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    雨の日は…

静かに降る秋雨。
生徒会室の窓から夕暮れまでかなりの時間があるというのに薄暗い空を見上げながら、
積み上がった書類と格闘する丹羽はため息をついた。

「雨だとやる気でねえよな〜」
「やる気が無くても仕事をしろ」

側で黙々と仕事を続ける中嶋の冷たいセリフ。
しかし丹羽はそれを一切気にせずに持論を展開する。

「でもよぉ〜やっぱり太陽がガンガンに照ってる方が気持ちがいいじゃねえか」

過ぎ去った夏の太陽を思い出し、自然と丹羽に笑顔が戻る。
向日葵を思わせる丹羽の笑顔。
中嶋はそれをチラっと横目で見ると、再び書類に目を戻した。

「太陽が出たら出たで、お前は逃げ出そうとするんだろ?」
「そりゃ、天気が良ければ外の方が更に気持ちいいしな」

夏の日差しを避け木の上での昼寝を思い出しているのか、笑顔の浮かべたままの丹羽。
そんな丹羽の様子が中嶋の嗜虐心に火を付けた。

「……だったら部屋の中でも気持ちいいことをしてやろう」

気持ち良く仕事がしたいならば、いくらでも気持ちいいことをしてやる。
中嶋の眼鏡を奥の瞳が怪しく光る。

「いやっ、え、遠慮するぜっ」

それを見た丹羽は当然抵抗するが、もうそんなものは意味を成さない。
気持ちよくなりたいなんて言ったことを後悔すればいい。

「そう遠慮するな、哲っちゃん」

中嶋は口を端を上げて微笑むと、
きちんと締められていない丹羽のネクタイを外しにかかる。

「ヒデ…仕事が…」
「……お前はいつも仕事なんてほうっておくだろ」

中嶋によって的確に外されていくシャツのボタン。
あっという間に全てボタンが外される。

「でもよ、明日までだったよな?」
「そうだな」
「だったら…な?」
「俺がやるべきことは全て終わった。
 後はお前がやることだけだ」

シニカルな笑顔を浮かべた中嶋の最後通告を聞いた丹羽は、がっくりと項垂れ、
そして、顔を上げた。

「ヒデ!今日は徹夜でやっから、お前も付き合えよ!」
「あぁ、一緒にいてやる……」

覚悟を決めた丹羽の首筋に中嶋はゆっくりと唇を落した。

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