―――   勝負下着@織姫  著者:4_186様   ―――



一護達が尸魂界に着いた初日、色々あって瀞霊廷に入れず、明日は志波空鶴を訪ねるという、その夜。
ルコン街の長老の好意で一晩泊めてもらえる事になった一護達一行は、比較的広い部屋に男ども全員、
四畳程の狭い部屋に織姫と夜一、と分かれて泊る事となった。
明日も早いからと黙々と布団を敷き、一護達が明かりを消して横になると、襖を隔てた向こう側の織姫
の部屋からはまだ明かりが漏れている。
織姫は先に部屋に入ったはずなので、もう就寝しているものと思っていた一護は、まだ起きてんのか?
と声をかけようとして、織姫の話し声に気がついた。
「…で、だからコツってあるのかなって思って」
「コツか、無いとはいわぬがそれこそ一夕一朝に習得できるものではないぞ」
「う…ん。そうなんだけど…」
どうやら何かを夜一に相談しているらしい。
一護達が明かりを消し、物音を立てなくなった為にやけに隣の声がよくきこえる(気がする)
「じゃが、小娘。心構えは評価してやろう。いざという時の覚悟もあるようじゃな」
「えへへー、大丈夫!ちゃんと勝負下着も着てきました!」


は?



当然就寝体制に入ったばかりだったので、少年達は全員まだばっちり起きていた。
布団の中でそれぞれ硬直しているのを知るはずもなく、織姫と夜一の話は続く。
「勝負下着?なんだそれは」
あっ夜一さん余計な事を!
「あ、あのね千鶴ちゃんが、あ、千鶴ちゃんって友達なんだけど、一緒に遊びにいった時にね、女はいざと
いう時の為に一着は用意しておくものだって、選んでくれたの」
本匠!余計な事ふきこみやがって!井上も井上だ勘違いしてんじゃねーよ!!
「ほほう。どのようなものだ」
「え?きゃっ…」
・・・・・・夜一さん、何をして・・・
それぞれ脳内でツッコミを入れつつだが「聞こえていますよ」と注意するタイミングを計りかねていた少年
達は、当然夜一の行動など予測できるはずもなく、うっかりしっかり聞き耳を立ててしまった。

「あはははっ、夜一さんおひげがくすぐったーい」
「ふむ、こういうものか」
織姫の楽しげなくすぐったそうな笑い声と、ばたばたと暴れる音と、夜一のくぐもった声が聞こえる。
どうやら織姫のTシャツの中に夜一が頭をつっこんだらしい。
きゃははっと笑いながらよせばいいのに織姫は下着の説明など始めた。
「うん、これね。レースが可愛いでしょう?それにシルクだから肌触りすっごくいいの」
「下もか」
「あはははっ、夜一さんおなか肉球でふにふにしないでーっ」

織姫は楽しそうにケタケタと笑っている。…そして何やらもぞもぞと動く気配がする。
「えとね、こんな感じ」
「ほう」
いくら猫だからって見せてんのかよ!!
と激しく脳内でツッコむ隣の部屋の少年達は、だが一人とて声に出していう勇気はなく。
ついでにいうとかなり一生懸命聞き耳を立てているので、ツッコむ権利もない。
「後ろは?」
「これ?えーとTバックっていうんだって。最初ちょっと着け心地が気になったけど、慣れるとよれたりしな
いから返って動きやすくていいの。これね、ブラもだけどレース透けてて恥ずかしいんだけど、リボンが可愛
くて好きなんだ」
「ふむ、そんなものか」
「えへへー」
流石にこれ以上はだめだ、と一護が意を決して隣に声をかけようと起き上がった。
と、同時に
「あ、もう寝ないとですね」
「ん?ああそうじゃな。つい話し込んでしもうた」
と隣から呑気な声が聞こえ
「夜一さんお布団どうぞ」
「よいのか?」
「はあい」
という話し声と共に、織姫の部屋の明かりが消えた。ほどなくすやすやと眠る気配がする。
何か釈然としないものを感じつつも、ツッコミそこねた一護はばさりと布団を頭から被って、自分も寝る為に
目を閉じた。


だが、

織姫の最後の大変詳しい説明に、一護を含む隣の部屋の健康な青少年達は
『Tバックで透けレースのパンツに、透けレースなブラジャー装着の織姫』
をしっかり想像してしまい、眠れない夜を過ごしたという。

どっとはらい






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