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タイトル小泉構造改革とはなんだったのか
記事No69
投稿日: 2007/08/02(Thu) 22:24
投稿者おちょくり塾過去ログから
Subject:映画『駅馬車』:小泉構造改革
From:北の狼
Date:2005/08/14 11:35
No:2568
ここ数日、郵政解散に対する”庶民”たちの反応を相当数読んでいました。対象は、政治色が薄いと思われる方たちが書いているブログで、数百は読みましたか。
プリミティブですが素直な感想が主で、最も多かったのが「よく分からない」という感想ですね。

「なぜ、郵政を民営化するのか?」
「なぜ、郵政民営化に反対するのか?」
「なぜ、解散するのか?」
「もっと他にすべきことがあるではないか?」

確かに、郵政改革が分りにくくなっていることは事実です。単なる政策論議を超えて政略・政争が色濃いものになっていますから。このような状況に至った責は、推進派、反対派、双方にあります。

郵政民営化を推進するにしても反対するにしても、「なぜ、賛成するのか?」、「なぜ、反対するのか?」と主張することはあっても、「なぜ、いま、郵政民営化がこれほど問題になるのか?」という分析は不十分で、従ってその問いに十分に答えてきたとは言えません。
推進派は民営化のメリットを説き、反対派は対抗的にディメリットを説きますが、それだけでは「いま、郵政民営化を問題にすること」自体の<意味>が不明瞭といわざるをえません。それで多くの方が戸惑っているというのが現状のようです。
当然のことですが、推進派は財政赤字や財政投融資の問題性を指摘しますが(これはこれで大きな問題だと確信していますが)、庶民の日常感覚・生活感覚に訴えるものに乏しく、反対派は反対派で、その土俵にのって対抗的に反論を展開するものですから、より一層分りにくくなっているようです。私の全体的な印象としては、推進の理由はかなり怪しいが、反対の理由はなお一層怪しい、といったところです。


これらを踏まえて、いくつかのサイトで私は、消費税アップについて言及してみました。
要旨はといいますと、

”国・地方による公的債務だけで約1000兆円にもなる借金を返済するために、または必要な国家予算を組むために、将来的に大幅な増税―――消費税がメインで15〜20%ぐらいへの引き上げ。消費税1%アップは2兆5000億円の税収増に相当する―――が不可避である。その増税に国民の納得をえるためにも、国はあらかじめ無駄な支出を極力削減しておかなければならない。小泉首相は、在任中は消費税をアップしないと公約したが、これは国の支出削減に向けての決意表明であり、裏を返せば、支出削減の後に大幅増税がくるということを意味している”

というものです。
そうすると面白いもので、途端に腰の入ったレスが返ってきました。消費税というのは、それだけ身近な問題だということですね。

なお、消費税アップの他に、1400兆円ある個人資産に、かつての最高税率なみに70%の相続税をかけるという方法もあります。バブル崩壊後に、景気回復のため公共投資の増額を主張する勢力がありましたが(実際、小渕政権はそれに従い公共投資を大幅に増額したわけです)、それによって増大する借金の返済方法としてよく主張されていました。
最後の方法はインフレですね。しかし、これはよほど上手くやらないと、悲惨な結果を招きます。
以上のうち、もっとも“ソフト”かつ“現実的”な解決策は消費税アップであろうと思いますし、財務省もそういうシナリオを具体的に描いているのではないでしょうか。そして、将来の消費税アップは、郵政が民営化されようがされまいが、また政権をとるのが自民党であろうが民主党であろうが、避けて通れない課題です。

それで、消費税アップがいつ現実味を帯びてくるのかというと、【2007年】でしょう。実は、特殊法人改革にしても、郵政改革にしても、国家財政の問題にしても、この2007年というのが重要なメルクマールになっています。国家財政崩壊の危機を説く論者も、ほぼ一様に2007年に注目しています。

2001年以降、それまで特別会計を支えていた郵貯の全額預託義務が廃止され、新たに財投債・財投機関債制度が設けられました。これについては、「預託」が「財投債」に名前を変えただけで、郵貯が財投に流れるという構造に全く変化がない、という批判もありますが、国に0.2%の上乗せ金利(優遇金利)の負担がなくなったことが結構大きいのです。0.2%と言いましても、例えば100兆円ですと2000億円にもなりますから。財政改革とは、国の負担をいかに少なくするか、ということですから、「預託」から「財投債」への移行はそれなりに意味があったわけです。

2007年には、財投への預託資金はすべて郵貯に返還され(とは言いましても、実質的には「財投債」へ移行されるのですが)、郵貯は完全に自主運用されることになります。つまり、現在の「国民→郵貯・年金→財投債→特殊法人」という財投への金の流れが、2007年以後は「国民→郵貯・年金(自主運用)→金融市場→財投債・財投機関債→特殊法人」という流れになるわけです。

さらに、2007年には「小渕の呪い」(by 仁科剛平氏)という時限爆弾が炸裂します。
1998〜99年、自ら借金王を自認した小渕首相が大量に発行した国債の償還が2007〜08年にやってくるのですが、一年間で約180兆円の国債の発行が必要になります。この「小渕の呪い」に向けて、日本国が一丸となって問題の解決にあたらないことには、日本の財政、したがって経済・金融は沈没します。

そういう意味では、小泉首相の戦い(構造改革)を映画になぞらえれば、『真昼の決闘』というより『駅馬車』が相応しいでしょう。
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Subject:>北の狼さま。
From:マイケランジェロ
Date:2005/08/16 07:59
No:2575
1000兆円という財政赤字は目を覆いたくなる数字です。ちなみにレーガン政権時代の双子の赤字のうち財政赤字は1992年過去最高の2900億ドルでした。当時の日本財界人・経済評論家は「米国債を買い支えているのは日本。米国はすみやかに揮発油税をUPすべき。」と将来の日本の状況をあまりにも軽視していました。その米国が「包括的予算調整法」のもとでクリントン政権時代に財政が黒字に転じたことは驚きですが。たしかにレーガン政権時はスタグフレーションと米ソ冷戦時代。これに対してクリントン政権下はインフレ沈静、冷戦終結そしてITバブルの到来。このような時代背景の違いはありましたが、経済政策に関していうと両者は全く異なっていました。

A.レーガノミックス:減税→貯蓄増→設備投資増→生産力up→税収増
ところが実際は、減税→消費(外国、特に日本製品)→生産力down→税収減→歳入減→軍事支出増→財政赤字拡大。一般に新保守主義(米国の場合)は「小さな政府」を連想しますが、レーガン政権の場合、結果的に「大きな政府」だったのでしょう。その証拠に莫大な財政赤字にも関わらず、雇用は確保されていましたから。

B.クリントノミックス:「政府は企業組織の効率化を進め、あとは自由な市場経済に委ねる。」増税(歳入増)→軍事費削減・メデイケア削減(政府支出減)、一方で投資促進減税、高速道路網整備、上下水道整備、情報ネットワーク網の構築、研究開発プロブラム支援、大学教育資金援助(政府支出増)etc.
このように米国内の生産要素の質を高めて国際競争力の強化を目指す。この結果、IT革命のインフラ整備とともにITバブルが発生し、見事に財政は黒字に転じますが、その後のITバブルの崩壊、またエンロン、ワールド・コムの不祥事などのモラルの低下は効率化と自由が原因だと推測します。

話が逸れてしまいましたが、現在日本がおかれている状況を考えると「小さい政府」を実現するしかないでしょう。10年以上、赤字国債を発行しても、それほどの効果がなかったんですから。「郵政民営化」=「財投債の扱い」はとばくちで、後に「公務員改革」等の徹底的な行財政改革が必要になります。(政府支出の削減)そしてポスト小泉政権では増税(消費税up)もしょうがないでしょう。問題は国債ですね。公的部門であれ民間部門であれ国債を買い支えなければ、長期金利が上昇します。緊縮財政ではじんどいでしょう。

ところでおもしろいものを見つけました。以下の通りです。
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21世紀へ向けた国会の新たな姿を求めて(衆議院議長 綿貫民輔)

「衆議院の動き」は、平成5年の創刊以来、本年で第9号の発刊を迎えることとなりました。この8年の間に、6人の内閣総理大臣が誕生し、政党会派は合従連衡を繰り返し、衆議院の選挙制度も中選挙区制から小選挙区比例代表並立制へと改革されるなど、日本の政治は基本的な部分において目まぐるしく変化してきました。

昨年、開設110年を迎えた国会におきましても政府委員制度の廃止や副大臣制度の導入、党首討論の実施、省庁再編に伴う委員会の大幅な再編など、長年続いてきた制度・慣行が変革されつつあります。

こうした改革が成功していると必ずしも手放しで評価することはできず、いくつかの問題点を改善していかねばなりません。それとともに、今迄とは異なった視点からの改革をも進めていかなければならないことも論議の余地のない所であります。

改革の論点は、政治倫理の在り方、効率的な国会審議の在り方、国会議員や秘書・国会職員の処遇の在り方、国会の情報公開の在り方など多岐にわたります。国会改革については、既に各党内、議院運営委員会、議会制度協議会において協議されております。さらに、私も私的諮問機関である「衆議院改革に関する調査会」を設置し、各界の有識者に精力的に議論を重ねていただき、多角的な意見を求めておりましたが、去る11月19日に答申をいただいたところであります。

私は、昨年7月に衆議院議長に就任して、「国会の改革」と「政府の外交と並行する議員外交の充実・強化」の2つの目標を持って進んで参りました。議員外交については私も日々微力を尽くしておりますが、国会の改革については、まさにこれからが正念場であります。

18世紀の英国の政治家エドモンド・バークは「保守したければ改革せよ」と言いました。伝統的な精神を大切にしつつ、現今の社会全般の閉塞状況を脱し、21世紀へ向けて国会の新たな姿を求めていくことが、日本の民主主義と繁栄を維持する上での我々の大きな使命であります。

