんなのではありませんっ…内緒にしてくださいますか?」
念押しするのは無理もない。父、関亭は遅くに授かった息子達、特に次男の関平をいたく可愛がり、些細な体調の変化でも医者を呼んでしまう程で、有難迷惑だと弟は幼い頃から嫌がっているのだ。
そのお陰か大変忍耐強い。
不承無精頷いてやると、やっと体を起こしてくれた。
「それが…最近、おかしくなってしまったのです」
すがるように両手を握ってくるが、要領を得られない。
「なにがだ?」
「急に硬くなってしまったりして…それが時々痛かったりするのです」
「だから、なにが…」
そこで譜に落ちた。夜着の前や太股が薄白く汚れている。
そんな事かと吹き出しそうになるのを必死に耐えながら、戸惑う弟の手をとって其処に導く。
今吹き出せば、きっとヘソを曲げてそっぽを向いてしまうだろう。
「平…これはな、病気でもなんでもないんだ。若いうちは皆なるのだ。そうゆう時はな、こうして…」
「ぁ……な、なにを…ッ」
軽く掴ませた手に手を添えて上下に動かすと、ビクッと腰が跳ねる。
「友達と、こうゆう話はしないか?」
「ふ…そ、そうゆう話はどうも…ッ苦手で」
息を詰まらせて硬く目をつぶり、切なげに眉根を寄せている。
「自分でしてごらん」
「うぅ…ン」
素直に上から下へ手を滑らせるが、それだけでフルフルと震えて固まってしまう。
「あに、うえ…熱いです」
「そのままでは辛いだろう。こうするのだ」
「い、ぃ、や…―!?」
背後から手をまわして、扱きあげると背を弓なりに引きつらせて悶える。
そのまま胡坐をかいた上にだきあげ、あふれる滑りをかりて真っ直ぐ頂点へと追い立てる。
「あッ、あ…ぅぅン! 駄目…も、っ駄、目です―あ、にうえぇ…!」
「全部出しておしまい」
「あぁ…くぅッ――!」
目の前に晒された首筋を甘噛みすると、途端に白濁をはなち一気に脱力する。
「ぁ…ぁ…はぁ」
「気持ちよかっただろう?」
余韻にふるえる弟の耳元に囁くと、表情を隠すようにうつむいて、きつく袖を掴んでくる。甘えごとをいうときの関平のくせだった。
「あ、兄上……ッあの―」
「うん?」
「ま、またお願いしても…よろしいでしょう、か?」
真っ赤になっていう弟が、いつになく可愛くて―いけないとは思ったのだが。
「あぁ、いつでもおいで」
そう言って、額に口づけた。

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