――― 日番谷×雛森 著者:396様 ―――
拘置されているのは鉄格子つきの牢屋。
何も出来なかった自分にただ歯噛みするだけの毎日が続く。
一体いつになったらここから出られるのか
隊長の身体はちゃんと降ろしてもらえたのだろうか
そんな事を考えながらただ涙を流す日々。
壁に向かって悲しいのか、悔しいのか、それとも両方が混ざってか
分からないけれどもひたすらに涙する。
「たいちょ・・ぅ・・・」
「また泣いてんのか」
「ひゃあっ」
突然耳元で声がしたので心底驚いた。
「日番谷・・・君」
後ろを振り向こうとした。が、出来なかった。
抱きしめられてしまったから。
「もう泣くな、って言っただろ?」
「でもっ・・・でも・・・無理だよ・・・隊長が死んじゃうなんて・・・」
腕で涙を拭う。が、拭っても拭っても涙は止まらない。
「大好きな人が死んじゃったのに・・・泣くなって言われても、無理だよ・・・」
日番谷が雛森を抱く力が強くなった。
「大好き、かよ・・・」
「日番谷君、くる、し」
突然身体が反転させられる。
肩を掴まれて、驚いて日番谷の顔を見ると、
そこには今までに見た事もない程に真剣な顔。
「ひつがや、くん・・・?」
その形相に怯えながら様子を伺う。
日番谷が何か呟いた
「・・・・・・ろ」
「え?何?きこえな」
「俺を見やがれ!」
叫んでから雛森の頬に手をやり上を向かせて無理矢理の、口付け。
「んん!」
離そうとしても日番谷は離れない。
ドンドン!
力いっぱい胸を叩くがそれも無視して口付けは更に深くなる。
舌が侵入してきて歯列をなぞり口の中で暴れまわる。
「んーっ!・・・んぅっ・・・んんぁ」
散々口内を蹂躙されて、日番谷の身体が離れた後、雛森は立っていられずに
ぐったりとしゃがみこむ。
「な、んで・・・」
日番谷はそれには応えずに牢を出ていく。
しかし、雛森にはそれに気づく余裕すらなかった。
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