この「衆議院の動き」は国会の年次報告書とも言うべきものですが、近い将来、「衆議院の動き」の中に改革の成果が見て取れることとなるよう強く期待をしております。

本誌が、皆様のご協力やご批判を得て一層充実した内容となり、わが国の議会制民主主義の健全な発展のために役立つことを切に望むものであります。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_annai.nsf/html/statics/ugoki/h13ugoki/h13/gichiyou.htm
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バークの「ブリストル演説」を引用します。
「代表者の偏らない意見、成熟した判断、啓蒙された良心を諸君のために犠牲にすべきではない。・・・諸君の代表は、諸君に対して勤勉でなければならないだけでなく、彼の判断力を行使しなければならない。もし彼がそれを諸君のために犠牲にしたいならば、諸君に奉仕するのではなくて、裏切っていることになるだろう。」
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国政にたずさわるもの、地方・利権・票田の代弁者になってはいけません。綿貫氏はバークを引用して自爆していますね。
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Subject:訂正
From:北の狼
Date:2005/08/17 00:04
No:2582
以前、綿貫新党について、参議院(=現職議員)から5人ひっぱってこないと、「政党要件」をみたすことができないと書きましたが、誤りでした。衆議院解散の場合、前職を現職とみなす特例があるとのことです。
失礼いたしました。(新聞の解説を鵜呑みにするもんじゃない・・・・。)

===================

衆院選で政党とみなされるためには、
《1》現職国会議員五人以上参加
《2》直近の衆院選小選挙区などで全国の有効投票総数の2%以上を獲得
《3》比例代表ブロックの立候補者数が定数の十分の二以上
−のいずれかを満たすことが必要。

ただし《1》については衆院解散の場合、解散前の衆院議員を国会議員とみなす特例がある。
また《3》は比例代表のみに適用される政党要件で、これを満たしても小選挙区には立候補できない。
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Subject:小選挙区制の熟成
From:北の狼
Date:2005/08/17 16:51
No:2583
今回の選挙には注目点がいろいろありますが、そのひとつは小選挙区制の熟成です。

【小選挙区制の政治運営】
今回の小泉内閣・自民党執行部がすすめている選挙戦術は、小選挙区制によくマッチしたものになっています。
議員個人を本位とした政党・政治運営を特徴とする中選挙区制に対して、小選挙区制では、政策本位、政党本位、首相(党首)主導型の政治運営が主眼となります。従って、選挙戦略の策定や候補者の選択も中央(党本部)が主体となります。いま小泉内閣・自民党執行部が押し進めている選挙戦術は、まさにこれを絵に描いたようなものになっていますね。

【中選挙区制の発想:郵政民営化反対派】
対して、郵政民営化反対派(綿貫、亀井、小林、平沼、野田、等)の発想法というのは、未だに完全に中選挙区制のそれですね。これは、良く言えば地域密着型、悪く言えば利益誘導型の「ドブ板選挙」です。
それもそのはず、もともと彼らは民営化阻止を約束して「郵便局」(全特:全国特定郵便局長会)という集票マシーンの支持をえて先の衆院選で当選してきましたし、衆院選後に開催された全国特定郵便局長総会でも「郵政の民営化は絶対に阻止する!」(野中広務ら)と約束していたのですから、「郵便局」の権益をおかすような行動(郵政民営化賛成)をとれるはずがないのです。
このように彼らは「議員個人=郵便局=自民党県連」というトライアングル構造のうちで選挙を闘うしかなくーーーこの構造が強固な地域では、「郵便局」がその気になれば、議員の一人や二人、選挙で潰すのは簡単ですーーー、この構図は中選挙区制のもとでの「ドブ板選挙」と異なるところがないわけです。そして、この構造が安泰なうちは、彼らは無所属で、つまり議員個人を本位として選挙を闘えるわけです。
また、彼らが新党を結成してしまうと、いかな自民県連といえども自民党の公認候補をさしおいて他党(新党)の候補を応援することはできず、「議員個人=郵便局=自民党県連」の構造が崩壊することを意味することになりますので、これはそう簡単にとりうる道ではありません。ただ、昨今の報道によりますと、無所属のままでは選挙を闘えないということで、綿貫氏や亀井氏が中心となって小規模な新党を結成するとのことですが。

【小沢一郎】
小泉首相の長年の念願が郵政民営化であったように、小選挙区制の導入は小沢一郎氏の長年にわたる持論でした。中選挙区制のもとでは、政治のダイナミックな運営が不可能だ、という強い問題意識が小沢氏にはあったわけです。
小選挙区制は、かつて「田中金脈問題」で政治改革が取り沙汰された際、かねてから小選挙区制をとなえていた小沢氏による強力な推薦を容れて、当の田中自身によって提案されたことがあります。ただ、この時提示されたのは単純小選挙区制で、これは野党はもとより与党としても到底受け入れられる情況にはなく、簡単に潰されましたが。
その後、冷戦構造の崩壊を契機とし、政治のダイナミックな運営の必要性が強く意識されるようになり、政治改革を要望する公民世論の波にのって、再び小沢氏が中心となって細川政権のもと「政治改革には、これしかない!」ということで成立したのが、現在の小選挙区制です。

【造反】
小選挙区制のもとでは、政党本位の国会運営が重要視されますから、党内論議ならいざ知らず、先の郵政関連法案のように議員が政党の方針に逆らって国会投票で造反することは許されません。小選挙区制を導入している他国では、そのような事態はまず生じえませんし、どうしても反対票を投じるというのであれば離党してからそうするのが筋とのことです。政策本位、政党本位、首相(党首)主導型の政治運営を前提としていますから、これはある意味当然といえます。

【落下傘候補】
また、今回の選挙で「落下傘候補」が話題になっていますが、実はこのような候補が乱立できるのも小選挙区制であるがゆえです。
「落下傘候補」とは、その選挙区とは縁もゆかりも無い候補者ということで、候補者は党主導で決められた選挙区を割り当てられ、そこで選挙運動をすることになります。ですから、ここに道路を造ってくれとか、橋を架けてくれといった陳情や約束(「ドブ板選挙」)は成立のしようがありません。これが徹底しているのがイギリスですね。
「落下傘候補」が容認される根底には、国会議員の役目はあくまで国政にある、という発想があるわけで、かつての中選挙区制のような利益誘導型政治の発想とは一線を画しており、この点は小選挙区制のひとつの特徴となっています。


面白いのは、小泉首相は、総理に就任するまでは強固な「中選挙区制」論者だったというこです。その小泉首相が、いまは、小選挙区制の特徴を最大限にいかすことによって、選挙戦・政治闘争を有利にすすめているのですから、まあ皮肉なものです。
小沢氏は、今の政局・選挙をどのような想いでながめているのでしょうか。
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タイトルRe: 小泉構造改革とはなんだったのか
記事No70
投稿日: 2007/08/02(Thu) 22:26
投稿者おちょくり塾過去ログから
Subject:各党の「花火」が一段落したので復帰
From:北の狼
Date:2005/08/24 00:47
No:2608
最近、しきりに小泉首相を攻撃しているサイトに、「二階堂ドット・コム」があります(http://www.nikaidou.com/index.html)。ただ、その攻撃材料というのは、くだらないもの、愚劣なものが多いです。
そのサイトの8月23日の記事に、「郵政法案と人権擁護法案は表裏一体 平沼議員の手紙」と題して平沼赳夫氏のメールが公開されています。内容は郵政民営化反対の論拠をつづったものですが、引用して検討してみましょう。


========(平沼氏のメールから引用)=========
 ただ今回の政府提出「法案」は公社化2年目の折り返し点で、党内議論・国民議論も成熟しておらず余りにも拙速であること、法案の内容も地方の切捨てに繋がりかねず、また「分社化・株式会社化」によって貴重な国民金融資産の外資流出の恐れがあり、より慎重審議を積み重ねるべきであるという考えから、現時点では到底容認できるものではなく、採決の際に反対票を投じました。 

竹中平蔵氏が中心になって作成された郵政民営法案の内容が、米国から日本政府に提示される「年次改革要求書」に準拠し、分社化・株式会社化によって外国資本(ヘッジファンド)に金融資産が取得・買収しやすいものとなっていることが最大の懸念です。

 日本の将来のためにこそ使われるべき資産や利益が外資に吸い上げられる危険性に対して、きちんとした防衛策が必要です。改革は進めなければなりませんが、内容に関係なく取り敢えず通せばよいというのでは余りにも無責任です。国の方針や法律はゲームのように簡単にリセット出来るものではありません。だからこそ危惧される点をひとつひとつ吟味し成案を得るべきだと主張しているのです。改革とは「看板」だけではなく、真に国民の利益になる内容こそが重要です。
(中略)
 郵政法案と人権擁護法案は表裏一体、公明党は郵政法案成立に協力し、自民党は人権擁護法案成立に協力する、このふたつの法案は「セット」と申しても良いものです。。性急で強引な進め方も双子のように似ています。ひとつはアメリカの注文、ひとつは公明党の注文、いずれも原案通りに進めることが注文先の希望と利益になることですから、修正・変更には応じず、内容の吟味や議論の打ち切りを行い、何が何でも可決を目指そうとする姿勢に納得が出来ます。
===========(引用終了)============


このアメリカの「年次改革要求書」については、郵政民営化反対派・反小泉派が、攻撃材料として最近好んで言及しているものです。2004年版から該当部分を引用してみます(http://japan.usembassy.gov/j/p/tpj-j20041020-50.html#kinyu)。


========(年次改革要求書から引用)========
民営化

 米国は、小泉首相の公社・公団の再編と民営化の取組みに関心を持ち続けてきた。この改革イニシアティブは、競争を刺激し、資源のより有効的な利用につながるなど、日本経済に大きな影響を及ぼす可能性がある。米国政府は、日本郵政公社の民営化という小泉首相の意欲的な取組みに特に関心を持っている。日本の郵便生命保険事業と郵便貯金事業が世界最大の生命保険事業者と預金制度にまで成長しているため、これらの事業の民営化は、それぞれの分野で営業をしている会社に巨大な影響を与えると考えられる。2007年に開始予定の日本郵政公社の民営化は、民間の宅配便業者にも大きな影響を与える可能性がある。

 本年の米国の提言の柱は、日本郵政公社の民営化が日本経済に最大限の経済的利益をもたらすためには、意欲的かつ市場原理に基づいて行われるべきであるという原則である。真に市場原理に基づいたアプローチというものは、日本の保険、銀行、宅配便市場において歪められていない競争を確保することを含まなければならない。日本郵政公社に付与されている民間競合社と比べた優遇面の全面的な撤廃は必要不可欠である。これらの優遇面は、米国系企業および日本企業の双方にとって同様に、長年の懸念となっている。経済財政諮問会議は、9月10日に発表した「郵政民営化の基本方針」において、日本郵政公社と民間企業との間の「競争条件」の均等化の重要性を確認することにより、重要な一歩を踏み出した。

