―――   コン×織姫  著者:笹葉様   ―――



「いッ‥一護と!?マジで!?」
他ならぬ一護の瞳を大きく見開き、彼の身体でコンは問い質した。
普段の、本当の一護ではあまり見る事ができない表情を目にして、向かい
合ってる織姫はなんだか不思議な気分になる。
コンはそんな事はお構いなしにもう一度、本当に?と聞き直した。
「‥うん、まァ‥。」
織姫は、ちょっと恥ずかしそうな顔で、しかし否定はせずそれに答えた。

初夏の夕暮れ。逢魔が刻という言葉にふさわしくその時間は魔物が出現
しやすいのか、一護とルキアは虚退治に出掛けてしまっている。
変態親父はどこかの病院へ挨拶に、双子の妹の生意気な方は友達(舎弟?)
とアグレッシブな遊びに出掛けていた。黒崎家に残るは天使のような悪魔の
笑顔、黒崎家の家事担当、遊子と一護(コン)の二人きりとなってしまって
いた。
遊子に軽いトラウマを抱えるコンは、挨拶もそこそこに家を逃げ出し、
かといって別にやることもなく、川の流れる橋あたりをブラブラと歩いて
いた。ここの眺めは外の世界をあまり見ることが無かった改造魂魄である
コンの、一番最初にお気に入りとなった場所だった。
今日は、そこには先客が居た。

栗色の長い髪を揺らし、ついでに神々の祝福を受けた大きなふたつのふくらみも
揺らしながら、井上織姫がひょこひょこと川沿い歩いていたのである。あの時、
織姫の家にコンが押しかけて以来の再会である。
織姫と認識した途端に、コンはひと足で一気に橋の上から土手までを飛び降り、
にやけた顔で
「井上サン!」
と笑いかけた。6、7メートルはあろうかという橋の上から軽く飛び降りた
一護の姿に、織姫は大きな目を一層大きく見開いて返事をしたのだった。
「く、く!‥‥あれ‥。コン‥くん?」

――話をしている内に、コンと織姫のお気に入りの場所は、少しずつ黄昏色を
濃くさせて染まりかけていた。二人の座っている草も鮮やかな緑から黄緑、
セピア色に染まっていく。
沈黙の後、言葉を失っていたコンが、ようやく織姫に笑いかけた。
「そ、そっか‥一護と‥良かったじゃんか。」
コンは織姫に恋していたという訳ではないが、先ほどの告白に少なからず
ショックは受けていた。
一護にそれだけの甲斐性があった事に驚いたのも少々あるが。
だが、少し落ち着いてから考えると、良かったな、とコンは心から思う。
織姫の男の趣味は永遠に理解できないが、どうあれ好きな男に抱かれるのは、
嬉しい事なんだろうと思う。コンは恋という感情はよく判らないのだが、
女の子というものは少し判るつもりでいる。
織姫はきっと一護と上手くいくのが幸せなのだろう、そう思った。
「うん‥ありがとう。」
織姫が少し恥ずかしそうにコンに笑いかける。だけどその表情は嬉しそう、と
いうのとは少しだけ違う感情が見え隠れてしてるようにコンには思えた。

「‥どしたの?井上サン。」
コンの問いに織姫はまた笑顔で、ん?別に、と答える。
「付き合いはじめで浮かれまくり、って感じには見えないなァ。」
好きだった男と付き合ってるんなら、もっとウキウキしてるもんじゃねーの?
コンがそう聞くと、織姫はあー…と何処にともなく声を掛けてから
「べつに、付き合ってるわけじゃないんだ。」
と答えた。
「あー。そうなんだ。でも、まだ、だろ?」
「まだ…なのかなァ‥。」
織姫がまるで自信なさそうに聞き返す。おいおい、聞かれても。
なにやってんだ、とコンは思う。好きだと伝えて、やることやって、それなら
強引にその先に誘うなり一護に責任とれと問い詰めるなり幾らでも遣りようが
あるだろう。一護の性格を考えたら、織姫を放ったらかしにして遊びだった、
などと答える事は決してない。
そう励ますと、織姫は言った。
「うん、黒崎くんはそうだと思う。」
きっと、話もきちんとしてくれる。だけど、
「責任を取ろうとするのと、私の事どう思っているのか、って言うのは別でしょ?」
黒崎君は、多分私のこと好きとか、そういうんじゃないんじゃないかなーって思う。
それでも付き合ってくれるとかになったら、きっと嬉しいけど、ちょっと悲しい。
だったら、「まだ」じゃなくて「付き合ってない」っていう方がいいんじゃ
ないのかなァ。

