ベジータの尻尾はご存知の通り、地球に初来襲した時、こともあろうにあのヤジロベーにより切断されてしまい、その後再び蘇ることはなかった。ベジータ本人が「かまわん、そのうちはえてくる」と言ったにも関わらず二度と描写されることのなかった哀れな彼の尻尾。いったい何故ベジータの尻尾はなくなってしまったのだろうか? 『ベジータが自信満々で叩いた大口は大抵覆されるの法則』(悟空の瞬間移動等)に当てはめられてしまった結果なのだろうか……?
無粋なことを言えば単に作者が忘れちゃっただけなのであろうが、赤子トランクス登場時(人造人間編・ベジータ超化時)に「しっぽは切っちゃったんですか?」とクリリンに発言させていたことから、この時点で作者はサイヤ人の尻尾の存在を覚えていた、あるいは思い出したことになる。しかしなおその後、ベジータはおろか悟飯や悟天の尻尾についても作中一切触れられることはなかった。まるでその件については触れてくれるなと言わんばかりの沈黙である。触れるなと言われれば触れてみたくなるのが人間の性、というわけで今回はベジータの尻尾について語ってみようと思う。
まず、いくつかの先人サイト様で語られている『超化すると尻尾の必要性がなくなる説』は思わず「な〜る!」と手を打ってしまう程納得出来たが、ここはベジ萌えサイトなのでこのさい孫家のお子達のことは脇に置いといてあえて斜め45度妄想し、こう結論付けてみた。
『ベジータの尻尾はとっくに再生していた』
再生しなかったのではない、再生していたが再び無くなったのである。これすなわち逆転の発想、「発想を逆転させるのよ、ナルホドくん!(©逆○裁判)」である。それでは「尻尾生えてた」を仮定としてさらに先に進もう。
再生していたのに描写がないということは、当然「生えた尻尾を切った」ことになる。それでは最初に「誰が切ったのか」ということを考えてみよう。わざわざ他人に切らせる必要はどこにもないから(そういうプレイがお好みならば止めはしないが……)、ベジータは何らかの理由で自ら尻尾を切断していたと考えるのが自然だ。いたたたた、考えるだけで尾てい骨が疼きやがるぜ!
では次なる疑問は当然「何故ベジータは尻尾を切らねばならなかったのか」ということになる。彼は地球での闘いで「オレさまのだいじなシッポ」と発言していることから、その存在にわりとこだわりを感じているようである。その尻尾を自ら切断するにはそれ相応の動機がなくてはならない。
そもそもサイヤ人の尻尾の最大の存在意義は「大猿化に必要」という点だが、悟空や悟飯のように大猿化を回避するという理由では少し不自然だ。当時の彼にとって、大猿化して地球を壊滅しようが地球人に恐れられようが、それは大した問題ではなかったはずである。地球の月はピッコロにより破壊されているのでベジータは大猿化出来ないわけだが、彼にはパワーボールというとっておきがあるので、もう必要ないので切りました〜というわけにもいかない。悟空の超化が大猿化を遥かにしのぐものだと知り、今後大猿化の必要はない=尻尾の必要はないと彼が考えたとしても、マゾならともかく別に生えているものをわざわざ切るこたぁないだろう。爪や髪の毛などの死んだ細胞とは違うのだ、切れば当然痛みを伴うし傷跡も残る。さらにベジブル的に考えれば、ブルマとの夜のお楽しみ時に口・右手・左手・ティ○ポ・尻尾の五点同時攻めが出来るというオマケまでついてくるのに、勿体ない事この上ない。足が器用なら夢の七点攻めも!
ハァハァ、考えるだけで股の辺りが疼きやがるぜ!(この後両手両足をワッサワッサ駆使し、まるでひっくり返った昆虫のような格好でセックスするベジータを想像して激しく萎える)
これらのことから導かれる事実は一つ、実はベジータはMだったのだ!(な、なんだっ略)
──という冗談はほどほどにして、皆様に一つ思い出していただきたい場面がある。ベジータの尻尾が見納めになる件の闘い中、悟空の戦闘力が自分を上回っていることを知り激怒するシーン(JC20巻p54参照)だ。それまで腰にベルトのように巻いていた尻尾が外れる、その時の尻尾の状態に注目していただきたい。そう、ベジータの怒りに同調して、まるで怒った猫のように逆立ったのである。犬しかり猫しかり、尻尾とは動物の感情が如実にあらわれるツールでもあるのだ。サイヤ人達はお洒落なアクセサリー感覚で伊達に尻尾を腰に巻いていたわけではなかったのである。
ということは、もし尻尾が生えたままだと……
ブル母「ベジータちゃん、お夕飯よー」
王子様「チッ、いちいちうるせえ……(尻尾フルフル)」
フリーザ「私の戦闘力は53万です」
王子様「なっ…………(尻尾しゅーん)」
ブルマ「子どもが出来たみたいなの」
王子様「……勝手にすればいい(尻尾ピーン)」
ブルマ「ベジータ、私のこと愛してる?」
王子様「くだらんことを聞くな!(尻尾ハートマーク)」
かのように、折角クールぶったり意地をはったり無口ぶったりツっぱったりしていても、尻尾が全てを台無しにしてしまうのである。これは困る。ベジブル的には大歓迎だがベジータ的には大いに困る。こら切らにゃならん! ……あら、結構無難にまとまったっぽい?
つまり最終的な結論としては『ベジータは地球人に感情をさとられまいとして、人知れずこっそり自ら尻尾を切断していた』らいいなぁということで今回はオチもなく〆させていただきます。