 米国は、日本郵政公社と成田国際空港、日本道路公団等の他の組織の民営化が成功することを期待している。これは、複雑で挑戦的な取組みではあるが、効果的に実行できれば日本経済と日本の企業、消費者に大きな利益をもたらすことになる。本年の民営化にかかわる提言の重要項目は下記のとおりである。

提言の概要

・競争条件の均等化:保険、銀行、宅配便分野において、日本郵政公社に付与されている民間競合社と比べた優遇面を全面的に撤廃する。民営化の結果、歪められていない競争を市場にもたらすと保証する。

・保険と銀行の公正な競争:日本郵政公社の保険および貯金事業においては、真に同一の競争条件が整うまで、新規または変更された商品およびサービスの導入を停止する。これらの事業に、民間企業と同一の納税条件、法律、規制、責任準備金条件、基準、および規制監督を適用するよう確保する。

・宅配便サービスの公正な競争:郵便業務の規制当局は日本郵政公社から独立しかつ完全に切り離された機関であることを確実にし、民間部門と競合するビジネス分野における競争を歪曲するような政府の特別な恩恵を日本郵政公社の郵便事業が受けることを禁止する。

・相互補助の防止:日本郵政公社の保険および銀行事業と公社の非金融事業の間で相互補助が行われないよう十分な方策を取る。競争的なサービス(すなわち、宅配便サービス)が、日本郵政公社が全国共通の郵便事業で得た利益から相互補助を受けるのを防止するため、管理を導入する。

・完全な透明性:民間の利害関係者が、関係する日本政府の職員と民営化について意見交換を行い、政府が召集する関連の委員会の審議に貢献する有意義な機会が提供されるよう確保する。パブリックコメント手続きの十分な利用を保証する。
===========(引用終了)============


小泉首相はブッシュに隷属して上のような要求を丸のみにして郵政を民営化しようとしているのだから、「小泉はブッシュの言うまま、日本をアメリカに売り渡そうとしている」、「郵貯はハゲタカ・ファンドの餌食になる」、「アメリカの経常収支の赤字の補填に流用される」などと鐘や太鼓ではやしたてているのが、民営化反対派・反小泉派です。
このような言説に対して、私はかつて当サイトで「俗論中の俗論」と切って捨てたことがありますが、その評価はいまも変りません、否、もはや「悪質なプロパガンダ」に他ならないとさえ考えています。その理由を以下に述べましょう。


まずは、上の「年次改革要求書」の文面をよく読んでください。
実は、アメリカは、民営化を前提としてはいますが、どこにおいても「郵政の民営化(分社化・株式会社化)」自体を要求してはいません。
冒頭には確かに「米国は、小泉首相の公社・公団の再編と民営化の取組みに関心を持ち続けてきた」とありますが、「郵政の民営化」は事の本質(要求そのもの)ではありません。その本質は、「提言の概要」にあるように「公正な競争の確保」や「機会の平等」、すなわち「市場の開放」にこそあるのです。そして「市場の開放」は、内容が多岐にわたる「年次改革要求書」を通じて首尾一貫した要求です。
さらに、ここで言う「公正な競争の確保」とは、郵貯や簡保を民間企業と同等の条件で運用するようにしろ、ということです。つまり、郵貯・簡保に対する保護政策は「非関税障壁」とみなされているわけで、それを撤廃しろということですね。
換言すれば、アメリカの要求は、投資のための「原資(預貯金、保険)」をえる機会を平等にしろ、ということであって、なにも、民営化して郵貯会社や簡保会社の「株」を取得する機会を平等にしろ、と言っているのではないのです。ある郵政民営化反対派は、この点を混同していますね。

また、郵政が民営化されれば外資に乗っ取られるという意見も、あまりに短絡的です。
これまで日本国内の国債、地方債、公共投資等に利用されていたお金が、海外での投資にも使われるようになるということは、郵貯のお金が国際金融に流れるということです。問題は、そこで利益を上げられるかどうかということですが、これは「乗っ取り」とは意味が全く異なります。
そういう意味で、国際金融が日本の郵貯をターゲットにすることは当然ですし、そもそも、有利な条件を求めて外貨預金等の国際金融にお金を流す日本人が多くなっているというのが現状なのです。


「改革要求書」の嚆矢は1993年のクリントン大統領訪日の際に提出されたものですが(それ以前には日米構造協議がありましたし、さらに「前川リポート」もありました)、その内容をみてみましょう(http://www.kobachan.jp/katudouhoukoku/sekioka.htm)。


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1.郵政民営化に関する米国の要望

◎1996年11月15日 『日本政府に対する米国政府の要望書』
米国政府は、日本政府が以下のような規制緩和及び競争促進のための措置を取るべきであると信じる。
郵政省のような政府機関が、民間保険会社と直接競合する保険業務に関わることを禁止する。
政府系企業への外国保険会社の参入が構成、透明、被差別的かつ競争的な環境の下で行えるようにする。

◎1999年10月6日『規制改革要望書』
米国は日本に対し、民間保険会社が提供している商品と競合する簡易保険(簡保)を含む政府及び準公共保険制度を拡大する考えをすべて中止し、現存の制度を削減または廃止すべきかどうかを検討することを強く求める。

◎2003年10月24日『年次改革要望書』
米国政府は、2007年4月の郵政民営化を目標に、小泉首相が竹中経済財政・金融担当大臣に簡保・郵貯を含む郵政3事業の民営化プランを2004年秋までに作成するよう指示したことを特筆する。
=====================


もちろん、このような要求は内政干渉まがいであり断固はねつけろ、といった意見はありますし、私もかつてはそのような意見に同調していた側です。しかし、そのことと、郵政民営化がアメリカの言いなりになっているのかどうか、とは別の問題です。

このような要求(「公正な競争の確保」、「市場開放」)は、なにも郵貯・簡保に限ったことではありません。談合の禁止(公共事業の開放)、農産物の解禁、自動車、「競争政策」(独占禁止法の罰則強化、公正取引委員会の機能強化)、「透明性及びその他の政府慣行」(政策決定過程への外国の利害関係者の関与拡大)、「法務制度改革」(外国弁護士の対日進出、民事訴訟の活発化)、「商法」(米国型企業統治の導入、株式交換型M&A解禁等)、等々あらゆる分野にわたっているのであり、それに対して日本が過去多くの分野でアメリカの要求をのんできたことは事実です。

なぜ日本がアメリカの要求をのんできたのかというと、一面としては、それが日本国内の経済のためになると判断されたからです。
では、郵政はどうでしょうか?
実は、小泉首相以外に、郵政の民営化を強力に要請してきた勢力が日本にいたのです。どこかというと、経済界や財界、とりわけ経済同友会です。

経済同友会は、小泉内閣が発足する以前の(小泉が総理に選ばれるとは誰も考えていなかった)2001年初頭に、民営化を検討する「郵貯改革委員会」の立ち上げを既に決定しています。この委員会は、小泉首相の私的諮問機関「郵政三事業の在り方について考える懇談会(郵政懇)」と時間的に平行するように独自の審議を重ね、郵政民営化に対する重要なオピニオンリーダーとしての役割りを果たしてきました。「郵貯改革委員会」は、かなりラディカルな提言もなしています。例えば、郵政は「民営化」ではなく「廃止」せよという主張がそうです・・・・詳しくは、『郵政民営化こそ日本を変える 経営者、大いに語る』(PHP研究所)をご覧ください。

2003年10月、政府の「経済財政諮問会議」は、@国民の利便性向上、A「見えない国民負担」の最小化、B資金の流れを公的部門から民間部門に変えること、を目的として以下のような「竹中五原則」をまとめ上げます。

1) 活性化原則
    「官から民へ」の実践による経済活性化を実現する。
2) 整合性原則
    構造改革全体との整合性のとれた改革を行う。
3) 利便性の原則
    国民にとっての利便性に配慮した形で改革を行う。
4) 資源活用原則
    郵政公社が有するネットワーク等のリソースを活用する形で改革を行う。
5) 配慮原則
    郵政公社の雇用には、十分配慮する。

そして、民営化は、平成 19年(2007年)に純粋持株会社の傘下で、窓口サービス、郵便、郵便貯金、簡易保険の4機能を株式会社として独立させ、10 年以内の移行期を経て、平成 29年(2017年)までに最終的に実現するという段階を踏んで行われるとされています。さらに、4機能がそれぞれの市場に吸収統合され、市場原理の下で自立することが重要であり、 (1) 経営の自由度の拡大、(2) 民間とのイコールフッティングの確保(競争条件の対等化)、(3) 事業毎の損益の明確化と事業間のリスク遮断の徹底の 3 点がそのための必要条件であると述べています。
この政府がまとめた案は、同友会の「郵貯改革員会」によってなされた数々の提言を下敷きにしたものであることは、その内容を比較してみれば明らかです。といいますか、「郵貯改革委員会」の活動があったからこそ、政府は短期間で民営化方針案をまとめることができたともいえます。


以上のごとく、郵政民営化については、アメリカの「年次改革要求書」にあるような陳腐な内容が参考にされたどころか、それよりずっと前から日本で真剣かつ詳細な検討が重ねられており、その成果に基いて案がまとめられ、それを後追いするように、2003年の「年次改革要求書」以降、郵政民営化という言葉が登場してきたのです。
ですから、「郵政民営化案の内容が『年次改革要求書』(2004年)の内容にそっくりなのは、小泉首相がアメリカの言いなりになって民営化をすすめてきた証拠だ」というのは、まさに本末顛倒なのです。

平沼氏のメールにある言説は、「後づけの論理」以外の何ものでもありませんね。亀井氏や平沼氏が、新党結成のため党首として担ぎに石原慎太郎知事のもとを訪れた時、アメリカ資本による買収はまったく話題として持ち出されなかったということで、石原氏自身そのことを嘆いているほどです。
おそらく平沼氏は、「年次改革要望書」をまともに読んだこともなければ、郵政民営化論議の経緯も殆ど知らないのでしょう。そもそも、「郵政民営化関連法案」自体をきちんと読んでいるのかどうかさえ疑わしい。その上で、どこかからか上のような「俗論」を仕入れてきて受け売りで、自分たちの「愚行」(民営化法案否決)の正当化の根拠としているのでしょう。


