. . . N o v e l s. . .

    啓太×成瀬
『今日こそは必ず言うんだ』
啓太はギュッと握り締めた手でドアを叩く。
「すいませーん!」
「はーい、ってハニーじゃないか〜
 どうしたの?」
「あの…ちょっとお話したいことがあるんですけど、
 今大丈夫ですか?」
「僕がハニーのお願いを断ると思う?
 さぁ早く入って」

成瀬のベッドに二人並んで腰をかける。
緊張のあまり固くなる啓太の顔を成瀬が覗き込んできた。
「何かあったのかい?
 もしかして誰かにいじめられたの?」
心配そうに見つめる成瀬の瞳。
何か啓太に困っていることがあると思っているらしい。
「違いますっ!」
ブンブンと首を振りそれを否定し、大きく深呼吸をする。
「あの…俺…成瀬さんのこと好きなんです」
「ホントかい、ハニー!」
嬉しそうに微笑む成瀬を見て、啓太の顔にも笑顔が浮かぶ。
しかし啓太にはまだ告げなくてはならない大事なことがある。
啓太は顔を引き締め、成瀬に向き合った。
「でも……俺、成瀬さんのこと抱きたいって思うんです」
成瀬にハニーと呼ばれるのは、最初は恥ずかしかったけれど嫌ではなかった。
でも、成瀬が望む関係は啓太が望む関係とは少し違うような気がしていて…。
そして、ある時気が付いた。自分が成瀬に対してセクシャルな感情を抱いていたことに。
「それって、僕が啓太のハニーになるってこと?」
はっきり言われて啓太の顔が真っ赤になる。
「成瀬さんが嫌じゃなければ…ですけど…」
「僕はさ、啓太が大好きなんだよ。
 だから啓太が望むことは何でもしたいんだ。
 僕をハニーにしてくれる?」
「はい、喜んで…」
二人の笑顔が徐々に近づいていく。
後少しで触れ合うという時、啓太が口を開いた。
「あっ、ちょっと待ってください」
座っていたベッドから立ち上がり、成瀬の両頬を両手で優しく包む。
「こうやってもいいですよね?」
「もちろん」
優しい笑顔で見つめる成瀬の唇に啓太は自分の唇をそっと合わせた。


「成瀬さん、俺もっと大きくなりたいです」
「どうして?」
「成瀬さんが俺にしたみたいに、抱き上げたいから」
「いつまででも待ってるよ、僕のダーリン」


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