――― 夜一×砕蜂 著者:4_77様 ―――
どさぁっ、と軽い地響きがして、砕蜂は地面に叩き付けられた。土埃が舞い、口に入った砂がざらついた。
「どうした?もうおしまいかの?」
いつの間に後ろに回ったのか、夜一がからかうように声をかけた。
あれだけ動いた後だと言うのに、息一つ切らしていないのはさすが、としか言いようがない。
『瞬神』という二つ名が伊達ではない事を改めて思い知る。
「・・・いえ、まだやれます」
そう言って、何とか立ち上がった砕蜂であったが、疲労と衝撃のダメージのせいで足がふらついた。身体が言う事を聞かない。すぐにその場にへたり込んでしまった。
「フフフ、あまり無理をするな。そんな身体ではこれ以上やっても怪我をするのが関の山じゃ。今日の白打の鍛錬はここまでにしようかの」
そう言うと、夜一は砕蜂の傍らに腰を下ろした。
「だいぶ動きがよくなってきたの。この調子なら儂を追い越すのも時間の問題じゃな」
「そんな・・・わたしなど、まだまだでございます、軍団長閣下・・・」
「・・・閣下はやめろと言ったはずじゃぞ?」
「申し訳ございません!夜一さ・・・」
砕蜂は慌てて謝ろうとしたが、最後まで言葉を発することは出来なかった。不意に夜一が唇を奪ったからだ。
口を塞がれた格好の砕蜂は、とっさの出来事に切れ長の目を真ん丸く見開いた。
「よ、夜一様・・・」
「フフフ、おぬし、口付けは初めてかの?」
真っ赤になった砕蜂を面白そうに眺めながら、夜一はいたずらっぽく笑った。
「頑張っておるおぬしへの褒美じゃ」
そして再び、両者の唇が重なった。夜一の舌が侵入してくる。
初めこそ戸惑いと驚きを感じさえしたが、次第に誇らしげな気持ちが芽生えてきた。
己にとっては神にも等しい存在である軍団長が、夜一が今、この自分だけを見て、愛してくれているのだ。ならば、私もその気持ちに精一杯応えよう。
砕蜂は、統括軍団長直属護衛軍に任命された時に誓った、心身の渾てを捧げるという気持ちを思い出しながら、自分も舌を絡めていった。
心地よい舌と舌の乱舞を続けながら、夜一はそっと砕蜂の、まだ幼さの残る胸の双丘に触れた。
小振りながらの弾力のある感触が伝わる。
夜一は、そのまま装束の上から愛撫を続けていった。
砕蜂の顔がみるみる紅潮していく。
「よ、夜一様?一体、何を・・・?」
ふふふ、と含み笑いをもらした夜一は、質問には答えず、砕蜂の着物の肩にかかっている部分をするりと下に落とした。
淡いふくらみがプルンと音を立てそうな勢いでこぼれた。
「なかなかよい乳じゃの、砕蜂」
そう言うと、夜一は柔らかな舌を砕蜂の乳房へと伸ばした。
ゆっくりと、曲面に沿って丁寧に舐めていく。
ビクッ。
夜一の舌が桜色をした乳頭に達したとき、砕蜂の体に電流が走った。
「夜一様、お止めください。このような場所で・・・」
慌てて制止を求める砕蜂の姿に、夜一は舌技を中止し怪訝そうな顔を向けた。
「ん?こういうのは好まぬか?」
少し不満げに尋ねる夜一に、砕蜂は機嫌を損ねたかと、慌てて言葉をつなげた。
「いえ、そんなことは・・・。・・・ただ、いきなりだったもので・・・」
夜一に愛されることは、砕蜂にとって、夢にまで見るほど憧れた事である。
実際に夜一の寝屋に呼ばれるその時を想像し、体の芯が熱く燃え盛るような感覚に襲われたことも一度や二度ではない。そんなとき、砕蜂は己の劣情を静めるために何度も自分を慰めたものだ。
それが、まさかこのような場所でいきなり来ようとは・・・。
突然の驚きと、これから始まるであろう行為への不安と期待。様々な感情が渦を巻いて砕蜂を攻め立てていた。
砕蜂が物思いに耽っている間にも、夜一の攻めは休まることなく続いていた。
いつの間に脱いだのであろう。夜一はチョコレート色の肢体を惜し気もなく晒しながら
砕蜂の唇を、首筋を、胸元を、そして張りのある乳房の突端を柔らかい舌でなぞり、舐めまわしていく。
「いっ、はァっ・・・、ふぁっッ」
夜一は、まるで猫がミルクを舐めるようにぴちゃぴちゃと音を立てて転がすようにしたかと思うと、
じっとりと唾液を含ませて舐め上げる。
その一つ一つの行為が砕蜂に官能の階段を一段一段登らせていった。
砕蜂の蜜壷は、度重なる夜一の愛撫により太腿にまで伝わるほどに淫液を溢れさせていた。
そこに、夜一の指先がするりと触れる。
「はぁあぁああうっ」
思わず声を上げる砕蜂を楽しそうに眺めながら、
「どうじゃ、儂の技巧は?」
と夜一は、指の動きを休めることなく問いかけながら、更に砕蜂の淫口に唇を近づけて、
舌で蜜を掬い上げるようにして舐め取った。
「あぁうっ、はぁっ・・・、最高で・・・す・・・」
息も絶え絶えといった様子で、必死に答える砕蜂に夜一は満足げな笑みを浮かべた。
「フフフ、そうじゃろう。喜助も同じようによがっておったわ」
「!!!」
あまりに快楽に意識が飛ぶ寸前だった砕蜂は、その言葉で不意に思考を取り戻した。
と同時にあの、何を考えているのか判らない十二番隊隊長の顔が浮かんだ。
(夜一様は・・・、夜一様は私の・・・!!)