まとめ)
アメリカの「年次改革要求書」にある事の本質は、貯金や保険の獲得のための「公正な競争の確保」・「機会の平等」、すなわち「市場開放」なのであり、民営化自体でもなければ分社化・株式会社化でもない。
平沼氏のような「郵政民営法案の内容が、米国から日本政府に提示される『年次改革要求書』に準拠し、分社化・株式会社化によって外国資本(ヘッジファンド)に金融資産が取得・買収」されるという意見は、郵政民営化”そのもの”に反対する一派、また小泉内閣打倒をめざす一派が、小泉攻撃のために後づけの論理として持ち出してきたものである。つまり、「俗論中の俗論」または「ためにする議論」である。
実際には、「年次改革要求書」は、郵政民営化に関しては、日本の動きを後追いしたものにすぎない。
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Subject:「デマ」の出所は?
From:北の狼
Date:2005/08/25 02:03
No:2614
<<波浪規定さん>>

>反対派は外資に乗っ取られる云々ですが、それよりも乗っ取られない方法を提案するほうが魅力があると思います。

以前の投稿でも説明しましたが、法案では、現在預けられている郵貯・簡保については、民営化後は旧勘定として分離され、新たに創設される「公社」が引き継ぐことになっています。これでは、たとえ外国企業が郵貯・簡保会社を乗っ取ったとしても、このお金に手出しするのは不可能です。
新規の預貯金や保険契約について、民営化後の郵貯・簡保会社は、外国もふくめた他の会社と争奪戦を繰り広げることになるのでしょうが、これは会社同士の単なる顧客獲得競争ですから、乗っ取りも何もないわけです。そして、アメリカの年次改革要望書が求めているのは、この顧客獲得競争における「公正」や「平等」に他ならず、それ以上でもそれ以下でもありません。

「郵政民営化=外資による乗っ取り」という「デマ」の出所はどこなのでしょうか?

ちなみに、綿貫氏を会長とする郵政事業懇談会は「対案」をまとめていますが、内容は公社形態のまま3事業一体経営で改革をすすめるというもので(「日本郵政公社改革法案」)、これは要するに「民営化」の否定ですね。私が、反対派は郵政民営化”そのもの”に反対している、と断言する根拠のひとつはこれにありました。



これに関連して、平沼氏についてもう少し。
平沼氏はかつて、以下のように述べていますね。


「確かに小泉改革はまだ目に見えていないことは多い。例えば道路公団の民営化にしても、出口のところだけはやっていて、本質的な改革にはほど遠い。麻生さんの担当の郵政もそうです。しかしまた、改革の方向で動きだしていることも事実です。英国のサッチャー改革も最初は評判が悪く、”鉄の女”と評価を受け、サッチャーイズムという形で英国病を脱するのに八年もかかっているんですよ。別に小泉さんを擁護するわけではないけど(笑)。
国民支持率がほとんど五割を越えているのは、諸制度を今までと違った方向に変えていくことへの期待でもあります。」
(『文芸春秋』、2004年7月号、222頁)


また、北朝鮮による拉致問題に対しては、「この程度の外交なら俺でもできる」、「毅然とした態度で経済制裁を行え」とも。
つまり、小泉首相に対して「改革を進めよ」、「リーダーシップを発揮せよ」と叱責しているということなのでしょう。
そこで、リーダーシップを発揮して郵政を本質的に改革しようとして法案を提出したら、平沼氏は今度は以下のように述べるわけです。ちなみに、この法案については、経済界やマスコミからは、「骨抜きだ!」と逆の意味で批判されていますが。


「・・・・郵政事業をバラバラにして株式会社にするというのだから、外資が買収を狙うのは目に見えています。郵貯と簡保を合わせて345兆円という莫大な資金は、外資にとっては喉から手が出るほど欲しいでしょう。
-----小泉首相はそれを承知で民営化を進めている?
もちろんです。アメリカ大使館のホームページを見れば、日本に対する年次改革要望書という項目があって、そこにはっきりと『郵政の完全株式会社化を求める』と書いてありますよ。極端にいうと、アメリカは日本を51番目の州くらいに考えていますから、”ああしろ、こうしろ”と当然のように要求してきます。・・・・
小泉首相は今回も、ブッシュ大統領に郵政民営化を約束してしまったのだと思います。”よろしく頼むよ””オーケー”というわけでしょう。
-----その見返りは何か。
安全保障とか経済協力なども考えられるが、彼の性格からすると、動機はもう少しあいまいで、”アメリカの後ろ盾がほしい”とか、”男の約束だから”という程度のことだと思います。あるいは彼が郵政大臣の時に役人たちがずいぶん意地悪したから、そういうことも関係しているかもしれない。」
(『週間ポスト』2005年7月15日)


平沼氏による事実認識・現状認識・人物評価には、どこか救い難いものを感じますね。

上で平沼氏は、年次改革要望書には「はっきりと『郵政の完全株式会社化を求める』と書いてありますよ」と述べていますが、私はその文章を発見することはできませんでした。
先の投稿でも述べたように、アメリカの要求は金融サービスにおける「公正な競争」や「機会の平等」の確保です。郵政の民営化を「歓迎」してはいますが、それはあくまで「公正な競争」や「機会の平等」に寄与するからに他なりません。つまり、「公正な競争」や「機会の平等」が確保されるのであれば、郵便局が民営化されていようがいまいが関係ないということにもなります。
現時点で私は、年次改革要望書には「はっきりと『郵政の完全株式会社化を求める』と書いてありますよ」というのは「デマ」であると判断しています(平沼氏は、たぶん、誰かからの受け売りとして述べたのでしょうけど)。

平沼氏がなぜこうまで懸命なのかと言えば、やはり総理大臣に対する野心があるからなのでしょう。
平沼氏は昨年に「もし総裁選に挑むチャンスが巡ってくるようなら、今度は必ずトライします」(『文芸春秋』、2004年7月号)と述べていますし、今年にはいっても、「小泉氏と対決して総理大臣を目指す意気込みということか」と問われて、「私も政治家になって25年経つ。いつの間にか長老の部類になってきた。やはり政治生命の集大成として、天の時、地の利、人の和が揃うなら前向きに努力しなければいけないと考えています」(『週間ポスト』2005年7月15日)などと、その野心を隠そうとはしていません。
平沼氏の眼には、郵政民営化を巡る混乱がその絶好のチャンスである、と映ったのでしょうけど、「天の時、地の利、人の和」を読み違えたのではないでしょうか。
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Subject:平沼さん評
From:ナポレオン・ソロ
Date:2005/08/25 10:21
No:2616
 北の狼さんへ、平沼さんはダメですね、総理大臣には、「自分がなりたい」だけでなく、周りを「総理大臣にしたい」と思わせるダケの力量や見識を示す事が大事だと思いますが、
>法案では、現在預けられている郵貯・簡保については、民営化後は旧勘定として分離され、新たに創設される「公社」が引き継ぐことになっています。これでは、たとえ外国企業が郵貯・簡保会社を乗っ取ったとしても、このお金に手出しするのは不可能です。
 これは、狼さんの平易な解説の所為もあると思いますが無明な私にも解ります、結論から言えば、345兆円は今までと同じ管理状況が維持される訳ですね?
 平沼さんが、ご自身の見識を基にしての発言ならば、
>新規の預貯金や保険契約について、民営化後の郵貯・簡保会社は、外国もふくめた他の会社と争奪戦を繰り広げることになる
 と予想される事態に鑑みての、日本企業保護の姿勢の是非云々について語られるのであれば、業界も安心するし、要望も出し易くなろうと言うモノですが。

>郵政事業をバラバラにして株式会社にするというのだから、外資が買収を狙うのは目に見えています。郵貯と簡保を合わせて345兆円という莫大な資金は、外資にとっては喉から手が出るほど欲しいでしょう。
 其れはそうでしょうが、米国が将来、$=¥として、2国の通貨障壁を無くして仕舞おうと言う目論みを持っていたとしても、今、345兆円を「外資に食い荒らされれば」、日本の経済は弱体化し、企業の中には、中共・韓国の東アジア共同体の方向へ舵を切る所も出てくるでしょう、戦略的に、前線で敵に対峙して居る同盟国の後方撹乱を行って弱体化を図る様なマネはしないのが、理の当然でしょうし、大量の資金が、郵政民営化実現即米国勢力の100%コントロール下に置けると言うなら別ですが、大量の資金は、動かす時期のみならず、動かす情報さえも流すタイミングや方向を間違えば、自分達の大きな痛手にも成りかねない筈です、不正な手段を使われて自分達の大事な資金をムザムザと敵性勢力に渡る可能性を看過する程、日本政府は、腰抜けでも、間抜けでも無い筈ですから、十分な時間を掛けて正攻法で来ると思います。

 反対派の言ってる事は、その競争において日本企業が負ける事を必然と措いた被害妄想のストーリ−か、現在の政府がその間抜けか、腰抜けだと言っている様にしか聞えませんから、誹謗中傷の類と思われます。

 日本の金融が蚕食されたといってますが、バブル前に一国に世界規模の同種企業が多過ぎたのも、日本経済が世界経済に不均衡を齎していたと言えたのではなかったか、11行が4〜5行に、更に3行へ、と減数して行くに随って、当然、1行当たりの預貯金は増加し、不良債権処理も進んで、自己資本比率も改善してきたと思うのです、今考えて、住専問題で生じた巨額の不良債権処理で、青息吐息だった金融界は、如何にして立ち直ったか、この手段以外の手段とは何があったのか、あったのなら如何してそれが採り入れられなかったのか。

 90年の初頭から始まったのは、実は日本の経済構造改革であり、ローカルな循環経済を世界規模に拡大する試みではなかったか、とこの頃思います。

タイトルRe^2: 小泉構造改革とはなんだったのか
記事No71
投稿日: 2007/08/02(Thu) 22:28
投稿者おちょくり塾過去ログから
Subject:旧勘定について
From:北の狼
Date:2005/08/25 18:01
No:2617
<<ナポレオン・ソロさん>>

>結論から言えば、345兆円は今までと同じ管理状況が維持される訳ですね?

