―――   剣八×乱菊  著者:270 様   ―――



夜空を雲が流れていた。月明かりで明るい草叢がそのたびに翳る。

十一番隊隊長、更木剣八は、ひとりで若草の上に寝転んでいた。
やちるが傍にいない。隊長執務室や自室に居る時に、傍にいないことも時々あったが
それでもこんな長時間ということは珍しかった。
何とはなしに物足りなさを覚えて部屋を出ても、いつもなら気配を察して必ずついて来るやちるが、付いて来なかった。
そのままぶらぶら夜風に吹かれながら歩いて、こんな外れまで来てしまっていた。
あたりに人影はなく、さらさらと草をなびかせる風の音だけがしている。

「こんばんは、十一番隊隊長さん」

声を掛けられるまで、剣八は近づいてきた女に気が付かなかった。
目をやると柔かく揺れる草の中に、たおやかに立つ松本乱菊の姿があった。

「うまく霊圧を消せるもんだな。なんで忍び寄ってきた。付けてたのか」
「いいえ、よほど霊圧を隠さない限り、どこで誰が何をしてるか、たいがい分かるわ。それが私の能力だから」
「俺に何の用だ」
乱菊はまっすぐ剣八を見て言う。
「あたしと、しない?」
剣八は眉を上げて女を見た。
「女から誘われるのは好きじゃねェ。やりてえ時にやるクチだ」
「隊長さん、据え膳喰わぬは男の恥って言葉知らないの?」
「淫乱女に都合のいい言葉だな。そんなに俺とやりてえのか」
「やりたいわ、あなたを見るたび涎が出ていたの。いつもあの娘が一緒だから諦めていただけ。今夜は千載一遇のチャンスって訳ね」

―――油断しちゃなんねえ。
剣八は自分に言い聞かせた。
男を誘う言葉を吐きながら、女の顔には何故か情欲の欠片も無かった。
口元は艶やかに微笑んでいるが、その微笑みにも何処か翳りがあった。
―――なに企んでやがる、この女。

剣八は試すように女を窺う。乱菊はその目を避けるように視線を下に逸らすと、ふっと笑った。
「そんなにあたしは……魅力が無い?」
手を自分の帯に掛けしゅるりと解くと、一枚だけ身に纏っていた着物が肩から滑り落ち、その下は全裸だった。
剣八は思わず息を呑んだ。
見事な裸身だった。
白く輝くような肌、大きく盛り上がった乳房は完璧な形を保ち、慎ましやかな先端の彩りが男の食欲をそそる。
細く折れそうな腰、反対に適度に肉の乗った張りのある太腿は、魅惑的な曲線を描いて細い足首に繋がっている。
妖艶というより、神々しいまでに美しい肉体。

―――たしかに喰わなきゃ男じゃねえな。
剣八は自嘲する。
「こっちへ来な」
そばに寄って来た女を、手を伸ばして引き寄せ、いきなり仰向けにして覆い被さると唇を奪った。
口を閉じる隙を与えず、舌を差し込んで口内を舐め回す。そうしながら片手で女の乳房を鷲掴みにし、揉みしだいた。
男の指が喰い込み、白い膨らみが形を変える。
「うっ……痛っ…」
「俺にこうされたくて来たんだろうが」
口を離すと唾の橋が光りながら切れる。
そのまま暫らく乱暴に揉み立ててやってから、剣八は女を押しやり、自分の前をはだけた。
「貸してやるよ、好きにしな」
女の目の中に揺らぐ炎を剣八は見た。
華奢な白い指先が、自分の一物にそっと触れる。片手はふぐりにまわされ下から持ち上げるように包み込まれた。
まだ柔かい男根が、女の口に含まれてゆく。
ねっとりと舌がまとわりついてくる。身体を伸ばして快感に身をまかせた。
優しくふぐりを揉みながら、根元を輪にした指が軽く締め、一物を具合良く吸い立てられる。
女の口の中で、抜き身の欲望が膨れ上がっていった。

勃起しきってしまうと、女の口には納まりきれなくなった。
乱菊は一度口を離すと、ため息のように「凄い……」と呟き、情欲に眼を潤ませながら、熱く滾った凶器に唇を押し当てる。
尖らせた舌先が、裏筋を下から上に辿ってゆく。
両手で挟んで先端を咥え、すぼめた唇で咽喉の奥までスライドさせ、舌は螺旋のように周囲を舐める。
唾で赤黒く濡れひかる己の剛直の向こうで、上気し、乱れ、夢中になっている悩ましくも美しい女の顔に剣八は言う。

