―――   雛森×隊長 著者:3_29様   ―――



ある夜の出来事・・・・・

「それでねぇ、金城君に綾見君たら酷いんですよぉ〜」

小春日の五番隊隊長私室、今日も明るく澄んだ雛森の声が響く。

「はは、君は何時もからかわれてばかりだねぇ」
「もうっ、藍染隊長までっ!!」
「いや、悪く言ったつもりは無くてね、それだけ皆に好かれていると言う事さ」

何処ぞの和菓子屋から取り寄せた生八ツ橋と玉露を置いてけぼりに、二人の話は弾む。

「それで金城君が言うんですよぉ、"藍染隊長みたいな聖人君子の旦那様がいらっしゃっていいですね〜、まだなんでしょう?"って。これって藍染隊長も皆に好かれてるって事でしょう?私、嬉しくなっちゃいましたぁ」
「‥そ、そうかい‥‥」

微笑みをやや引きつらせた藍染には気付かず、雛森は話し続ける。

「でもそれを言ったらぁ‥‥」

不意に雛森の声のトーンが下がった。

「‥‥何か、されたのかい?」
「‥‥綾見君にキスされて‥‥何だか、ぬるぬるしたものが口の中に入ってきて、気持ち悪かったです」

こんな感じ、こんな感じです、と、口の回りでわさわさと手を動かし、眉間にしわを寄せてその時の気持ち悪さを訴える雛森を呆然と眺める藍染の頭で、何かがぶつりと千切れた。

「そうか、聖人君主か‥‥さぞかし僕は皆に好かれてるんだろうねぇ」

「そうか、聖人君主か‥‥さぞかし僕は皆に好かれてるんだろうねぇ」
「藍染隊ちょ‥‥?‥きゃっ!?」

ガシャンッ!

藍染の普段見せない低い笑みに雛森が訝しげに思うが早いが、両手首を掴み引き寄せられ机に背中を押し付けられた。
まだ未処理の書類と共に、生八ツ橋が落ちて行く。

「た、い‥‥ちょ‥?」
「つくづく君は鈍いね」

パリーン!

少し遅れて、信楽焼の湯飲みが割れる音がした。

「そもそも僕が幾度も堪えてきたのを知らないで、平気で他の男の話をする事自体、鈍過ぎる」
「!ご、ごめんなさい、私‥‥いたっ!」

皆まで言う前に、机の上に投げ出されたままの両の腕が、後ろにぎりりと捩り上げられる様な痛みに襲われる。

「‥縛道の九十九、『禁』。下手に抵抗されても困るからね‥悪いけど少し大人しくしててくれたまえ」

複雑な印を組んだ指をゆっくりと解いて、藍染は笑みを浮かべると、かたかたと微かに震える雛森の足を掴んで開かせ、そこに自分の体を割り込ませて閉じれない様にする。

「恨むなら、自分の鈍さを恨む事だ」

そう言って黒縁眼鏡を外した藍染の瞳には、緑色の炎がゆらりゆらりと、静かに、しかし激しく揺らめいていた。

「ぃ‥‥‥いゃぁ‥」

袴を脱がされ、小袖は肌蹴られ、下着と足袋だけの格好に雛森の体に羞恥が走る。

「嫌?嘘を吐いてはいけないよ、雛森君」
「‥‥‥ぃっ!?」

少しひやりとした藍染の手が、まだ発育途上の雛森の胸元に触れる。

「嫌だと言うのなら、どうして此所は固くなっているんだろうね?」

白い襦袢を僅かに押し上げている乳首を目敏く見つけた藍染は、そこをより際立たせるかのように、人差し指と親指で摘み上げて擦り上げる。

「ぅ‥‥はぅ、ん‥」

そこから伝わる痺れに似た感覚に、雛森はぎゅうと目をつぶる。

「ほらご覧雛森君、少し触れただけでこんなに立たせてしまって‥」

瞼の向こうから聞こえる藍染の声に雛森が恐る恐る瞳を開くと、藍染の指に摘まれたままの頂点がつん、と尖り、襦袢を押し上げているのが嫌でも目に入る。

「‥あ、‥いぁ‥‥」
「ふふ‥‥全く君は‥」
「‥‥ひぅんっ!?」

藍染は笑みの形に歪めた唇をぺろり、と舐め、前触れも無く放って置かれていた反対の乳首に吸い付いた。
襦袢を脱がす事も無く、その上から乳輪をなぞりちゅうぅと吸い上げる。

「あっ‥!ん、ンや、っは、やああっ!」

雛森も年頃の娘、自慰をした事があるとは言え、乳首を吸われるという行為は体験した事はなく、湿った布地が擦れて更に快感が増す。






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