そういうことですね。

民営化以前に契約された郵貯(定期)や簡保は、旧勘定として、新たに設置される「公社承継法人」に契約内容が引き継がれ、民営化前と変わらない扱いになります。また、旧勘定は政府保障をつけたうえで安全確実に運用されますが、「安全確実」とは要するに国債を中心として運用されるということで、この点も今と変わるところが殆どないわけです。実は、このように国債を引き受ける機構を残しておかないと、政府としては大いに困るという事情もあります。
ともあれ、外資がこれに手を突っ込むなどということはできません。

ただ、このような旧勘定は、満期等の事由によって、徐々にではありますが時間とともに減少していき、最終的に消滅する運命にあります。つまり、350兆円が徐々に国民個人のもとに帰ってくるわけです(当たり前のことですが)。そして、そのお金をどう使うのかは、国民一人一人の判断に委ねられることになります(これまた当たり前のことですが)。
外資がそのお金を欲しいというのであれば、国民が預けたくなるような商品やサービスを提供しなければなりません。もちろん、日本企業や郵貯・簡保だって指をくわえて見ているようなことはしないでしょう。アメリカの年次改革要望書が求めているのは、このような顧客獲得の局面における「公正な競争」や「機会の平等」の確保です。

このことに関連した話しをします。
荒井広幸氏(参議院議員、前自民党、現新党「日本」)などがよく強調しているのですが、「いまの簡保には職業による加入制限がなく、民営化されればこのメリットがなくなる」という民営化反対の論拠があります。しかし、郵政が民営化される前に加入した簡保なら旧勘定となりますから、民営化された後もその契約内容は(政府による保証つきで)継続されることになります。よって、いまのうちに加入しておけば、これらの職業の人にもまったく問題は生じません。
そうでなくとも、このことを民営化反対の根拠とするのは、やはり針小棒大と言うほかはありませんね。保険に加入する際に割増しなどの制限が加わる(場合によっては加入が拒否される)職業とは、ボクサー、プロレスラー、スタントマン、レーサー等、特に危険なものですが、一般の人にとっては無縁な話しでしょうから。
まあ、民営化された後で新たに簡保に加入する人には、たぶん職業による制限が加わることになり、このような特殊な職業に就く場合は、そういった点も考慮したうえで決心すべきということになるとは思いますが。
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Subject:日本は自由競争社会なんやろか?
From:ナポレオン・ソロ
Date:2005/08/26 15:09
No:2618
>北の狼さん、レス有難うございました。
 民営化に付きまとう、郵貯献上説が既得権益死守派の意図的曲解によって成り立っている事、よーく解りました、しかし、既得権益を享受してる方々にとっては反対は当然でしょう、恥かしながら、私がもしそっちのサイドに居れば反対する事でしょう、こんなに美味しい権利を取上げられたら、動物園で生れ育ったアザラシに、いきなり氷の海で自立しろと言う様なモンでしょうから。

 自由競争の原則なのに、何等かの保障を求めるのは、単に甘えているに過ぎません、日本が社会主義の国ではなく、資本主義社会だという事を未だに理解していないとしか思えないのですが。
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Subject:>RE旧勘定について
From:おせん
Date:2005/08/26 22:53
No:2622
北の狼さま
 いつも北の狼さまの豊富な知識に支えられた知見に驚愕致すと共に拝読致しまして大変勉強になります。ありがとうございます。

さて、ひとつ疑問に思った事を質問させて下さい。
>「新たに設置される「公社承継法人」に契約内容が引き継がれ、民営化前と変わらない扱いになります。」
との解説ですが、郵政法案では、

「公社勘定は公社承継法人が保有し、その管理・運用を郵便保険会社が受託する。運用に当たっては、安全性を重視する。」
の一文があるますが、管理・運用を新会社の郵政会社・保険会社が当たる事は、勘定上は区別されても、現物の資産内容の変動があり、340兆円の国債が市場に放出される恐れはないのでしょうか?その点が心配です。
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Subject:たぶん、ないでしょう>おせんさん
From:北の狼
Date:2005/08/27 01:20
No:2623
<<おせんさん>>

はじめまして。

>「公社勘定は公社承継法人が保有し、その管理・運用を郵便保険会社が受託する。運用に当たっては、安全性を重視する。」の一文があるますが、管理・運用を新会社の郵政会社・保険会社が当たる事は、勘定上は区別されても、現物の資産内容の変動があり、340兆円の国債が市場に放出される恐れはないのでしょうか?その点が心配です。


郵便保険会社が(旧勘定分の)国債を市場に放出することは、まずありえないと思います。
旧勘定には政府保証がついていますが、これは、郵便保険会社が運用先を勝手に変更できないということを意味しています。政府の実質的な指導のもと、今までどおり国債や財投債で運用されることは確実です。
政府が国債の暴落を誘発するような行為を許可するといった事態・・・・・私にはちょっと思いつきません。
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Subject:「郵政民営化」とは(1)
From:北の狼
Date:2005/08/27 01:46
No:2624
「よく分からない」とされている郵政民営化ですが、私は多少とも民営化の意味合いや重要性を理解してきたつもりです。
そこで、私がどこをどういうふうに理解してきたのか、数回にわたって述べてみたいと思います。


小泉首相が選挙演説で「郵政民営化というのは、郵政改革はもちろんのこと、財政改革、金融改革、経済改革、構造改革、そして政治改革でもあるんです。郵政民営化ができなくて、どうして、今日本に必要とされている、これらの改革を成し遂げることができるんですか」と述べていましたが、これには私もまったく同感です。「郵便局」というのは、日本の政治・経済・社会の風土にがっちり根をおろしていますので、郵政を民営化しようとすると芋づる的に他のすべての分野の問題が抉り出されてくるわけです。
「郵政民営化はそれほど重要な問題ではない」、「他に重要課題がたくさんある」、「こんな問題のために解散などして、政治空白をつくるべきではない」といった声をよく聞きますが、私は必ずしもそうとは思いません。そもそも、郵政民営化が大した問題ではないというのなら、どうして、特定郵便局長はもとより、あんなにも多くの議員や官僚たちが反対に回ったのでしょうか? 私は、多くの者たちが反対に回ったというこの事実こそが、郵政問題の根の深さを表していると思います。

経済同友会が郵政の民営化を検討するため「郵貯改革委員会」を立ち上げたのは2001年初頭でしたが、その時点では未だ産業界においてさえも、郵政民営化の多面性や重要性を理解していたのは、金融関連業界の一部と「クロネコ・ヤマト」ぐらいでした。産業界の多くにとって「郵貯問題は銀行と郵貯の勢力争いにすぎない」、「銀行は不良債権まみれだ。銀行こそ郵貯のサービスを見習うべきだ」との声が大勢だったということです(「郵貯改革委員会」委員長 グローバル経営研究所代表取締役 田村達也)。
しかし、議論をはじめてみると、郵貯・簡保がもつ構造的問題の根の深さや、日本金融界が有する社会主義経済的性質の現実などが次第に理解されてゆき、郵政民営化の重要性に気づいていったのでした(『郵政民営化こそ日本を変える』 PHP研究所)。


郵政民営化の重要性やメリットについてはいろいろと説明されていますが、ここはやはり竹中氏(郵政民営化担当大臣)に登場願いましょう。


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  国民にもたらす4つのメリット

[1] 350兆円が民間のものになる
 いま、郵政は、郵貯を240兆円持っている。これは、日本のメガバンクの合計よりも多い。そして簡保は、最大の日本生命の3倍規模だ。両方あわせると350兆円である。いま国のものになっているこの巨大な資産が民間のものになるということの意味は大きい。

[2] 2万4000のコンビニチェーン
 主に三つの商品に限定されている郵便局という名前のコンビニがある。それが民営化され、民間と同じ競争レベルに立つと、多くの商品を扱うようになったり長時間営業が可能になったりする。それだけ国民の利便性は増すだろう。

[3] 公務員が減る
 公務員として日本郵政公社で働いている人員は現在28万人だ。この28万人が公務員でなくなるわけだから、「公務員を減らして小さな政府に」という基本姿勢に一致する。

[4] 国の財政に貢献する
 よく、郵政は国鉄とちがって、税投入をしていないから、民営化の必要がないという意見を聞く。しかし、たとえば、郵政は税金も預金保険料も払っていない。
 つまり、国民は見えない形で税負担をしていることになる。それが民営になれば、これらの支払い義務が生じる。結果として、日本の財政に貢献することになるだろう。

 郵政の基本方針は、9月10日に閣議決定した。この基本方針を踏まえて制度設計し、来年の通常国会で成立させたいと思っている。
 ここでもう1つ重要なことは、さきほど触れた郵政の持つ資産と、財政の関連性だ。郵政の資産が国のものである限り、それは特別な資産として安全性が重要視され、政府の財投債や国債を買うという形で運用されてきた。それが結果として、日本財政の競争力の弱さになっている。
 そうした側面を全廃することはできないにしても、民営化された郵政に債券を買ってもらうためには、それだけきちんとした財政運営をしなければならなくなる。そういう意味で、双方ともに建設的な緊張感を持った運営が要求されよう。

 民営化するとはどういうことかを、一言でまとめれば「自由にできる」ということである。それは、同時に、民間と同じ競争条件(イコール・フッティング)を持つということだ。自由度とイコール・フッティングは、コインの両面と言われるように切り離すことができないものである。
 だから、これからの展望としては、たとえば、物流産業として国際業務に参加することも視野にはいってくるかもしれない。そういう中で、ドイツ郵政の子会社であるDHLが、世界の4大物流の一翼を担っているという事実を見逃すことはできない。
 日本の郵政が民営化によって実力をつけ、こうした国際物流に参入していけば、それは歓迎すべき方向だと私は考えている。

 東西冷戦が終わり、世界が凄まじい競争圧力にさらされるようになって久しい。過去の経緯に囚われず、日本経済が安定的に発展する政策を進めていかなければならないいま、郵政民営化の必要性はさらに増しているのである。

http://www.president.co.jp/pre/20041213/001.html
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上では「4つのメリット」とありますが、それに加えて「財政赤字の問題(国債、財投債)」が強調されており、民営化のモチーフはトータルで5つのポイントからなっています。