セピア色になった、手元にある名前も知らない小さな花を細い指で撫ぜながら、
目線を花に落としたままで織姫はコンにそう言った。コンはずっと黙って聞いて
いたが、聞いている内に、なんとなく眉間に皺が寄っていき、一護本来の顔の
ようになっていった。
織姫の気持ちが判らない訳でもない。訳でもないが…判りたくない、
とコンは思ったのだ。
「殺す」というのはコンが最も嫌う行為である。大袈裟な言い方になるが、
井上織姫は織姫自身の気持ちを殺そうとしている。それが誰の為になるのか、
本当に一護の為になるのか、それを確かめもしないでそうするのは、どうにも
気に入らない。
そのままの言葉を口にした。
「気に入らねェな!」
土手に足をガッと広げて、コンは大の字になる。突然、大きな声を出された
織姫はびっくりして、そしてそれから不安げな瞳でコンを見る。コンは横目で
織姫を睨みつけ、一護に似た表情で織姫に言った。
「好きならエンリョすんなよ!一護だって別に、好きな女がいるわけじゃないし、
だったら井上サンの事好きになったりするかもしんねーだろ。何もしない内に
諦めるなんて、馬鹿みてえじゃんか!」
織姫は瞬きもせずにコンを見つめていたが、その言葉を聞き終えると、そっと
目を伏せた。
怒鳴り慣れないコンは、この後どうして良いか判らずに、少しバツの悪い表情
になる。夕焼けの太陽ばかりが忙しなく動いて、動かない織姫とコンの影だけを
変化させていく。

暫くの沈黙の後、織姫がぽつり、と呟いた。
「‥なんか‥黒崎くんに言われたみたい‥。」
何もしない内に諦めるな。確かにアイツなら言いそうな気がして、一瞬だけ
コンは気落ちした。だが、
「…ありがとう、コンくん。」
そう織姫に笑顔を向けられると、コンは、ま、別にいーか。などと思う。
とりあえず、沈黙が破れて少し気が楽になったコンは、改めて、いつもの
自分らしい口調で織姫に言う。
「大体井上サン、次は俺とっていう約束も破って一護とヤッたんだから、
ちゃんと野郎と上手くいってくれねーと‥」
そう言いかけたところで、織姫の「あッ!」という声に遮られた。驚いて
織姫を見ると、彼女は大きく口と目を開いて、コンに突然謝り出した。
「そうだ!そう約束してたのに‥。ごめんなさい!どうしよう!」
おいおい。どうしようって。

ふ。とコンの脳裏に誘惑の甘い言葉が囁いた。それは夕日がくっきりと
織姫の特盛の影を現にした所為もあったかもしれない。或いは、一生懸命
謝る織姫の眉根を寄せた表情が、ちょっとばかりコンの本能を刺激した
所為もあったかもしれない。とにかく、その甘い言葉は先ほどまで織姫と
一護の間を応援していたソレとは少しばかり別のベクトルに、コンを走ら
せてしまった。
「‥じゃあ‥さ、井上サンッ‥!」
コンは織姫に向かってこう続けた。
「男の誘惑の仕方と悦ばせ方、教えてやるよ‥但し、実地で。‥どお?」
鼻息が自然荒くなる。コン本人は気づいていないが、かなりエロいことを
企んでいる、あまりにも正直な表情である。普通の女子ならドン引きであろう。
だが、井上織姫はやはり普通の女子ではなかった。
「ええ!?それ、黒崎くんもよろこぶ?‥あ、でも、いいの?あたしが何か
お礼しなきゃいけないのに、教えて貰うなんて‥。」

