――― 「罰」 市丸×雛森 著者:294様 ―――
「ひッ…ぃう…ぁっ…ぁ…!」
乱された死覇装から覗く白い肌には、いくつもの桃色の痕が刻まれている。
それが人の唇によるものというのは一目瞭然であり、
はだけた場所の穢れを知らない胸のふくらみも、足の付け根にも。それは確実につけられていた。
「ほら、もっと声出さな。お空の藍染君にまで聞こえへんやろ」
ぎぢっ、と重苦しい音が体内に響く。
先ほどまでは誰にも触れられたことの無かった秘部には、目の前の―――悪魔。
こんなときにも軽い笑顔のままの市丸の剛直が、破瓜の血を纏いながら突き刺さっている。
「ぃゃ…あぅ!か…ぁはっ……ぅ!」
幼い顔は苦痛にゆがめられ、その可憐な瞳を痛みに開き、涙を滲ませる。
大きく反り、牢の天井を仰ぐのは、無理な貫通からの痛み、そして、
最も尊敬すべき上司を殺したこの男に、何の抵抗も出来ずに犯されているという屈辱から。
「愉しまなアカンやろ――――藍染君のために、"とっといた"んやろ?」
にや、と音さえ聞こえてきそうなまでの笑顔で、そうささやく。
心底楽しそうに人を踏みにじりながら。言葉が途切れると同時に強く突き上げられる。
「ぁ…は…あぁっ!」
信じられない。
体の中に突き抜ける痛みに、大きい圧迫感が、自分の中に納まっているという事実が。
罰―――と告げられ、その時が来るまで、ないていた。
目の前に焼きついた、真紅の血がべったりと白い塔の壁にこびりついていて、
それを上に、上にと辿って、見たものが―――脳裏に再び過ぎる。
この、男が――――
「十番隊長さんに、阿散井君。それにイヅルも、君のことよく見てるやろ。」
「ぅっ…ぅぁ…あ…」
ぐりぐりと奥に押し付けられるそれに、喉が狭くなったように感じる。
声が出せない。
「そんくらい"悦い"んや――って思ってたけど。まさか、初物だったとは、びっくり。」
頭に腕を置かれ、無理やり胸まで引き寄せられる。
服の上からでも噛み千切ってやりたい。それでも、体が言うことをきいてくれない。
「ま、悦いのはホントやったけど、ね」
その口が残酷な弧を描いたと思うと、信じられないほどの重みが腰にぶつかった。
「ぃ…あ、嫌ぁ…い、あぁっ、はあっ…!」
良くなんかない。良くなんか、ない。痛い。
体中が痺れるような感触。自分が、出したこともないような声を出しているのを知ってしまった。
訓練中負った傷に喘いでいたときとは違う、何、何―――?
「ま、いつも夜使うこと出来んのは惜しいけど―――
"知った"罰やね。…それに、罰ゆうても…悦んでるやん、君も」
「ひっ…い、ゃ…いや、ぁ、あぁぁぁぁッ…!」
ひときわ強く差し込まれると、強い痺れが凄い速さで体を駆け巡った。
白い花火がはじけたような、そんな…快楽? 力が抜けて、黒い服へと体を預けた。
舌を噛み千切ってしまいたい。こんな、こんな。
だらしくなく唾を垂らして、喘いでいたのは――私?
「楽しいなぁ。…なぁ、雛森君。」
ずるり、と引き抜かれると同時に、何かが流れ出す感触もした。
高笑いが響く中、私は、意識を闇に沈めた。
ごめんなさい。ごめんなさい――――藍染、隊長…
終
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