・【財政赤字】

私がこれらの問題に関心を持った端緒は、「財政赤字の問題」でした。国家予算に占める国債費の割合の多さについては、小学校の教科書で読んで以来、子どもながらそれなりの危機感をもってフォローしていましたので、1995年の武村大蔵大臣による「財政危機宣言」にも特に驚きはしませんでした。また、この頃、猪瀬直樹氏の『日本国の研究』(『文藝春秋』1996年)を読み、財政赤字が発生するメカニズムについて凡その概念を仕入れることができました。
『日本国の研究』がでた時点で、財政赤字は既に国債と地方債で400兆円を越えていましたし、それに特殊法人などによる隠れ借金を加えると1000兆円ぐらいになるという試算もあったことを憶えています。この借金の額を知った時の私の印象は「財政赤字の問題は、多少の増税や歳出削減など、通常の方法では解決不可能」というものでしたが、これは今もそう変っていません(むしろ、今のほうが絶望感は増しています)。また、この頃ある政治家の「財政赤字はまったく問題ない。日本には千数百兆円の預貯金があるのだから」という発言を聞いて、「こいつは、国民個人の財産(預貯金)を自分のものだとでも思っているのか!」などと反感を抱くとともに、「日本の政治家では財政赤字の問題は金輪際解決できない」と確信したものでした。そこで、それ以来、私は財産(大した額ではありませんが)をあちこちへとリスク分散するように努めたのですが、低金利と円高が予想外に長く続いたこともあって、多少は儲かっているようです。


1995年、自民党の総裁選に小泉純一郎氏(元郵政相)が橋本龍太郎氏に対抗して出馬しました。結果は予想された通り橋本氏の圧勝でしたが、小泉氏はこの機会を利用して、かねてからの持論であった郵政民営化論を発表したのでした。私のほうはといえば、実は、小泉氏の説明を一応聞きましたが、それで果たして財政赤字が解決するのか、と大いに疑問に思い、小泉氏自身についても郵政民営化自体についてもあまり重視していませんでした。
当時、小泉氏は、この問題について以下のように語っています(「Irregular Expression」より)。


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「コイズム」小泉純一郎(著)より抜粋↓
(小泉純一郎本人が1995年から1997年まで「ヤングマガジン・エグゼクタ」に連載した記事をまとめたもの)

 今、この国の借金がどれだけあるか、知っているかな。恐ろしいくらい膨大な金額にふくらんでしまっている。例えて言えば、カード地獄にはまって、月々の返済をするために新しいカードをどんどん作っているような状態。巷には先のことを考えずにカードでやたらに浪費している人がいる。
 今の日本はそれと同じだ。国債の利子を払うために、新たにまた国債を発行しようとしている。借金を借金で返す地獄のパターン。しかも、払っているのは利子だけだから、元本は全然減らないわけ。こんなことを続けていたら、はっきり言ってキミたちの将来は絶望的だよ。キミたちが僕たちくらいの年になったとき、年金も何ももらえなくなってしまうだろう。どうするか。財政破綻を避けるためには増税するか、コストダウンしかないんだな。こんなご時世に増税なんかできっこないから、コスト削減を強力に推し進めていかなきゃならない。その最善の方法が、行政改革の断行というわけなんです。
 なぜ、郵政三事業の民営化なのか僕が郵政三事業(郵便、郵便貯金、簡易保険)の民営化にこだわっているのは、これがストレートに行政改革に結びつき、しかも、国民にはかり知れないメリットやサービスをもたらすと信じているからなんだ。

 国のムダ遣いを減らすには、多すぎる役所の数を減らせばいい。役人の仕事で民間ができるものは、なるべく民間に回せばいい。郵政三事業のうち、郵貯や保険の分野はすでに民間の銀行や保険会社が参入していることでもわかるように、十分、民間でも対応できる。唯一、民間の参入が認められていないのが郵便事業だけど、これだって、郵便小包の分野ではすでに宅配便が存在している。いずれも役所がやらなくても、民間できちんとできる仕事なんだよ。
 しかも、民営化されれば、そこには競争原理が働いて、コストダウンをはじめさまざまなサービスを国民は享受できる。例えば、郵便小包と宅配便にしたって、どっちが便利で速いかだれでもわかっているし、宅配便は深夜でもコンビニが受け付けてくれるし、頼めば取りにも来てくれる。生鮮食品を運ぶクール宅急便というのもある。郵便局よりもサービスはずっとすぐれている。
 NTTが民営化された例を見ても、ちょっと前までは電話といえば黒電話一種類しかなかったのが、今ではさまざまな機種が出ている。料金引き下げも著しい。郵便事業も民営化すれば、ハガキの値段は必ず安くなるし、さまざまなサービスが受けられるようになるはずだ。

 郵政事業の民営化で、もうひとつ見すごせない大きなメリットは、この動きがあらゆる行財政改革にストレートにつながるということなんだ。
 郵貯や簡保で集められたお金は、資金運用部というところに一括して集められ、各年度ごとに財政投融資資金として、特殊法人と呼ばれる92の公的機関を経由して使われる。この特殊法人というのがクセ者で、ひとことで言えば、役人の天下り先だ。つまり、特殊法人という組織が、実は役人の利権の巣窟になっているんだ。
 なかには、大した仕事もないのに、役人の利権確保のためだけに存在しているところもある。そして、この特殊法人が赤字を垂れ流すから、ますます国の借金が膨らんでしまうという悪循環にもなっている。
 さすがに、この特外法人の見直しは国会でも議論されているけど、遅々として進まない。役所側が、どれもこれも必要だと主張して譲らないんだ。でも、もし「郵政三事業の民営化」が進めば、その原資である郵貯や簡保にメスが入り、行政改革は一気に進んでいく。郵政民営化は、行革の突破口になるんだ。

 「郵政三事業の民営化」がなぜ進まないのか。まず第一に、郵政省(現・総務省)の抵抗だね。加えて、政治家も反対する者ばかりだ。

 郵政省は、郵便事業を民営化したら「信書の秘密が守れない」「離れ小島など僻地への配達は民間にはできっこない」と、こう言う。
 果たしてそうか。国民から見れば、宅配便だってハガキだって、いっしょです。
 信書の秘密というが、ファックスやメールがこれだけ普及して、みんな自由に通信文をやりとりしているじゃないか。
 ハガキの配達にしたって、すでに年賀状はアルバイトが配っている。民間人だって、信書の秘密は守れるんだよ。離れ小島への配達が民問に無理ならば、そこだけを国が助けてやればいい。それを民問ではダメというのは、恐るべき官尊民卑の思想だ。こんな役所がマルチメディアを管轄するのかと思うと、ますます暗たんとした気持ちになってくる。

 政治家にしても、自民党は特定郵便局、社会党は全逓(旧郵政省職員の労働組合)の組織票を失うのが怖くて反対しているけど、ついこの問、ヤマト運輸の労組が僕を応援したいと言ってきてね。仰天したよ。労組といえば、社会党や民社党の応援団だったのに、自民党の僕を応援するというんだから。つまり、政治は今、それだけ流動化しているし、従来のような社会党イコール労働組合という図式すらファジーになってきたということなんだな。政治家は支持団体の顔色を伺うのではなく、国民の利益のために言いたいことを言えばいい。
 そうしたうえで、人物本位、政策本位での支持を求めればいいんだよ。

http://www.wafu.ne.jp/~gori/diary3/200508091144.html
========================


10年ほど前の発言ですが、先の国会で提出された「郵政民営化関連法案」のエッセンスがほぼ網羅されていることが分ると思います。そして、これを読むだけでも、「郵政民営化=アメリカの陰謀」説のいかがわしさが分るでしょう。アメリカが年次改革要望書で郵政民営化について言及しはじめたのは、この発言のずっと後、2003年からなのですから。

・・・・・続く。
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タイトルRe^3: 小泉構造改革とはなんだったのか
記事No72
投稿日: 2007/08/02(Thu) 22:30
投稿者おちょくり塾過去ログから
Subject:郵政の次は農協、そしてNHK
From:北の狼
Date:2005/08/27 23:42
No:2627
構造改革で、郵政民営化の次に出てくると噂されているのが農協です。さらに、NHKの問題もそのうち取り上げられるようになるかもしれません。
農協やNHKに共通するのが既得権益です。そして、その既得権益には必ず莫大な「お金」がからんでいます。


農協の「お金」とは信用(貯金)・共済(保険)事業で集めたものです。以前に住専や不良債権問題で、農協があつめた「お金」が問題になりましたが、その時は農協はなんとか凌ぎきったようです。
私の田舎での経験からすると、郵便局や農協の貯金の獲得法はかなり強引なものでした。小学生に対して半強制的に定期的に貯金させたりしていましたから。そのくせ、貯金を下ろそうとすると「何に使うのか?」などと聞いてきたりする。そしてその理由が気に入らないと「そんなことでお金を使ってはいけない」と説教されたり、親に言いつけられたり、なんてこともよくありましたなぁ。ちょうど田中角栄が「日本列島改造」をぶちあげ、公共事業などの増額をはじめた頃に一致していたようです。
このようにして郵貯や農協に貯金した人は莫大な数にのぼるはずですが、数百円以下といった”はした金”が刻印された通帳まだたくさん残っているのではないですか? 切手ともに、見過ごすべき問題ではないように思います。


NHKの最近の「偏向報道」は目にあまるものがありますね。今年も8月15日がくる一ヶ月ぐらい前から、朝のラジオで戦争体験を語る番組が毎日放送されていましたが、戦争の悲惨さを強調するものばかりで、かなり「自虐」に偏向したものになっていました。
NHKの「お金」とは税金や受信料ですが、NHKの予算は放送局としては世界最大ですね。しかし、その予算の使われ方は決して透明とはいえません。
NHK民営化の論議が高まるとしたら、放送業界全体を不況の波が襲う時でしょう。「NHKが優遇されているおかげで、民法の視聴率がNHKに喰われて伸びない。云々」といった意見が出てくることになるでしょう。バブルの崩壊を契機として、主として金融業界で郵貯・簡保問題が取り上げられるようになったように。

歌番組やドラマは、NHKの出演料や原作料はかなり安いのですが、全国ネットという強みがありますので、芸能人たちはやはりNHKの出演を優先するようです。紅白歌合戦のギャラは10万円くらいだと聞いたことがありますが、NHKに露出することでモトは十分にとれると踏んでいるわけですね。
ただ、私は、視聴率を度外視した番組、射幸心を煽らないような番組を地道にかつ継続的に制作する報道局として、NHKを評価しています。歴史関係番組における貴重な資料の発掘、大物へのインタビューなど、民法では絶対につくれないような番組が少なくありません(製作しているのは下請けなのでしょうけど)。ただし、イデオロギー的な偏向が明らかなものは、興ざめしますが。
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Subject:郵政民営化への疑問
From:たこのす
Date:2005/08/28 02:14
No:2628
こんばんは。この板も久しぶりです。
どうにも、今回の郵政民営化に関しては良く分からないので、教えていただきたいと思い投稿してみました。
竹中大臣の4のメリット+1、イマイチ納得できないのです。疑問点を書いてみます。