そしてコンは、織姫の部屋にいた。
家に上がるのは二度目で、初めての時は兄のシャツを押入れから引っ張り出し
ている織姫を待ちながら、女の子の部屋ってのは、なんつーか、香りがいい
よなァ‥なんて考えながら部屋を見回していたものだった。
あれから一週間近く経つこの部屋は、前回と変わりなく、女の子の部屋の
空気を醸している。
その空気を存分に吸い込みながら、コンは胸を高鳴らせて織姫を待った。
「こ…コンくん…。」
待ちわびていた声に振り向くと、扉から顔だけをひょこん、と出した織姫が
困ったような顔でこちらを見ていた。
「着てくれた?井上サン。」
コンが期待に胸と鼻の穴を膨らませて聞く。誘惑するならそれなりの格好を、
と言い聞かせて水着を着てもらったのだ。織姫はコクリと頷いたが、でも…
と返す。
「やっぱり、おかしいよ…。家の中で水着なんて…。」
「おかしくない!」
速攻でコンは返し、大丈夫!と念を押す。実際おかしい上に、一護と織姫の
二人の間ではどう転んでも自宅で水着になる、などというシチュエーションは
有り得ないのだが、そんな事はコンの欲望の前には関係ない。だが、織姫は
まだ渋っている。
「いーからいーから。早くしないと一護の口説き方教えてやらねーぞ!」
その言葉に織姫は漸く扉から身体を出し、コンの前に全身を現した。

コンの表情が「ぞ」の口のままで固まった。期待していた織姫の水着姿は、
期待とはかなり別のものであった。
それは、紺色のワンピース。胸元の中心には白い布が覆われ「3−C・井上」
というマジック文字が大きな胸の為に歪んでいる。中学校のスクール水着で
ある。コンは口を開いたその表情のまま、織姫に問う。
「…なにそれ。」
「み…水着?」
何故だか織姫が疑問形で答えた。
マニアックな趣味の奴ならこれでも喜ぶのであろう。実際、スクール水着は
パツパツに織姫の肢体に喰いこんでおり、乳房は溢れんばかりだし、曲線も
見事なほどに描き出している。だが、コンには「水着といったらビキニ」
という認識しかないのである。テレビ番組やグラビアアイドルでしか水着を
見たことが無いコンにとって、スクール水着は水着と呼べるものではなかった。大いに落胆したコンは子供のように駄々をこねて叫んだ。
「何だよそれー!そんなの水着じゃねえよ!水着ってのはもっとこう!
三角!全てが三角で構成されてなきゃ駄目なんだよぉ!」
良く判らないキレっぷりである。織姫は子供をあやすように、ご、ごめん、
わかったわかった、と答えた。
「着替えるから。別の水着にするから、それならいい?」
ピタリ、とコンの動きが止まる。本当に子供のようにゲンキンだ。
「でも…中2の時の水着だから、ちょっと着れるかわかんないんだけど…」
それでもいい?と織姫がコンに聞く。コンは首を縦にぶんぶんと振って、
お待ちしてます、とばかりに姿勢を正した。


ほどなくして。
「こ…コン…くん…。」
またもや織姫が扉から顔だけひょこん、と出し、着てみたけど…と続ける。
「や…やっぱりちょっと、キツくって…その…。」
「とりあえずこっち来なよ、井上サン。」
さんざん待たされたコンはもう待ちきれないとばかりに織姫を呼ぶ。
織姫が漸く、ビキニ姿でコンの前に姿を見せた。
中学二年のときに買ったビキニはレモン色一色のとてもシンプルなもので
あった。但し、高校一年までの二年間の間に織姫の身体のあちこちは
急成長をしており、胸の二つの三角は明らかに小さく、中央は隠しているが
横、下乳などがはみ出している。その恥ずかしさの為に反応したのか、
小さな水着の中心は少しばかり主張を見せて、薄い黄色い生地を中から
押し上げている。
一方、下の三角もキツいようだ。織姫の大事なところを申し訳程度に隠す
ばかりで、ぷりん、とした尻を包み込むまでには至っていない。半ケツと
まではいかないが、織姫の細い腰の下の縦の割れ目は見えているし、へそ
下のVのラインもくっきりとコンの目に映っている。コンは、息と唾を
同時に飲み込み、ぐびっ、と喉を鳴らした。
「ナ…ナイス水着。」
駄目な感想を織姫に伝え、ま、座って、とコンは織姫に促した。織姫が
素直にちょこん、とコンの隣に座る。