「濡れてんのか」

咥えたまま乱菊が切ない眼で見上げてくる。
「挿れて……」声がくぐもっていた。
「だめだ。欲しけりゃ俺の言う通りにするんだな」
「どうすればいいの」
「四つん這いになって尻を高く上げ、俺を誘ってみな」
「酷いこと言うわね…」
「別に無理にとは言わねえよ」
女の目にまた翳がよぎる。
草の上に手を突いて四つん這いになり尻を突き出した。
柔かそうで、噛み付いて歯型を付けたくなるような尻だ。
「もっと開け」
言われるままに足を開く。男の目に女の隠された部分が曝け出される。
遊んでる女だと思っていたが、意外なほどそこの眺めは清楚だった。
だが今は、花芯から零れる透明な粘液がうすく色づく陰唇を濡らし、微かに震えて男を求めていた。
「べちょべちょに濡らしてやがる」
くちゅっと音をたてて、節くれ立った長い指が女の中心に差し込まれた。
「あっ!」
粘膜の中を掻き回し、詰った声をあげさせた挙句、快感のスイッチを見つけてゆっくりと押してやる。
「あ……んっ…」眉をよせ、腰を震わせて切なく喘ぐ。

息を弾ませながら、乱菊は肩越しに男を振り返った。
「あなた、女を知ってるわ…」
「ばかにしてんのか、てめえは」
指を抜きながら吐き捨てるように言った。
「どうして欲しいか言ってみろ」
「抱いて」
「フン…」
「挿れて、お願い」
「さあ、どうするかな」
「……欲しいのよ。あたしをめちゃめちゃにして…」
「ハッ、くだらねえな。……まあいいさ」

太腿を両手で掴むとそのまま上に持ち上げる。
「!!」
乱菊は地面に手を突いたまま、両足を男の肩に担ぎ上げられた。
男の口が膣口につけられ、流れ出る愛液を直接すすりあげる。
「ひ!あああぁぁぁぁ!!」
逃げようとする乱菊の腰を押さえ込み、長い舌を出して、陰唇を舐め回す。
「あっ、あっ、ぃやぁ」
その舌が膣の中に押し入ってきた時、乱菊は声もだせずにただ激しく首を振って、身悶えた。
舌は驚くほど奥まで入り込み、なかを蹂躙して出て行く。そうやって幾度も抜き差しされた。
喘ぎはもう喘ぎにならない、苦しげな息となり、乱菊は男の舌に翻弄され続けた。
膣から抜かれた舌が前に伸ばされ、ちいさな肉芽を捉えてザラリと舐めあげると
一際高い声と共に愛液がどっと溢れ、体を支えていた両手が震えて、力が抜けた。
「おっと」
剣八は手を伸ばして、地面と衝突しそうになった顔を支えた。
「いっちまったか」

荒い息が治まった乱菊が、突っ伏していた顔を上げると、剣八が草の上に脱いだ着物を広げていた。
「何を…してるの」
「てめえの背中が痛まねえように敷いてんだよ。なにせ、俺とのセックスは痛いらしい。泣いて暴れられた事も、一度や二度じゃねえからな」
言って剣八は傍らに腰をおろし、さて、どうする、とでも言うように女を見やった。

乱菊は、男のはだかの肩に盛り上がる筋肉、畝の浮いた腹を見た。
全身が凶器のような男。一物の長さ太さも並外れていた。
本気のこの男にのしかかられたら、ただでは済まないことは容易に想像できる。
それでも

それでも、求めていたのは、優しさではなかったから……

広げられた衣装の上に、自分の着物を重ね、乱菊はその上に身を横たえた。
「壊れるぞ」
「壊して…」
「……バカな女だ」
のそりと剣八は起き上がる。
女の足首を無造作に掴むと投げ出して開かせ、間に自分の脚を置いた。
横になっても女の乳房は、美しい形のまま盛り上がっている。
その乳房も、柔らかな毛に守られた性器も、男の前に全てを捧げ、乱菊は目を閉じていた。

「目を開けて、ちゃんと見ていろ!」

低音の力強い声が上から降ってくる。
膝うらが鷲掴みにされ、最大限に拡げられた。
「お望み通り犯ってやる。抱くんじゃねえ、犯るんだ。分かってるだろうが、手加減はしねえ」
女の目に戦慄が走るのを、冷たく見下ろしながら、柔らかな肉に凶器を突き立てる。
血が滴り落ちる幻。
「あっ……あああ……!!」
悲鳴があがって女の体がうねる。内部(なか)は侵入者に恐慌をきたし必死に抵抗してくるようなきつさだった。
ゆっくりと、しかし躊躇なく差し入れる。
先端が奥に当たったが許さずにさらに押し込む。
「あっ、ま、待って、全部は無理、とても入らない!」
「うるせえっ!!」
声と共に腰を突き出して、根元まで収めた。
女は呻いて首を仰け反らせる。痛みに涙をこぼしていた。
膣の入り口が一物を絞めつけ、奥はあらゆる方向から柔々と刺激してくる。
―――大した名器だ、この女。
絡みつく襞を感じながら引き抜き、じゅぶっと音を立ててまた突き立てる。
女が呻く。
「……許して……お…願い…」
「後悔するには遅すぎたな。引き返すチャンスは何度もやった。俺はもう、止める気はねえ」
目を見開き、唇を震わせて、女が剣八を見た。
じゅぶっ…  「うっ」 呻きながら大きく息を吸う。
押し開かれる痛みに、呼吸が速く苦しくなる。

