Exclesive Desire -1-



「好きだ・・・・雅治・・・」
「ん・・・・・・」
 その白い肌に舌を這わすと彼の体はピクリとはねた。
「ね・・・俺もうそろそろ限界。いれてもいい?」
 彼は銀色の髪を降ってコクコクと頷いた。
 赤也は額にチュッとキスをしてから彼の髪ゴムを解き、銀色の髪を優しく撫で、つりあがった目元にも優しくキスをした。いたわるようにそっと優しく。
 そして、腰を沈めた。

「くっ・・・うっ・・・・・・」
「声・・・・出してもいいよ。」
 彼は顔を真っ赤にしながら異物が差し込まれる苦痛と、それに伴う快感に耐えている。
 赤也はそんな彼の手を自分の背中に回させて動き始めた。
「はぁ・・・・」
「う・・・ん・・・・・」

 彼は声は出さずに必死にこらえるので、静かな部室には湿った水音がやけに響いた。
 しかしそれでも限界に近づいてくると、
「大好き・・・好きだよ・・・雅治・・・・・・・」
「はぁ・・・・・あっ・・・・・におっくん・・」
「・・・・赤也!俺、赤也だって!!仁王はっ・・・・アンタだろっ!!」
 赤也は乱暴に彼の肩を掴み、一気に彼の中に放出した。






「今日は3回、アンタが仁王君って呼んだの。」
「・・・すみません。」
 彼は水道で洗ってヘアカラーを綺麗に落とした髪を拭きながらうつむいていた。
「あんたホント仁王くん仁王くんってうるさいよ。一応アンタが仁王雅治ってことになってるはずだけど?」
 赤也は視線を明後日の方向に向けたまま、声だけ彼に向けて話しかける。その声はあからさまに敵対心をむき出しにしていて、先ほどの情事中の甘い声と同じ声とは、今聞いている柳生にも到底思えなかった。
「ま・・・いっちゃん始めよか、板についてきたけどね。」
 初めて赤也と彼が関係を持ったときは始終仁王の名前を読んだので、さすがの赤也も閉口して途中で行為をやめてしまった。結局、偽りでも仁王雅治誘惑には勝てず、今ではこうなってはいるが。
「いつかは一回も雅治の名前を呼ばないようにしてくださいよ。」
「・・・・わかっている。しかし、君も仁王君のことを雅治と呼ぶのはやめたまえ。」
「なんだ?やきもちッスカ?」
 二人の間には。そんな愛にも似た気持ちなんかひとかけらもない。
「妙な冗談はやめたまえ。私が彼のことを好きなわけがない。ただ、紛らわしい気分になるのでやめて欲しいだけです。」
「俺が雅治先輩のことどうよぼうと関係ないじゃないッスカ、これは俺とあの人の問題ですよ?」
「・・・・・・・・・・・」
 彼は黙ったままめがねをかけ、タオルをカバンの中に詰め込んだ。
 赤也は自分のロッカーのほうを向いて帰る準備を始めた。
「それにしても、いつキスさせてくれるンスカ?」
「・・・体だけといったはずだが?」
「唇だって体のうちっすよ。」
 彼は押し黙る、言い返せない。
「と・に・か・く!俺は雅治先輩のことまだ諦めてないですから、そこんとこ忘れずに。今の状態はただの欲求不満解消ですからね。」
 赤也は’閉めといてください’とでも言うかのように部室の鍵を彼に向かって投げつけた。

「いつかは本物を手に入れて見せますよ。」

 一言捨て台詞を残して赤也は帰っていった。






 だってしょうがないですよ。
 貴方をとられるくらいなら私は自分の体を差し出します。
 貴方が他の人間と抱きあっているなんて想像するだけでも吐き気がします。
 だから私は自分の体を貴方の代用品としてもらうのです。




続いていく。




2004.06.21


[モドリ]



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