「えー…じゃあ、その、まずは井上サンのやり方で誘惑してもらおうかな。」
一護の誘惑の仕方など、コンには当然わかるはずも無い。行き当たりばったりに
取り繕いながら、コンは先生ぶって織姫の、主に胸元あたりを見る。騙された
生徒はええー、と考えこみ、大きな胸の前で腕を組んだ。
胸の谷間が更に強調される形に押される。正直、この身体ひとつで大抵の男は
落ちるだろう。コンの左手も織姫の細い露な肩を抱きしめ、そのまま押し倒し
てレモン色の水着の下に右手を這わそうと、うずうずしている。
コンは必死でその欲望を押さえ込んだ。
コンが本能と理性を戦わせている間、織姫は考える。誘惑、誘い方。
たつきを遊びに誘う以外に「誘う」という行為をした記憶がない。誘われる
方を思い出してみる。
…千鶴ちゃんみたいな感じかな…?
織姫が、コンの肩にそっと手を掛け、体重を預けた。薄い水着に中途半端に
守られた胸をコンの腕にすり寄せ、耳元に口を近づかせる。
「コンくん…き…気持ちいーコト、してあげよっか…?」
「ハ…ハイ…。」
お願いします、と間抜けな返答をしてコンは織姫の出方を待つ。だが、
織姫はそれから動けない。今のセリフを織姫に言った後、千鶴はたつきに
ガツンと殴られ引き摺られて退場させられた為、肝心の気持ちいい事、
千鶴がどんな行動に出るのか、織姫にはわからず仕舞いだったのだ。

変な空気が二人の間に漂う。織姫は必死でどうすべきか考え、ふと、以前
たつきが言っていた言葉が脳裏に浮かんだ。
「大丈夫、あんたなら乳でも掴ませりゃ、むこうから襲ってくるって‥」
織姫は咄嗟に浮かんだその言葉そのままに、コンの手をとり自分の胸に
「えい!」と宛がった。
胸を触らせるのにエイ!はないだろう‥と思いつつも、コンの右の手の平に
押し付けられたムニュッとした感触は、堪らない心地良さだった。そのまま
掴んで揉みしだきたい。だがそう簡単に誘惑に乗ってしまってはちょっと
情けない。
情けないが‥我慢できねー!
コンはそのまま、織姫の大きな胸に宛がわれた手を動かし、ぐっと掴んで
指をふくらみの中に押し込んだ。
「っあん‥ッ!」
突然の激しい動きに、織姫は思わず声をあげる。コンはもう一方の手も使い、
織姫の両乳を覆う。薄い水着の上からでも、もっちりと柔らかい手から溢れる
ほどの大きな感触や、乳首のプリッとした手触りまでもが、まさに手に取る
ように判る。コンは両手の平、指先、手の全てを使って織姫の胸を撫で、
こすり、揉みしだく。
欲望の赴くままに握力の運動を続けているうちに織姫が
「ンぅ‥ッ‥ぁあん‥」
と、甘い声を漏らしてきた。執拗に揉まれているうちに、大分感じてきている。
早くも小さい水着の中心部はつんとそびえ、その形をくっきりと乳輪までも
浮きだたせて露にしている。手の平に突起の感触が心地良くこそばゆい。
井上サン‥とコンが少しばかり荒くなった息で囁く。
「脱いでみせてくんない‥?」

「あ‥はい‥。」
上気した頬と濡れた瞳で織姫は素直に答えてしまい、そのまま行動に移す。
後ろ手に水着のブラジャーのホックを外そうとするが、上手く指先に力が入っ
てくれない。前かがみに身体を捩じらせてもそれは変わらず、織姫の長い栗色
の髪が数束、たわわな胸の前にこぼれるばかりである。
「んん‥ッ」
コンはその仕草と必死な織姫の声に焦らされる。上手く外れてくれないこと
に織姫自信も業を煮やしたのか、後ろ手にしていたその手を胸元に持って
きた。胸の水着に手を掛け、ゆっくりとずり上げていく。
三角形が上から引き上げられて、突起の影が縦にいやらしく歪み、下から
桃色の輪郭を覗かせる。頂点が硬くなっている為、布から顔を出すのに少々
抵抗していたが、ついに左側の乳は抗いきれなくなった。興奮した桃色が
ぷるっと全貌を現す。
織姫が一層顔を赤らめ、水着をたくし上げたばかりのその手で胸を隠そうと
する。だが、それはコンの手によって手首を掴まれ、阻まれた。
「‥あッ‥」
コンは何も言わず、笑顔だけを織姫に見せる。一護では見ることのない、
屈託のない笑顔に織姫は少しドキッとした。
これが、コンくんの本当の顔なんだ‥。
そう思っている間に水着の右側にもコンの親指が差し込まれ、もう一方の大
きくなった乳首がプルンと布から追い出された。鎖骨まで水着をずり上げら
れ、織姫の白い胸を、乳首をも守るものは何も無い。無防備に白い果実を
揺らせてコンの前に出される。
大きな手が白い胸に触れた。正面から乳首を軽く手の平で転がし、そのまま
横へ滑らせて背中に手を回す。織姫の身体をぐっと引き寄せて、そして唇を
胸へ寄せて中心の実を口に含んだ。