勝気な砕蜂の心中に、浦原に対する対抗心がむくむくと首をもたげて来た。
それは対抗心というよりも、もっと純粋な嫉妬という感情に近いものであったが、砕蜂はそれに気がついていなかった。
「私にもさせてくださいませ、夜一様!」
そう言うと、砕蜂は夜一の乳房に顔を近づけた。
形のよいお椀形のふくらみをそっと舌でなぞる。
夜一の顔が恍惚としたものに変わるのを見届けると、
更に乳輪に沿ってくるりと舌を回し、先端の蕾を含んだ。そして、そのままちゅうちゅうと吸い上げる。
「くふぅぅっ」
夜一が、普段では絶対に出さないような声を立てて体を仰け反らせる。
砕蜂は夢中で、舌を動かし、更に細い指先で、夜一の体中を撫で回した。
「良いぞ、砕蜂・・・。やはりおぬしは見所が・・・・はぁうっ」
荒い息をつきながらも、夜一は砕蜂に賛辞を送る。
砕蜂は続けて、秘所に顔を近づけた。
甘美な淫臭が鼻腔をくすぐり、それだけで、砕蜂は己の蜜壷に更に淫水が溢れてくるのが判った。
(これが、夜一様の・・・)
少し濃い目のヘアの下に、濃桜色の陰唇が見えた。
砕蜂は、先程夜一が自分にしたように夜一の秘所に舌を伸ばした。
ぴったりと合わさった唇を舌でこじ開けるようにして、舐めまわす。
じんわりと淫液が滲んでくるのが感じられ、砕蜂は夢中で舌を動かしつづけた。
柔らかな陰唇を口に含み、包皮に包まれた突起を指と舌で捏ね回すように弄る。
「・・・はぁはぁ・・・もう良い・・・。次に進もうかの・・・」
先程の白打の鍛錬では息一つ乱さなかった夜一が呼吸を荒げて、砕蜂に呼び掛けた。
「・・・次、とは?」
夢中で夜市に奉仕を続けていた砕蜂が、蜜壷から口を離して問うた。
夜一は、砕蜂に背を向けながら、先程麦捨てた自分の装束の懐から、
枯れた小枝のようなものを取り出した。
「夜一様、それは・・・」
砕蜂は好奇と不安の入り混じった表情で問うた。
「・・・次、とは?」
夢中で夜市に奉仕を続けていた砕蜂が、蜜壷から口を離して問うた。
夜一は、砕蜂に背を向けながら、先程脱ぎ捨てた自分の装束の懐から、枯れた小枝のようなものを取り出した。
「夜一様、それは・・・」
砕蜂は好奇と不安の入り混じった表情で尋ねた。
「これか?これは、喜助の奴が作った霊具でな。霊力を込めると・・・ほれ、この通りじゃ」
夜一の手にしている小枝がムクムクと形を変え、怒張した男性器の形状を模した物へと変貌していく。
初めは、指の長さほどだったが、今や、斬魄刀の柄ほどの大きさにまで拡大していた。
「なにやら、現世の道具を真似て作ったものらしいが・・・。あやつは、こうした作るのに長けておるからの」
そう言いながら、夜一はその擬似陰茎をペロリと舐めあげた。
「これで、おぬしをもっともっと気持ちよくさせてやるからの。並みの男では物足りなくなるほどにな」
砕蜂の顔が恐怖に引き攣った。
「そ、そんな・・・。私には・・・無理でございます。・・・そんな大きなもの・・・入りっこありません」
「やってみなくては解らぬであろう。それとも何か。初めてはやはり男がよいか?儂に奪われるのは嫌かの」
「め、滅相もございません!そのようなことは・・・」
慌てて、言葉を繋げるも、ついに俯いてしまった砕蜂を優しく見つめながら、夜一は
「ならば、儂も一緒なら不安もあるまい。・・・砕蜂、おぬしもこれを握って霊力を込めてみろ」
そう言って、張形を差し出した。砕蜂は怪訝な顔をしたが、言われるままにその張形の雁首の根元をそっと握り、霊力を込めた。
すると再びムクムクとそれは形状を変え、二つの男根が根元同士で合わさった形に変形した。長さも先程の倍の長さになっている。
「!!!」
あまりの出来事に目を丸くする砕蜂だったが、夜一は澄ました顔で言った。
