――― 七緒一人Hネタ 著者:222様〜リレー ―――
「はー…疲れた…」
誰かさんのせいでね、という言葉は飲み込んでおいた。
たまにはゆっくり疲れを癒さないと。私がダウンしたら仕事は溜まる
一方に違いない。
京楽隊長のニヤニヤした顔が思い浮かぶ。ほんと、なんであんな人が
隊長なんてやってるのかしら。
…たまに、ほんのたまーに見せる真剣な表情は、嫌いでは、ないけど…。
…嘘! 今のは間違い! 取り消し! こんなことが本人に知られたら、
きっと私は犯されてしまう。あの毛むくじゃらな腕に…。
ああもう、何を考えているの? 馬鹿馬鹿しい。
私は愚かな妄想が渦巻く頭をぶんぶんと振って、「女性死神専用」の
扉を引いた。
ため息をつきながら脱衣所に入る。
夜も更けたからか、先客は一人もいない。
この時間に入ってくる死神は、10番隊の松本さんくらいだ。
彼女、今日は仕事がはけるのが早かったみたいだから、おそらく私が最後だろう。
それに「最近ご無沙汰なのよ」と言っていたのを、この前たまたま耳にした。
何がご無沙汰なのか、判ってしまった自分に嫌気がさす。
だいたい、そんなことの後に一緒に入浴するなんて、こっちまで妊娠しそうで
気持ち悪いじゃないの。
汚らわしい。私は絶対に、そんなことはしない。
死覇装を脱ぎ捨て、掛け湯をしたあと、私は小さな滝が流れ込む湯船に
足を差し入れた。
ぬるめのお湯が、身体の芯まで染み渡る。
心も身体も、解き放たれる瞬間。
細く長いため息を吐き出したあと、私はまぶたを閉じて今日一日を振り返った。
いつもと変わらない、執務室での書類整理。
隊長が仕事もせずに寝転がって酒をすするのにも、もう慣れた。
隊長が沈黙に耐えられなくなると私の仕事の邪魔をするのにももう慣れた。
隊長がふざけて「エッチなことしよう」と迫ってくるのにももう慣れ…
…るわけないじゃないの!
誰もいないのに思わず赤面してしまう。
だいたい「エッチなこと」って何なのよ。そのときの隊長の目つきときたら、もう、
なんだか取って喰われそうな、というか舐め上げるような、何と言うか、
とにかくいやらしくて。でもまるで私の全てを見透かすような、鋭い視線だった。
(…あれが、「大人の男」ってやつなのかしら…)
私はいつのまにか溜まった唾液を、ごくりと音をたてて飲み込んだ。
(もし、そうなら、…私…)
熱に浮かされた私の脳は、あろうことか、まだ誰にも見せたことがないそこへと
指を伸ばさせたのだった。
「あ…」
おそるおそる触れた陰部は、明らかにお湯とは違う感触だった。
縦線を、ゆっくりとなぞる。触れる時間に比例して、ぬるぬるしたものは
量を増している気がする。
(やだ…私、こんな…)
罪悪感が次第に快感へと変わっていく。それを否定しようともがけばもがくほど、
どうしようもない悦楽が私の身体を支配していくのがわかる。
割れ目をなぞるだけだった指が、理性を無視して花芽に向かう。
人差し指の腹で下から持ち上げるように触れると、背中が
大袈裟に反り返った。
「っん!」
そのままやわやわと微妙なタッチで捏ねまわすと、両脚が意に反して
ビクビクと揺れる。
こんなこと、してはいけないことなのに。女である自分が、快楽を求めて
自慰をするなんて…!
わずかに残った理性ですらも、悲しいかな、快感を高める道具と化してしまう。
「ん、ん、ん・・・嫌…、駄目ぇ…っ!」
小刻みに上下する指が、脳天に直接刺激を送る。
じわじわと何かが頭の中、眼の奥の方に集まってくる。
(何…? 何か…来るっ…!)