「あんっ‥!」
長く待ち望んでいたかのように、織姫は甘く高い声をあげた。コンの口の中
では硬くしこった乳首が弾力をもって舌と歯の間でぷるぷると嬲られる。
「はぁん‥あぁん!」
コンはそのまま、ちゅぅう、と乳首を吸い上げる。織姫の声が更に高く反応
する。
「だ‥ダメぇ‥ッ!あぁんッ!あぁッ!」
吸い上げたまま口の中、舌先で乳首の先端を更に突付き責める。織姫が身体
を捩じらせ、胸の形がより変形する。唇を剥がし、尖りきった立派な乳首を
ぺろりと舐め、再びちゅぱっと音がする程に吸い上げた。
「ぁあっ!はぁっ‥!だ‥だめ‥コンく‥吸っちゃ‥ッ!‥ぁああ!」
だが止まらない。背中を支える手を片手だけにして、もう一方の手を空いて
いる乳首をつまみ上げるために使う。
指先でコリコリを感じ取り、吸われている方と同じように指で引っ張り、
指の腹でこねくり回す。吸い上げるあられもない音が織姫の耳に入る。更に
両方の乳首を同時に激しくいたぶられる感覚。織姫は甘い快楽と激しい羞恥
に声にならない声をあげる。
コンが愛撫を続けていた織姫の白い胸を外側から、親指と人差し指の間を
使って掴む。織姫の目からも充分見える位置にぷっくりと乳輪の小島を浮き
立たせ、勃起した乳首と自分の舌を絡ませる。織姫の目の前で彼女の赤く腫
れた乳首とコンの湿った舌は踊り、透明な液体に照らされる。舌が動く度に
プルプルと桃色の残像を映しながら激しく上下左右に転がされては起き上がる。
「あぁあッ!ッ‥あぁん!コン‥くん‥ッ!やぁあっ‥!」
織姫が涙声で哀願する。コンが漸く吸引をやめ、やさしく乳輪を舐めだした。
だが、織姫にはそれもまた刺激であり、またはしたない声が上がる。
コンは、織姫の太腿の間に足を割りいれ抜け目なく股間も膝で刺激していた
が、気が付けば膝も湿って生暖かくなっていた。陸の上で織姫の水着は塩っぱ
い水に濡れている。
またしても一護の服を濡らしてしまったが、もはやコンにはどうでも良かった。
片手を織姫の下腹部に移動させる。

「井上サン‥足開いて‥」
ハァ、ハァと息が上がったまま織姫は動かない。これから何をされるのか、
判らないんじゃないかというくらい朦朧とした様子に、コンは少し心配に
なった。
足を外して移動し、織姫に膝枕をしてやる。髪を撫でて、そっと問うた。
「大丈夫?」
「‥うん‥だいじょぶ‥コンくん‥何か‥すごくて‥。」
確かに、一度身体を重ねた時よりも遠慮なくコンは責めている。無理して
一護っぽく振舞った前回より、自由度が高い所為だろうか。兎にも角にも、
スゴいと言われるのは男として悪い気はしない。コンはへへ、と笑って
「じゃあもっとスゴイことしてやるよ。」
そう言って織姫の胸に再び口を這わせた。膝枕の体勢から織姫の上に逆さに
覆いかぶさり乳首に軽く歯を立て、甘噛みと交互に責める。織姫はコンの
心臓の音を目の前に感じながら、ああっ、と声をあげた。
胸を責めながら、コンは両手を上方に伸ばし、水着の下半身の部分を探って
いく。小さい水着は中から溢れる塩水を抑えきれずに床を濡らしていた。
息も出来ないほどにぴっちりと秘部を覆い、陰部の形がかなり明確にわかる
ほどに食い込んでいる。中央が柔らかそうなふくらみを醸し、指を押し込ん
だらゴムのように弾力よく跳ね返しそうな肉感である。無理をして着たよう
で、織姫の体から取り払うのは少々手間が掛かりそうだった。
コンは開かれた織姫の太腿の間、大切な部分を守る部分――今は最も濡れて
いる所――にクイ、と指を二本入れ込み、太腿の付け根にぐいと横から
開いた。お尻が半分Tバックのようにくいこみ、薄い栗色に脆弱に守られて
いた、水気を伴った赤い果肉がぷるりと姿を現す。てらてらと光って瑞々
しく、そして生々しい肉の花弁は織姫の胸への愛撫を一瞬止まらせるほど
淫猥だった。コンは水着をずらしたその指で、そのままクチュクチュ、と
織姫のそこを弄りはじめた。
「あっ!‥は‥ッ!」