「フフフ、お互いに霊力を込めるとこういう形に変わるのじゃ。・・・これは、あとで喜助に追加させた機能じゃがの。・・・さて、これで二人とも気持ちよくなろうかの」
そう言いながら、夜一は片方の先端をゆっくりと己の中に埋めていく。
陰唇が捲れながら、ずっぽりとその擬似陰茎を咥え込み、根元まで納めると、夜一はほうと息をついた。
「・・・次ぎは、おぬしの番じゃ」
夜一は砕蜂をその場に横たわらせると、左手で己から生えた格好になっている双頭陰茎の先端の位置を調整しながら、そっと砕蜂の淫口にあてた。
砕蜂の眼が再び大きく見開かれた。
ぬるぬると濡れそぼった秘所に異物が進入してくる感触は、ひたすら恐怖であったが、夜一の微笑みとも恍惚とした表情とも取れる顔を見たら、砕蜂は少し気分が落ち着くのがわかった。
「・・・夜一様・・・」
そっと名を呟くだけで今この瞬間が永久に刻まれる気がする。
同時にゆっくりと、だが確実に夜一の秘所から生えた張形が砕蜂の柔肉に入り込んでくる。
「・・・っ痛っ」
ぷつり、と音がするような感触があり、鋭い痛みが砕蜂を襲った。
つーっと秘所から鮮血が滴った。
「大丈夫か、砕蜂・・・」
体の上から、夜一の甘い声が聞こえた。
「だ、大丈夫でございます。これしきの・・・」
痛みに耐えながらも、軽く腰を浮かし気味にして、夜一が挿入しやすいように体勢を整えようとする砕蜂だったが、
夜一はそっと砕蜂の体を押し、背中を地面に密着させた。
「フフフ、強がるな。初めてじゃろう?儂に任せておけ」
夜一はそう言うと、砕蜂の唇にそっと口付けた。
静かに砕蜂の深奥まで納めると、
「動いてもよいか」
夜一は尋ねた。砕蜂は必死に笑顔を作って答えると
夜一は夜一の腰がゆっくりと前後に律動を始めた。
「い、ひっ、あぁ、ああぁっ」
思わず法悦の声をあげる砕蜂を、楽しそうに眺めながら夜一も抽送を速めていく。
激しさを増すピストン運動に比例して、砕蜂と夜一の昂ぶりも
頂点を目指して駆け上がっていく。
「あ、んんっ、んぁっ、あ、く……っ、・・・夜一様っ」
「ふっ、あぁあふっ・・・良いぞ・・・良いぞっ、砕蜂―」
嬌声の中にお互いの名を叫びながら、二者の腰は激しさを増していく。
擬似根が愛欲を湛えた淫泉をかき回す、くちゅくちゅという音が
四方に聞こえてしまうのではないか、というほどに大きくなる。
同時に砕蜂の昂ぶりは頂点に達した。
「や、あ、あ、あ、ああああああああ――っ!」
大きく体を仰け反らせたかと思うと、砕蜂の体はぴくっと痙攣をして、くたりと、地面に倒れ、そのまま意識を失った。
目を覚ますと、砕蜂は夜一の膝に頭を乗せて、横たわっていた。
体には、先程脱ぎ捨てた装束がふわりと掛けられている。
「!! 申し訳ありません、夜一様!」
あろう事か、主君に膝枕までさせて、眠りこけているなど、これ以上ないほどの失態である。
慌てて、跳ね起きようとする砕蜂を優しくなだめ、夜一は再び砕蜂の頭を己の膝へと導いた。
白打の達人とは思えないほど柔らかで暖かな手が、砕蜂のおかっぱを撫ぜた。
「・・・気持ちよかったか?」
微笑みながら問い掛ける夜一の言葉にこくり、と砕蜂は小さく頷いた。
「・・・今度は、二人ともイけるまで頑張るんじゃぞ。・・・期待しておるからの」
そう言って再び、フフフと含み笑いをもらす夜一の顔を見上げながら、
砕蜂はこれ以上ないほど満たされた気持ちになっていた。
(この方の為なら、いかなることでも成し遂げよう。一生を捧げよう。・・・夜一様・・・)
新たな誓いを胸に、砕蜂はもう少しだけ今はこのまま甘えていよう、と思った。
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