両眼をぎゅっと閉じ、無心に指を動かしつづける。今の私はもう、「8番隊
副隊長・伊勢七緒」ではなかった。
誰も知らない、私でさえも知らなかった、只の雌猫だ。
こんな姿を隊長に見られたら…想像した途端、羞恥心と快感がぐちゃぐちゃに
溶け合って私を飲み込んだ。
「っやぁ…こんなのっ、駄目…! だめですっ、た、隊長…!」
息がつけない。膣の奥がきゅぅっと締まる。
頭の奥が白く弾け飛んで、次の瞬間、甘い痺れが身体中を駆け巡った。
荒い呼吸を繰り返し、何とか落ち着こうとするが、昂ぶりは全然消えそうにない。
それどころか、まだ物足りなくてあそこがうずうずしているのが判る。
(お湯のせいよ、そう、お湯のせい…)
ありえない事態に言い訳をして、私は再び指を伸ばす。
もう止めることはできなかった。この熱を収めるには身体が満足するまで
刺激を与えなければならないことを、私の本能は悟っていた。
(隊長…はしたない私に罰を与えて下さい)
京楽隊長の姿がまぶたの裏に浮かぶ。あの、雄の目つきで私を射抜く。
少し掠れた低い声で、七緒ちゃんはいやらしいコだねと優しくののしって、
それから、太くて長い指を私のあそこに沈めて…。
私は隊長の動きを頭の中でリアルに映像化しながら、自分の手で実行に
移していく。
自分の指なのに、隊長のだと思い込むだけで快感は2倍にも3倍にもなった。
「やぁ…、隊長っ…」
再び、下腹部で高ぶる熱が私の意識を支配していきかけた、その時。
「――ボクが、どうかしたのかい?」
「ッ…!?」
不意に頭上から聞き慣れた声がして、私の心臓は、喉から飛び出んばかりに
大きく跳ね上がった。
とっさに下半身を慰めていた手をそこから離し、胸を隠す事も忘れて後ろを振り向くと、
そこに居たのは案の定、京楽隊長その人。
彼は、湯船の縁にしゃがみ込んでニヤニヤと私を見下ろしていた。
私の全てを見透かすようなその笑みに、どきりと胸が高鳴る。
(み、見られた…!?しかも、よりによって隊長本人に…!)
何より恥じるべきは、隊長の接近に全く気付かないほど行為に没頭していた私自身。
私は己の迂闊さに内心臍を噛むも、何とかその場を誤魔化そうと隊長に向かって声を荒げた。
「な…何故京楽隊長が女湯にいらっしゃるんですか!此処は男性立ち入り禁止の筈でしょう!?」
動揺を悟られてはいけない。
努めて冷静に、冷静に……頭では分かっていても、意に反して無様に裏返ってしまう
自分の声を恨めしく思い、胸中で舌打ちする。
「……いやあ」
そんな私とは対照的に、酷く間延びした声で隊長が口を開いた。
「一人で帰っちゃった七緒ちゃんが心配で、居ても立ってもいられなくなってね」
悪いとは思ったけど霊圧を辿らせて貰ったよ、と顎髭を撫でつつ続ける隊長の言葉を聞きながら、
私はお湯の中に居るにも関わらず、全身からどっと冷や汗が吹き出すのを感じていた。
「七緒ちゃんが出てくるまで外で待ってようと思ったら、何やら中の方で、七緒ちゃんが苦しそうに
ボクの名前を呼んでる。そいで、どうにも気になって風呂場を覗いてみたんだけど」
――いきなり、隊長の毛むくじゃらな腕が湯船の中に伸びて私の右手を掴んだ。
背筋が、凍り付く。
「……参ったね、どうも。まさか、あの七緒ちゃんがこんなイケナイ事してるとは思わなかった」
明らかにお湯とは違う何かでてらてらと光る私の指を、隊長の粘っこい視線がまじまじと見つめている。
私は抗うことも忘れて、完全に硬直してしまっていた。
隊長は硬直する私をじっと見つめながら、濡れて光る指にゆっくりと舌を這わせた。
ねっとりと熱く、柔らかい舌が、私の指に絡みつく。
「は、ぁ…た、たいちょ…っ! やめ…てくださ…」
息も絶え絶えに懇願するが、全く聞き入れてもらえない。
ぎゅっと瞑ったまぶたを薄くあけると、すぐに隊長の貫くような視線が私の瞳孔を捉える。
ああ、そうだ。この目が、私を狂わせる――
私は既に全身の力が抜けていたことにやっと気がついた。と同時に、もう
どうなっても構わないという気持ちが湧き上がってくる。
不意に、指が隊長の舌から解放される。
ほんの一瞬、名残惜しい表情をしてしまったことに隊長が気付いたか、どうか。
「七緒ちゃん、」
のぼせる寸前の身体を抱き上げられ、思わず両手で胸を隠す。
無防備になったそこへ、すかさず隊長の指が侵入してきた。
「指舐めてただけなのに、こんなになっちゃうんだね。かわいいな」
「い、やぁ……」
欲しかった隊長の指が、私の中でぐちゅぐちゅとイヤラシイ音を立てながら蠢いている。
抵抗の言葉を吐きつつも、私の身体は太く節くれだった指の動きを堪能していた。