>[1] 350兆円が民間のものになる
 いま、郵政は、郵貯を240兆円持っている。これは、日本のメガバンクの合計よりも多い。そして簡保は、最大の日本生命の3倍規模だ。両方あわせると350兆円である。いま国のものになっているこの巨大な資産が民間のものになるということの意味は大きい。

象徴的に官と民という二分法で考える事にそれほど意味があるとは思えません。何故なら、民営化以後も郵貯、簡保資金は結局、運用先を国債等の公的債券に求めるだろうと考えるからです。”官”の資金で国債を買うのと”民”の資金で国債を買うことの違いは、市場で公的債券の監視機能を付加できるだけだと思います。その為に国民は債券市場に膨大な手数料を払う事になります。長期金利の上昇や不安定さも覚悟しなければなりません。利率の上昇に伴う公債費の増大は国債発行残高を更に膨らませる事になるでしょう。それほどのコストを払うほどの値打ちがあるのでしょうか?特殊法人の会計の透明性が問題なら法律で対処できないのでしょうか。そんなに日本の政治は力がないのでしょうか。

>[2] 2万4000のコンビニチェーン
 主に三つの商品に限定されている郵便局という名前のコンビニがある。それが民営化され、民間と同じ競争レベルに立つと、多くの商品を扱うようになったり長時間営業が可能になったりする。それだけ国民の利便性は増すだろう。

まだ、コンビニが足りないのでしょうか?私の近所に充分あります。

>[3] 公務員が減る
 公務員として日本郵政公社で働いている人員は現在28万人だ。この28万人が公務員でなくなるわけだから、「公務員を減らして小さな政府に」という基本姿勢に一致する。

公務員を減らす事=小さな政府、と言うのは少しずれてると思います。税金が軽い=小さな政府の方がピンときますね。郵政自体は税金を使っていませんから、民営化と小さな政府を関係付けるのはどうでしょうか。それと、今までのやみくもな公務員の削減が、その一方で公的機関からの事務手続きの特殊法人への移管となり、天下り先を増やしてきた経過は反省する必要なしでしょうか。

>[4] 国の財政に貢献する
 よく、郵政は国鉄とちがって、税投入をしていないから、民営化の必要がないという意見を聞く。しかし、たとえば、郵政は税金も預金保険料も払っていない。 つまり、国民は見えない形で税負担をしていることになる。それが民営になれば、これらの支払い義務が生じる。結果として、日本の財政に貢献することになるだろう。

税金に関してはその通りです。ただ、これは民営化しないでも国庫納付金と言う形で財政への貢献は可能です。預金保険料に関しては実質優良金融機関からの不良金融機関への財政援助という側面があり、形を変えた護送船団とも言えます。

>・【財政赤字】

上記[1]のところに書きましたが、短期的にはどう考えても公債費は金利の上昇分膨れ上がり、財政赤字の更なる増大は間違いないものと思います。財政赤字に貢献できるとしたら、株式会社化に伴う国有株式の売却を通じてでしょう。

それと、もしお手元に民間生命保険の約款をお持ちなら、調べていただきたいのですが、民間生命保険は地震での死亡に対して支払い免責が設けられていると聞きます。郵便局の簡易保険にそのような免責事項はありません。
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Subject:実りある論議のために
From:北の狼
Date:2005/08/28 09:12
No:2629
<<たこのすさん>>

おひさしぶりです。

たこのすさんの投稿「No.2628」ですが、その内実は本質的に<懐疑論>や<相対化論>の域を出ていません。

郵政民営化に限らず構造改革の問題は、「待ったなしの問題として、日本人としていかに積極的・主体的に考察し関与していくのか」という国民の姿勢や意識がなにより問われている、と私は考えています。
そういった意味でも、この問題についてはとりわけ、単に疑問を羅列するのではなく、本サイト投稿規定の以下の項目の趣旨に沿ったかたちで投稿くださるようお願いします。

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積極的に論議をなそうとする投稿者は、以下に例示する誠実な議論態様を保持
できるよう、努力してください。

a 自ら解き明かし論述しようとするところのものの「目的」を明確にする。
b 自らの意見のよって立つところのものを開示する。
c 自らのよって立つところのものから、結論に至る過程を論証する。
d 意見の異なる相手に対しては、その意見の相違の本質(所在)を解明し、
 そのよって来るところのものを探求する。
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Subject:論議を希望しているわけではありません。
From:たこのす
Date:2005/08/28 17:34
No:2632
>>北の狼さん

>郵政民営化に限らず構造改革の問題は、「待ったなしの問題として、日本人としていかに積極的・主体的に考察し関与していくのか」という国民の姿勢や意識がなにより問われている、と私は考えています。

基本的に同感です。ただ、郵政民営化に関して言えば私は部内者になりますから、関与は必然的で考察は控えたいところになります。

郵政民営化の最大の眼目は、350兆とも言われる郵政資金を民に開放するところにあるかと思われます。ところが、どう愚考してもそうはならないとしか思えない。しかし、私などよりずっと頭の良い国会の先生方は自民、民主に限らずそれが可能とお考えになっている。ですので、多分可能なんでしょう。そんなわけで狼さんにその理由を教えてもらいたいと思ったのが先の投稿です。

別に論議を希望しているわけではありません。

それに、選挙に関して言えば、民営化を推進する自民党と公営のまま資金の流出を促そうとする民主党の二者択一になりますから、既に郵政資金の開放とそれに伴う財政投融資資金の債権化の流れは決定しています。これによって資金調達ができない特殊法人の自然淘汰が可能になるのかどうなのか、不採算企業に銀行が貸し込む例を見ると即断できないところがまだあるでしょうね。
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Subject:管理人モード
From:北の狼
Date:2005/08/28 19:00
No:2633
<<たこのすさん>>

>しかし、私などよりずっと頭の良い国会の先生方は自民、民主に限らずそれが可能とお考えになっている。ですので、多分可能なんでしょう。そんなわけで狼さんにその理由を教えてもらいたいと思ったのが先の投稿です。

私は、「国会の先生方」の代弁者ではありせんし、政党のスポークスマンでもありません。

>論議を希望しているわけではありません。

言葉遊びはお止めください。
疑問を発し答えを求める、という行為は論議の一態様に他なりません。


以後、この件に関する投稿はご遠慮ください。
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Subject:郵政民営化について(2)
From:北の狼
Date:2005/08/29 18:18
No:2634
郵政三事業の民営化のうち、郵貯・簡保ほど語られることがない郵便事業について、過去の経緯を簡単にみておきましょう。


・【クロネコヤマト】

官(郵政)による民業圧迫として最も話題になったのは、クロネコヤマトの問題です。
2003年4月から「信書便法」が施行されていますが、この法は、本来は郵便事業にクロネコヤマトを参入をさせるために作成された法、と言っても過言ではありません。

クロネコヤマトは(旧)郵政省・総務省と過去何度か衝突していますが、その争点はつまるところ「信書」というものの解釈に帰着することになります。
1994年、いわゆる「クレジットカード論争」が勃発しています。当時カード会社は、クレジットカードを新規会員に送付するのに書留郵便を利用していましたが、客が家に不在の場合返品されるなどの不便が生じていました。これに対してクロネコ便は、連絡があれば再配達を行うサービスを行い、カード会社から配達を委託されるようになりました。そこへ、旧郵政省が、クレジットカードは信書に該当するから、それを郵便局以外が扱うのは郵便法違反になるとし、横槍を入れてきたわけです。郵便法違反は結構重い罰則があり、送付を依頼した側も三年以下の懲役または一〇〇万円の罰金が課せられます。この圧力に屈して、また郵便局側もクロネコより安い「配達記録郵便」を発売し、カード会社は再び郵便を利用するようになりました。
次に、「ダイレクトメール論争」が勃発しています。第三種郵便の値上げにともない、クロネコはクロネコメール便を開発し、広告やチラシを送付していました。1997年、旧郵政省は、宛名つきダイレクトメールはやはり信書に該当するとして、横槍を入れてきました。なんでも、警官とほぼ同様の権限を有する郵政監察官が同道して、クロネコの客に圧力をかけるというこもあったそうで、またクロネコは敗北しました。
さらに1999年、「地域振興券論争」。小渕内閣時代に、個人消費の喚起と地域振興を目的として地域振興券がばら撒かれました。クロネコは百貨店の商品券配送で培ってきたノウハウをいかして、一部の市町村と地域振興券送付の契約を交わす段階にまでいったのですが、今度は旧自治省から、地域振興券は信書であるという通達が流れ、またもやクロネコは敗北しています。
こういうのが、郵便局による郵便事業の独占の実体だったわけです。

これらのトラブルの元は「信書」というものの解釈にあるわけですが、実はこの解釈はすこぶる曖昧で、しかも、旧郵政省つまり役人が解釈の是非を判断する権限を有していたわけです。旧郵政省役人が、傘下の郵便局に不利な解釈をなすことはありえないことは、火を見るより明らかです。

ちなみに、現在は総務省によると「信書」は以下のようになっています。


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信書とは
「特定の受取人に対し、差出人の意志を表示し、又は事実を通知する文書」
と郵便法(注1)及び信書便法(注2)に定義されています。(具体例については、下の表をご覧ください。)

「特定の受取人」とは
差出人がその意思の表示又は事実の通知を受ける者として特に定めた者のことです。

「意思を表示し、又は事実を通知する文書」とは
差出人の考えや思いを表し、又は現実に起こり若しくは存在する事柄等の事実を伝えることです。

「文書」とは
文字、記号、符号等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙若しくはその他の有体物のことです(電磁的記録物を送付しても信書の送達には該当しません。)。

(注1)郵便法(昭和22年法律第165号)
(注2)民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)
(以下「信書便法」といいます。)