「喜べよ、望んでいたことだろう? 俺は楽しませてもらってるぜ」
事実、滑らかで弾力のある女の肌を撫でまわしながら、一突き一突きする度に、
剣八の背中を電流のような快感が貫き、性器がどんどん熱く滾って行くのが分かる。

「ん…ん……、、、んっ……あぁ!」

剣八は激しく女を突いたりせず、ゆっくりと大きく抽送をくりかえす。
ゆるぎなく力強い動きに、しだいしだいに昴められ、下腹に疼きが拡がって行くのを乱菊は感じた。
大きなものに擦られて、ひりひりと痛んでいた入り口が、溢れてくる粘液で覆われて和らいでくる。
「蕩けてきたな、具合いいぜ」
剣八の一物はぬらぬらと濡れひかりながら、乱菊の中へ出入りする。
速さが増し、完全に最奥の子宮の入り口も強く擦られ続けていた。
ごわごわした陰毛が柔肌を刺激する。
「あ、あ、あ…ん、あ…、んっ、んん…あ…」
熱く熱を持った乱菊の内部は激しく蠢いて、縦横無尽に剣八を締め付けてくる。
「ぁあん、ぁあん、はぁん、あん…あん…あん」
泣き声のような艶めかしいあえぎ、我を忘れて乱菊は快感に溺れていた。
男の動きに合わせて、上下に揺すられる胸も、顰めた眉の下の焦点の定まらない眼も、長い睫毛を濡らす涙も、喘ぎつづける半開きの口も、ほくろも、全てが男を一層興奮させるためにあった。
剣八の方も箍の外れた欲望でいっぱいになり。今はこの女を突き切ることしか頭にない。
男と女の秘部のぶつかり合う音が淫らに響き出す。
行く寸前まで押し上げられた乱菊が、両手を伸ばして剣八に縋ってくる。
剣八は振り払う。
「あん…、あん…、あっ…キス…して……ぁあ…ん、お、願いっ…」
それも無視する。
ただ登りつめる己の欲だけに集中して、ひたすら女を貫いた。

「おい…、聞いてやる…。何処に出して欲しい。
 顔か、乳か、腹か、それともナカにぶち込んでやろうか」
「あ……なかに…出して…ああ!」
「その答え…、気にいったぜ、乱菊!」

壊れる!!
朦朧とした意識のなかで乱菊は思った。
力まかせの最後の打ち込みは、ガツンガツンと頭の天辺まで響いた。
あ…バラバラにされ…る……ああ、だめっ……、いくっ!!
「や!!ぃやああああぁぁぁっっ……」
強く弓なりに反った白い肢体が、何度も跳ねる。
その体を押さえつけて、荒々しく精を放つ男の痙攣を、どこかで感じながら、音の無い世界に落ちていった。




気がつくと泣いていた。
脚の間には、まだ貫かれているかのような異物感があり、入り口にも痛みがあった。
視界が遮られる。男が覗き込んでいた。
手を伸ばして、汗で額に張り付いた髪の毛をかきあげ、布で汗と涙を拭き取る。
布は着ていた衣装の一部を裂いて丸めた物のようだった。
剣八は首から胸へと丁寧に乱菊を拭いていった。
「自分で…するわ…」
「いいから寝てろ」
有無を言わさない男の態度に乱菊は体の力を抜く。
脚の間まで来るとそっと開かせて、流れ出る精液を優しく拭き取っていく。
涙は次から次から溢れて止まらなかった。

「オメーを泣かしたのは俺じゃねえ、誰だか知らねーがオメーの惚れている男だろう」

「…お見通し…だったのね」
「俺をバカにしてんのかって、言ったろうが。
 これに懲りたら、自分を傷つけるのに俺を利用するなんてマネはよすんだな」

乱菊は剣八から目を逸らした。涙は止まり、頬に血の色が昇っていた。
「………悪かったわ」
「いいよ。これっきりだ、忘れてやる」
着物を羽織って立ち上がり、きゅっと帯を締めた女の、目にはまだ憂いがあったが、一方で何かの決意も感じさせた。

「おやすみなさい、隊長さん」

微かな笑みを残して女が消えたあとも、剣八は寝転がって風に肌をなぶらせていた。
「忘れるのが互いのためだ」
女の甘い匂いや、柔らかな髪。指の下で形を変えた白い乳房。
反らせた咽喉、喘ぐ声、雁首に這わされた唇の感触……
忘れようにも忘れられない記憶が、剣八の体に纏わり付いていた。

「互いのためだぜ、なんせやちるの怒った時の怖さは、半端じゃねえからな」

そう呟くと、唇のはしに苦い笑いを浮かべて、剣八は目を閉じた。

END





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