胸への刺激とはまた違う、痺れるような感覚が織姫を襲う。ぷにぷにとした
果肉をいじられ、蜜を絞るように指でこすられて、織姫はたまらず嬌声を
あげる。
「あはぁ!あぁっ、ふぁあ!」
コンは乳首から舌を剥がし、体位をそのまま上に移動させて指で探っていた
織姫の陰部に唇をもっていく。そこからこぼれ出た液体を丁寧に舐めとり、
啜る。じゅ、じゅく、ちゅるぅ‥と卑猥な音が織姫の部屋中に響く。
コンの目と鼻の先に織姫の果肉があると同時に、織姫の目前にも巨きくなった
コンの一物がそそり立っていた。コンは痛みに耐えかねて既にチャックを開
いており、ずらされたズボンから異形の塊が聳えている。
めちゃめちゃに感じさせられ、目の前を意識してなかった織姫が、ようやく
それに気付いた。
「あ‥。」
半ば無意識に、だがまるで愛しいものを包むように、織姫は自然にそそり立つ
肉棒に指を這わせた。
すごい‥かたい‥。
指先に隆々とした力を感じ、そのまま織姫は自分の興奮に繋げる。花弁を指と
舌で舐られているのを感じながら、織姫はコンと同じように指と舌先でコンを
弄り、舐りはじめた。コンの逞しい一物が、織姫の舌の動きに反応してピクン、
と動く。
「っは‥ッ」
コンが息と共に低く声を漏らす。感じてくれてる。織姫はなんだか嬉しくな
り、舌の動きを活発にさせていった。
舌だけを転がせていたものが、いつの間にか唇を使い、コンの先頭の部分を
織姫は口で含み始める。以前にも経験はあるが、やはり上手く咥えることが
出来ない。
「も‥ちょい、奥まで‥」
コンが指を織姫の花弁の奥へぬぷ、と挿し入れ、上から声を掛ける。織姫は
その期待に答えようと懸命に顎を上げ、目の前にぶら下がっている巨きな男根
をぐっと喉の方へ押し入れる。

「んむぅ‥んん‥ッ」
「いっ‥!」
拍子に織姫の歯が当たり、コンがわずかに顔を歪める。そのピクンッという
痛みの反応を見て取ったのか、織姫は口の中で歯を当てた部位に舌を宛がい
舐め出す。
「んぅ‥ッ‥くッ!」
コンが喜びとも辛さともつかぬ声を上げ、すげぇ‥イイ‥と呟く。そして礼
をするとでも言わんばかりに、今度は指の代わりに織姫に舌を挿入した。
熱い粘膜の塊が織姫の中を抉る。空いた指は大きく膨らんだ陰核をプリプリ
と擦る。
「ひぁっ!あぁあっ!!」
織姫の内部を電流が走る。織姫はその激しい刺激に一際大きな声をあげ、
コンへの愛撫が出来なくなり、指で摘まれるたびに全身をビクン、ビクン、
と震わせる。
コンはそのまま、舌を回転させ織姫を一気に昇らせた。
「ふっ‥あッああん!‥んぁあ!あぁーッ!」
蜜がジュプジュプと溢れ出す。織姫の声と熱い息がコンの興奮したそれに
吐きつけられる。
「井上サン‥ッ‥吸って‥。」
織姫はコンの言葉のままに目の前のそれを口に含み、奥までぐっと吸い上
げた。一週間前の初めてした時より、明らかに上達している。経験の少なさを
頭の良さでカバーしているのだろう、織姫はコンの反応を見ながら確実に、
気持ちいいところを探して愛撫をする。
熱い口の中で更に舌で舐り這われて、コンも一気に絶頂へ駆け昇る。
「っく‥っ!」
織姫は咥えているそれがピクピクッと更に大きくなるのを感じる。
「うあっ‥!‥ッ‥出ッ‥!井上サ‥ッ!」
コンがそう言い、織姫を引き剥がす。絶頂を迎え熱い飛沫を上げる。
ドップ、ドプ‥ッとコンの手の間から液体が勢い良く漏れていく。飛沫が
目の前に弾ける様を、織姫はぼうっと見ていた。

