―――   ギン×乱菊  著者:4_159様   ―――



薄暗い部屋に水音と荒い息遣いが響いている。淫猥なその音の合間には時折くぐもった高い喘ぎが混じる。
「はアッ・・・ぁ・・・・・・」
くちゅ、と猥らな音をたて、乱菊は二本の指で濡れそぼつ己の内壁を蹂躙する。
「ぁン・・・・んっ、んぅ・・・っ」
人差し指で尖る中心を弄りつつ、中指をひくつく割れ目の中へ進入させる。じゅぶじゅぶと音をさせながら、指を激しく動かす。艶やかな長い髪が広がる布団の上で乱菊は背を反らせ、汗に濡れる肉感的な身体を揺らめかせた。
「  、」厚みのある唇が彼方の名を呼んだ。




「失礼します」
「はい・・・あ、松本さん。何の御用ですか?」
執務室の戸をしおらしく叩いてみせると、神経質そうな顔と声で、実際神経質な三番隊の副官が応対に出た。
「邪魔するわよ吉良。うちのたいちょーからアンタんとこの隊長様に重要書類。ハイこれ。渡しておいて頂戴」
「わざわざありがとうございます」
じゃあ、と部屋を辞そうとすると、吉良の後ろから声がかかった。
「十番副隊長さん、折角来たんやし茶ぁでもしてかへん?ええ菓子貰たんや」
よく見知った顔がのぞく。乱菊の幼馴染ともいえるであろう、三番隊隊長市丸ギンである。
乱菊は目を見開いた。
(なんのつもり?)
避けているわけではないが、幼いころとは全く関係の違ってしまった乱菊と市丸は、それほど話すこともなくなっていた。
加えて市丸の考えていることを乱菊が知ったことは一度もない。
しかし乱菊は訝しく思いながらも、まあ何の企みも無さそうなので、他隊だが上司から部下へのねぎらいだろうと素直に受け取ることにした。
「では、お言葉に甘えて」

他愛もない仕事の話をしながら時が過ぎた。
吉良はお茶を出した後退室し、部屋には乱菊と市丸の二人きりである。
(二人でいるときぐらい普通にすればいいのに)
ぺらぺらと話題を振ってくる市丸を見て思う。
乱菊は現在の市丸が嫌いだった。含んだ笑みや、表面だけ取り繕った言葉が嫌だった。
それは今この時にすら“そう”で、上司と部下だからなどという範囲ではなく、市丸が乱菊を拒絶しているような気さえした。
やるせなくなった乱菊はいかにも高そうな皿の上の、おぼろがかかる淡い藤色の練り菓子(三個目である)を勢いよく口に放り込んだ。

「ついとるよ、食べカス」
「え?」
はっと顔を上げると、市丸が己の右頬を指差しているのに気がついた。
「口の右んとこ」
市丸は常の笑い顔であったのだが、乱菊は無性に気恥ずかしくなり慌てて口元を探る。しかし焦りゆえだろうかなかなか食べかすを見つけることが出来ない。
そんな乱菊を見兼ねてか、市丸が乱菊の顔に手を伸ばしてきた。
「あぁもうちゃうて、ここや此処」
「!!」
市丸の指が、菓子のかけらを摘み取ってゆく。乱菊は息をつめた。その指は、菓子をさらう拍子に乱菊の唇をかすめたのだ。
甘やかな痺れが乱菊の背を伝った。身体の中心へも痺れが伝わり、乱菊はぶると身体を震わせる。
頬の内側を噛んでわずかな快感を押さえ込もうとした乱菊は、しかし引っ込む市丸の手を目で追いかけてしまう。
市丸の手が、幼いころに己に差し出されたそれよりも、ずっと大きく骨ばっていることを、乱菊は強烈に意識した。
この程度のことで感じるなんて・・・欲求不満なのかしら、と明後日なことを無理やり考えた。
本当にどうかしている。落ち着かねばと思った、が。

「そない急いて食べんでも、まだ仰山あるんやし・・・ほんましゃあないなぁ乱菊は」

心臓が跳ねた。

彼は今何と言ったのか。
何気なくだが、昔のように優しい声で、昔のように
(あたしの名前を、)

どくどくと心臓が早鐘を打っている。同時にそれは警鐘でもあった。
身体が熱くなってゆく。ずくん、と中心が疼いた。

「・・・お手を煩わせてしまって申し訳ありませんでした。ありがとうございます、市丸隊長」
高ぶりを静めるため、またそれを目の前にいる幼馴染に悟られないようにするため、乱菊は至極冷静を装って答える。
「気にせんでえぇよ」
苦笑して市丸が答えた。
それからの会話は自分の熱に振り回されている乱菊にはひどく曖昧で、ただ市丸がそれ以降彼女の名を呼ばなかったことに一抹の切なさをおぼえた。