「七緒ちゃんのココ、凄い締め付けだよ」
耳元で低く掠れた声で囁かれ、私の身体はゾクリと総毛立つ。
唇はそのまま私の耳たぶを軽く噛み、其のまま首筋を下へ下へとなぞっていく。
このまま私、京楽隊長に全てを……
それは駄目、隊長と副隊長の間を越えてしまってはいけない。
「駄目ですっ隊長……こんなこと……だ……ひっ!」
隊長がクリトリスを軽く摘み上げ、私は小さな悲鳴を上げてしまった。
「何がだめなの? キミの身体はこんなに喜んでるのに」
隊長の唇は私の膨らみの上に咲く小さな蕾を捉え、舌先でチロチロと転がしながら味わっている。
上と下から絶え間なく与えられ続ける刺激に、私の理性は崩れかかっていた。
風呂場の中に下半身から聞こえるぐちゅぐちゅという水音が響く。
そして私唇から途切れ途切れに漏れる、悲鳴にも似た声。
「気持ちいいんでしょ? 七緒ちゃん」
「き、きもち……いい、です……」
素直に答える自分に嫌悪を感じつつも、私は絶え間なく与えられる快楽の虜に成り下がっていた。
指ではなく隊長自身が欲しい、そんな想いがこみ上げてくる。
「そろそろボクも気持ちよくさせて欲しいなぁ」
隊長は私の中から指をずるりと引き抜くと、私を抱えたまま少し濡れているスノコの上に胡坐を掻いて座り込んだ。
そして私を自分の方へ向け、太ももを開き膝の上に乗せる。
恥ずかしい場所が隊長に丸見えに成ってしまった事よりも、着物の袷から顔を覗かせた赤黒い隊長の分身に私の意識は釘付けになっていた。
(こんな大きな物が私の中に?)
「そんなに物欲しそうな顔しないの」
「ちがっ……ああっ!」
腰を両腕で抱え上げると、隊長は己の分身で私を一気に貫いた。
次の瞬間下半身に生じた鈍い痛みに、私は思わず眉を顰める。
「大丈夫?」
隊長が私の腰を手で押さえつけたまま耳元で囁いた。
(大丈夫な訳ないじゃないのよ!)
こっちが痛みを感じていることを判っている癖に、私がどう答えるのかも判ってる癖にこの人は……
「だ、大丈夫……です」
「無理しちゃって」
そう言って隊長は私の唇に己の唇を重ねてきた。
髭が顔に当たって、くすぐったさに身をよじる。
絡み合う舌と舌から零れる水音と私のため息、静かな風呂場に其の音だけが響いている。
痛みで少し潤いを失っていた陰部に、再びぬるぬるとした感触が蘇えり始めていた。
「動かすよ」
「……はい」
264 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/06/26 11:55 ID:ceWm+EF2 絶え間なく突き上げる衝撃に、私の理性は既に影も形も失せていた。
少しでも強い快楽を得ようと、私の身体は隊長の動きに合わせて上下運動を繰り返している。
「自分から動かしちゃって……七緒ちゃんは淫乱だなぁ」
「ち、違います……」
そう云いつつも私の身体は隊長の分身を味わうことを止めなかった。
(私、こんなにイヤラシイ子だったの?)
きっと松本さんに対する嫌悪は、自分の淫乱な部分を認めたくなかったからなのかもしれない。
「そろそろ行くよ」
私が答える間も与えずに、隊長の動きはより一層激しさを増した。
「たいちょっ……だめ、いっちゃ……あああああっ!」
今までもっとも強い快感を感じた瞬間に、隊長の分身から放たれた熱いものが私の中に広がった。
そして私の意識はそこで途切れた。
「んっ……」
目が覚めると、見慣れた天井が視界に飛び込んできた。
眼鏡をしていないせいか視界が少しぼやけている。
(何時の間に部屋に戻ったのかしら。それともあれは夢?)
(うん、きっと夢だわ。でなきゃあんな事私が……)
夢として処理しようとする私を、耳元に響いた声が私の意識を一気に現実へと引き戻す。
「おはよう」
恐る恐る横を見ると、同じ布団の中に素っ裸と思われる姿の隊長が寝転がっていた。
気付けば自分も裸のままだった。
「た、隊長! なんでここに居るんですか!!」
「いやぁー、七緒ちゃん失神しちゃったから折角ボクが運んで来たのに、その反応は寂しいなあ」
風呂場での痴態を思い出して、私の顔はがかっと熱くなる。
隊長は私の下ろした髪を指先で弄りながら、
「駄目だよ、ああ云う姿はボクだけの前にしなきゃ」
「……はい」
云われなくても、あんな姿を見せられるのは隊長の前だけですもの。
「んで、第二戦目……」
「縛道!!」
もがき苦しむ隊長を尻目に、私は再び風呂場に向かった。
(今度こそゆっくり浸かれるわね)
その認識が甘かったと自覚するのはそう遠くない先のことだった。
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