「‥で、とりあえず‥こんな感じで誘うのがいいかな、と。」
コンが笑い誤魔化しながら織姫にそう答える。
「こんな感じって‥。」
織姫は結局よくわからない、という面持ちである。
「大丈夫、俺が気持ちいいと思ったことは、一護もイイと思うよ。」
コンは無責任にそう答えながら、半裸の織姫の肩に手を回した。上気して
いた肌は冷め、肩がひやりと心地いい。織姫はまだ何となく納得がいかない
様子で考え込む。
「水着は下に着ておいたほうがいいのかなァ。」
織姫が真面目に阿呆な質問をしてきた。コンは返答に困る。水着はコンの
趣味で一護の趣味ではない訳だし。
「いや‥いいんじゃないかな‥着ないで‥。」
本日の誘惑講義を根底から覆す発言である。織姫はむう、と珍しくコンを
睨んでから呟く。
「私‥黒崎くんと‥ちゃんとできるのかな‥。」
ちゃんと?とコンが聞き返すと、織姫はこく、と頷いた。「ちゃんとできる」
は挿入して最後まで、という意味なのだろうか。一護とは「ちゃんと」して
ないのか、コンは少し不思議に思って織姫を見つめる。
だが流石に聞きにくい質問なので、黙っていた。
今、自分とは69の形で愛撫しあったが、それは通常のセックスという形の
手前で終了させている。
コンが一護にちょっとばかり遠慮をして、挿れるのは控えたのだった。
最後まで織姫を満足させてやるべきだったかな、などと、コンは少しばかり
悪い気と惜しいことをした気になった。
(ちゃんとしてやれよ‥一護。)
そう思ったコンは、織姫に笑顔を向ける。
「おし!俺が一護に言っといてやるよ。ちゃんと井上サンを悦ばせろってね。」

「えぇえー!だ、駄目だよ!やだよ!やめてよぉ!」
慌てた織姫がコンを止めようと動くのを押さえ、織姫の細い肩を抱き寄せる。
「大丈夫だよ、井上サン。一護とぜってー上手くいくって。」
一護のカラダ使ってる俺が言うんだから、間違えないよ。コンは何の根拠
にもならない理由を、さも自信ありげに織姫に言う。
「コンくん‥。」
織姫はちょっと見つめた後にコンの胸に頭を任せて、寄り添った。
コンはそのまま絹の手触りの髪を撫でて、ちら、と上から彼女を見る。
ぷっくりとした白い乳房の中、桃色少し顔を覗かせて見えていた。コンは
ゴクリと息を呑み込み、鼻の穴を膨らませて、先ほどまでの優しさが台無し
の台詞をこぼした。
「だ、駄目なら俺がいつでも悦ばせ役になるからさ。」
「うん。宜しくお願いします。」
笑顔で織姫にそう返される。それがまた屈託のない笑顔のため、コンは慌てて
言葉を返す。やはりどうにも悪い男にはなれないらしい。
「じょ、冗談だよ!もうアレだよ、一護以外とはもうやるなよ!」
織姫はその言葉を聞いて、少ししてから先程よりも一際大きな笑顔を見せて
先生の言うことにうん、と頷き、呟いた。
「‥ありがと‥コンくん。」
コンは、ほんの少しだけ胸の奥に何か疼いたが、織姫のその笑顔を見ていた
ら、自分もつい笑顔になってしまった。
織姫の笑顔はそういうもので、コンはそれを好きだ、と心から思った。
そしてコンは織姫と一緒になって笑い、ぽつりと心の中で呟く。
「勿体ねーけど‥。‥ま、いいか。」







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