「御馳走様でした」
「ん。またいつか一緒にお茶できたらえぇな、十番副隊長さん」
「・・・ええ、機会があったら是非」
失礼しますと室内に向かい一礼し、後ろ手に扉を閉める。息を吐きそのまま扉に背を預けると足の力が抜けていった。
身体の熱も、ずきずきという下腹部の疼きも止まらない。
「・・・!」
そのとき乱菊の火照った内股を、つ、と冷たい露が伝った。
(こんな所で・・・!)
己を激しく罵り、乱菊は急ぎ足で自室へと向かう。
乱菊、と市丸が口にしたときの声の響きや、唇を掠めた指先の感触が未だ残っている。
眉を顰め廊下を急ぐ乱菊の姿に行き違った幾人かが怪訝な顔を向けてきたが、乱菊は気にも留めなかった。


「はあっ・・・!」
自室の扉をぶっきらぼうに閉めると、乱菊は大きく息を吐いた。
熱い、と独り語ちる。
布団を適当に引きずり出して床に敷き、そこに突っ伏した。豊満な胸が押しつぶされ、乱菊は息苦しさを感じる。
この苦痛が卑しい感情を持ち去ってくれることを期待したが、乱菊の熱は治まらず、疼いたままの中心は刺激を欲していた。

乱菊は息を吐き横向きの体制に寝返りを打つと、自らの陰阜へと手を伸ばし、衣服の上からゆるりと撫で擦った。
「あッ!」
予想していたよりも強い快感が乱菊を襲い、乱菊は反射的に高い声を出してしまう。
乱菊はとうとう帯に手をかけた。
薄い布が肌を擦るのにすらいちいち声を上げてしまうことに苦心しながらも前を肌蹴させると、外気が火照る肌を冷たく撫でた。
乱菊はふるりと肌を震わせる。
すでに乱菊の柔らかな茂みの下からは透明な蜜が溢れ出し、太股までをも、しとどに濡らしている。
「ん・・・」
乱菊はまず綺麗な縦長の臍の辺りに手を置き、冷やりとするその手を徐々に下方にずらしていった。
汗と蜜にしっとりと濡れる茂みに辿りつくと、乱菊は、己の熱を生み出した張本人である男の姿を脳裏に描いた。
幼いときの馴染んだ其れよりも背は伸び、筋肉もきっと付いていて、
(手だって大きくなって、声も低く・・・)
乱菊はつい先刻の三番隊執務室での出来事をまざまざと思い出した。
己の名を呼んだあの声や、唇を掠めたあの指。
(・・・この手が、あんたの手だったなら、)
市丸が己の肌を蹂躙するのを想像し、乱菊はさらに昂った。
己の手に、市丸の節くれ立った手指の像を投影し、乱菊は長い睫毛の縁取る目を伏せた。
止まっていた手を再び動かし始める。
「あっ・・・んッ、・・・はぁっ・・・」
乱菊の右手ーーいや、市丸のだーーは、ぬるつく内股をまさぐり、左手は円を描くように胸を揉み揺さぶる。
一番敏感なところに触れずとも、感度の増した肌には全ての愛撫が快感であった。
「っ・・・ギン、」
たまらなくなり、只管に心の内だけに留め置いていた彼の人の下の名を唇にのせる。
と、虚像の市丸の存在がよりはっきりと像を結んだ。


> 乱菊自身の手に重なって、市丸の指が、舌が、乱菊の滑らかな肌をなぞる。
「ァンッ!」
乱菊の身体がはねた。
市丸は優しく乱菊の胸を包み桃色の身を摘み、それに爪を立てるなどして弄る。
さらに片方の手を下肢の茂みの奥へと持ってゆき、蜜が滴る割れ目に指を沿わせ、わざと焦らすようにゆっくりと内壁を擦った。
グチュ、と濡れた音が耳につく。
「はぁッ・・・んぅ・・・ギンん・・・・・・」
暫らく部屋には水音と喘ぎだけが響き、乱菊はますますのぼせてゆく。
『乱菊』
市丸が彼女の名を呼ぶ。
じぃんと耳の奥で反響する声に、乱菊の睫毛が震えた。
市丸は乱菊の下肢に顔を埋めると、溢れ出る蜜を舌で掬い取った。
「ぁあっ!」
長めの舌が薄茶色の茂みの下でいやらしく蠢く様に、乱菊は恍惚として身体を震わせた。全身が痺れる。
その間も市丸は、硬くとがる小さな核やひくつき蜜に濡れる内壁を舐めつつき、その手は柔らかな胸を揉みしだく。
「ぁ・・・はっ・・・ギン・・・、ギン・・・・・っ!」



乱菊は息を吐き横向きの体制に寝返りを打つと、自らの陰阜へと手を伸ばし、衣服の上からゆるりと撫で擦った。
「あッ!」
予想していたよりも強い快感が乱菊を襲い、乱菊は反射的に高い声を出してしまう。
乱菊はとうとう帯に手をかけた。
薄い布が肌を擦るのにすらいちいち声を上げてしまうことに苦心しながらも前を肌蹴させると、外気が火照る肌を冷たく撫でた。
乱菊はふるりと肌を震わせる。
すでに乱菊の柔らかな茂みの下からは透明な蜜が溢れ出し、太股までをも、しとどに濡らしている。
「ん・・・」
乱菊はまず綺麗な縦長の臍の辺りに手を置き、冷やりとするその手を徐々に下方にずらしていった。
汗と蜜にしっとりと濡れる茂みに辿りつくと、乱菊は、己の熱を生み出した張本人である男の姿を脳裏に描いた。
幼いときの馴染んだ其れよりも背は伸び、筋肉もきっと付いていて、
(手だって大きくなって、声も低く・・・)
乱菊はつい先刻の三番隊執務室での出来事をまざまざと思い出した。
己の名を呼んだあの声や、唇を掠めたあの指。
(・・・この手が、あんたの手だったなら、)
市丸が己の肌を蹂躙するのを想像し、乱菊はさらに昂った。
己の手に、市丸の節くれ立った手指の像を投影し、乱菊は長い睫毛の縁取る目を伏せた。
止まっていた手を再び動かし始める。
「あっ・・・んッ、・・・はぁっ・・・」
乱菊の右手ーーいや、市丸のだーーは、ぬるつく内股をまさぐり、左手は円を描くように胸を揉み揺さぶる。
一番敏感なところに触れずとも、感度の増した肌には全ての愛撫が快感であった。
「っ・・・ギン、」
たまらなくなり、只管に心の内だけに留め置いていた彼の人の下の名を唇にのせる。
と、虚像の市丸の存在がよりはっきりと像を結んだ。

乱菊自身の手に重なって、市丸の指が、舌が、乱菊の滑らかな肌をなぞる。
「ァンッ!」
乱菊の身体がはねた。
市丸は優しく乱菊の胸を包み桃色の身を摘み、それに爪を立てるなどして弄る。
さらに片方の手を下肢の茂みの奥へと持ってゆき、蜜が滴る割れ目に指を沿わせ、わざと焦らすようにゆっくりと内壁を擦った。
グチュ、と濡れた音が耳につく。
「はぁッ・・・んぅ・・・ギンん・・・・・・」
暫らく部屋には水音と喘ぎだけが響き、乱菊はますますのぼせてゆく。
『乱菊』
市丸が彼女の名を呼ぶ。
じぃんと耳の奥で反響する声に、乱菊の睫毛が震えた。
市丸は乱菊の下肢に顔を埋めると、溢れ出る蜜を舌で掬い取った。
「ぁあっ!」
長めの舌が薄茶色の茂みの下でいやらしく蠢く様に、乱菊は恍惚として身体を震わせた。全身が痺れる。
その間も市丸は、硬くとがる小さな核やひくつき蜜に濡れる内壁を舐めつつき、その手は柔らかな胸を揉みしだく。
「ぁ・・・はっ・・・ギン・・・、ギン・・・・・っ!」



『乱菊』
市丸が彼女の名を呼ぶ。
じぃんと耳の奥で反響する声に、乱菊の睫毛が震えた。
市丸は乱菊の下肢に顔を埋めると、溢れ出る蜜を舌で掬い取った。
「ぁあっ!」
長めの舌が薄茶色の茂みの下でいやらしく蠢く様に、乱菊は恍惚として身体を震わせた。全身が痺れる。
その間も市丸は、硬くとがる小さな核やひくつき蜜に濡れる内壁を舐めつつき、その手は柔らかな胸を揉みしだく。
「ぁ・・・はっ・・・ギン・・・、ギン・・・・・っ!」
がくがくと腰が笑い、乱菊は弓なりに背を反らして彼の名を呼んだ。
「ふアッ・・・・・!!あ、ぅ、」
乱菊の柔らかに濡れた蜜壺から雫が弾け散った。



白む視界に目を瞬かせながら、乱菊は仰向けのまま天井に手を伸ばした。白くきめ細かな腕がゆらめく。
(・・・たいちょーに・・・何て言おうか)
無断早退の言い訳をつらつらと考えていると、次第に乱菊の頭は冴えてきた。

(・・・・・・・・あたしったら)

そして、今更になって赤面した。





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