信書に該当する文書

●書状
●請求書の類
類例:納品書、領収書、見積書、願書、申込書、申請書、申告書、依頼書、契約書、照会書、回答書、承諾書
●会議召集通知の類
類例:結婚式の招待状、業務を報告する文書
●許可書の類
類例:免許証、認定書、表彰状
●証明書の類
類例:印鑑証明書、納税証明書、戸籍謄本、住民票の写
●ダイレクトメール
・文書自体に受取人が記載されている文書
・商品の購入等利用関係、契約関係等特定の受取人に差し出す趣旨が明らかな文言が記載されている文書



信書に該当しない文書

●書籍の類
類例:新聞、雑誌、会報、会誌、手帳、カレンダー、ポスター
●カタログ
●小切手の類
類例:手形、株券
●プリペードカードの類
類例:商品券、図書券
●乗車券の類
類例:航空券、定期券、入場券
●クレジットカードの類
類例:キャシュカード、ローンカード
●会員カードの類
類例:入会証、ポイントカード、マイレージカード
●ダイレクトメール
・専ら街頭における配布や新聞折込を前提として作成されるチラシのようなもの
・専ら店頭における配布を前提として作成されるパンフレットやリーフレットのようなもの
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ヤマトの労働組合(!)は、95年の(小泉候補が郵政民営化をぶち上げた)自民党総裁選以来、小泉支持をうちだし、選挙の支持母体として活躍していました。また、2001年にはじまった首相の私的諮問機関「郵政三事業の在り方について考える懇談会(郵政懇)」では、ヤマト運輸の山崎常務が呼ばれ意見陳述しています。そして、2003年4月から「信書便法」が施行され、法的には郵便局(郵政公社)による独占は解消されています。
しかし、2002年4月に「信書便法案」が閣議決定された時、クロネコヤマトは以下のような声明を発表したのでした。



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第 9 号
平成14年4月26日

「信書便法案」に関する当社の見解

  ヤマト運輸株式会社(東京都・社長 有富 慶二)は、本日閣議決定された「信書便法案」について17:00より緊急記者会見を行いましたので、社長発表内容の要旨についてお知らせします。



1. 「信書便法案」は、郵便事業の規制緩和、民間参入を実現するものと、当社は大きな期待を抱きながら、積極的に参入するつもりでいました。
   
2. 郵便事業の規制緩和、民間参入とは、「信書の国家独占の撤廃あるいは独占領域の縮小にほかならない」と考えております。
   
3. しかし、本日閣議決定された「信書便法案」をみると、民間企業の一挙手一投足すべてを総務省が許認可するいわば「民間官業化法案」ともいえる内容でした。
   
4. これでは、民間企業が斬新かつ柔軟な発想にもとづいて、公正な競争を展開することは望み得ません。
   
5. 法案に規定されている参入条件については、当社は無理すればクリアできると考えます。
   
6. しかし、この法案では、多くの企業が参入し自由に競争することで切磋琢磨し、結果としてお客様の利便性が向上する状況がもたらされることは到底期待できません。
   
7. したがって、この内容では当社は「信書便法案」の許可事業者として参入することはできないと判断しました。
   
8. そこで、当社としては、現行法のもとで既に販売しているクロネコメール便(年間約500億円規模)で、より小さいサイズの取扱いを商品化するなどして、お客様の利便性向上を目指していく所存です。
   
9. ただし、この場合、これまで通り、信書の国家独占という障壁が残ります。
   
10. 信書の定義をめぐっては、マスコミの皆さんにはおなじみの、クレジットカード、地域振興券の配送をめぐって当社は旧郵政省との論争をしてきました。
   
11. 旧郵政省は、昭和33年に出された最高裁判所の判例を拠りどころとして、「信書とは特定の人に対し自己の意思を表示し、あるいは事実を通知する文書を総称するもの」としており、具体的にどのようなものが該当するかについて、かつて「信書のしおり」に記載されていました。<資料参照>
   
12. このうち、「ダイレクトメール」に関しては、郵政監察局から何度か警告を受けました。
   
13. 当社では、新聞の折り込みチラシと変わりのないこれらが、信書であるとは判断しませんでした。
   
14. もはや、当社が単独で総務省(旧郵政省)と争っても埒があかないと考えております。
   
15. 「信書のしおり」に記載されているようなものが信書に該当するということは、誰でも納得できることなのか。また、この現代においても、信書は国家独占でありつづけなければならないものなのか。
こうした議論を、当社と総務省だけの論争にとどめることなく、広く世論に問うていく所存です。
   
16. 誰もが納得できる形で「信書」の定義が明文化され、あるいは「信書」の概念が撤廃され、誰もが配送でき、公正な競争が促進され、結果としてお客様の利便性が向上されると考えます。
当社はそのような規制緩和が実現されることを期待しつつ、今後もお客様サービスの向上に努めてまいります。
   
以上
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クロネコヤマトの郵便事業参入を目的として制定された「信書便法」でしたが、結局は官僚や族議員によって「骨抜き」にされたわけです。これに関して水野清氏が以下のような感想を述べています。


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ポスト設置は断固反対!
郵政公社法案は官の肥大化を招く


民間参入を認めない
公社法案には
断固反対

ポスト設置は断固反対! 郵政公社法案は官の肥大化を招く

 重箱の隅をつつくようなことを言い出して、小泉改革のシンボルでもある郵政三事業の民営化を阻止しようとするのか。昨年末に、総務省から突然「信書便法」が持ち出されてきたときには、そんな驚きでいっぱいでした。
 この「信書便法」がいかに自民党郵政族と郵政官僚の驕りであるかは、その中身を見ればすぐにわかることです。例えば、その第2条4項に「長さ、幅及び厚さがそれぞれ40cm、30cm及び3cm以下であり、かつ、重量が250g以下の信書便物を送達するもの」とある。これなどは、すでに民間業者が行っている宅配便の営業を侵害する恐れがある規定です。しかも違反すると1年以上の懲役、2年間は事業ができないという。あまりにも過酷な処罰が用意されている。
 これは、自民党郵政族・郵政官僚がユニバーサルサービスの定義を完全に履き違えていることの象徴といっていいでしょう。国が保証すべきユニバーサルサービスとは、「国民の誰もが安価で全国どこでも普及している通信手段を持つことができる状態」をいうべきで、彼らの発想はあくまでも権益・省益の固持から始まっています。「ポストを新たに10万本設けなければ民間の参入を認めない」ということがそれで、民間の新規参入業者に、高いハードルを課すことで競争原理を封じ込め、「安くて便利」を求める国民の利益を奪い去ろうとしていることにほかなりません。それでなくても世界一高い郵便料金を取って国民に迷惑をかけていることを、いったい彼らはどう考えているのでしょうか。



虚を衝かれた小泉総理
巻き返しは可能だ
ポスト設置は断固反対! 郵政公社法案は官の肥大化を招く

 総務省の中に、郵政企画管理局や郵政公社統括官というあわせて500人を超える人々がいます。郵政事業を管理監督するのを主業務としていますが、驚くことに、その彼らの給料は一般会計からではなく郵政三事業特別会計から支払われている。つまり、監督する者がその現場から給料をもらっているようなもの。これでは、現場に不都合な民間業者の参入や公平な事業展開は望むべくもありません。民間業者の立場から言うと「新しい商品を考えても、これでは商売敵の郵政公社に事前に筒抜けになる」と、不信感を口にしています。まさしく官の肥大化を招くばかりなのです。
 つい最近、旧総務庁のある元幹部から、電電公社が民営化してNTTとなったとき、民間参入について当時の郵政省がNTTに箸の上げ下ろしまで指図していた、という内部情報をいただいた。曰く、「NTTはガリバーだから、小人のような新規参入業者にはクリームスキミング(効率のいい箇所の選り食い)を認めるべきだ」「NTTはカネも人も濡れ雑巾みたいにジャブジャブだから、もっと搾り取ればいい。分割するぞと脅し上げると効果的だ」。
 それが今度は郵政本体、自分たちのこととなると、一転して逆のことを口にして省益を守ろうとする。
「信書便法」の閣議決定で、小泉改革が後退したとのイメージはあるかもしれません。
しかし、この決定は私からすれば、法案の細かいことなど全部に必ずしも目を通しきれない総理の虚を衝いたものであり、細部にわたっては今後、政令で十分に逆襲し、民間参入の障害を取り除けるものと考えています。小泉総理以外に郵政改革を本気でやろうという政治家は出てきません。小泉改革の根幹である郵政民営化をあらためて強力に推し進めるよう、総理に進言していきたい。(談)
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タイトルRe^4: 小泉構造改革とはなんだったのか
記事No73
投稿日: 2007/08/02(Thu) 22:31
投稿者おちょくり塾過去ログから
Subject:政民営化について(2):追加
From:北の狼
Date:2005/08/29 21:54
No:2635
クロネコヤマトについて、追加しておきます。

現在、クロネコを代表とする宅配業者と郵政公社は競合関係にありますが、競争条件は平等ではありません。
まずは税金。郵政公社は消費税以外の税金を納めていません。クロネコヤマトは、2003年、二十億個の荷物(宅急便、メール便)を扱っていますが、国に二百億円の法人税を払っています。利益は二百億円でしたから、一個あたり十円の利益で荷物を配達していることになります。
また、郵政公社は「公益事業」として様々な特典があります。役人、官僚、族議員による(先述したような不当ともいえる)バックアップはもとより、多くの地域で例外的に路上駐車が認められていたり、営業ナンバーを取得しなくてもよかったり、と。宅配業者は「営利事業」なので路上駐車禁止で、これが結構大きいのだそうです。都心では駐車場を借りざるをえないはめになったり、オフィスが集中する銀座などでは、なんと台車や荷車を使って効率を上げているそうです。
このような特典と郵貯・簡保の豊富な資金力を背景として、最近は郵政公社が物流の分野で攻勢に出ています。その象徴が「ローソンによる郵パックの扱い」で、追いつめられたクロネコヤマトは、2004年9月に「独禁法に基く是正措置」を求めて東京地裁に提訴しています。

郵政民営化によって、このような不平等の是正、すなわちイコール・フッティングが求められる所以です。


ちなみに、郵政民営化反対の論拠として以下のように主張されることがあります。

1)郵便事業は構造的に赤字だから、郵貯や簡保から切り離せない。
2)民営では(全国どこでも均一料金で配達する)ユニバーサル・サービスが維持できない。

これについて、ちょっと検討しましょう。
「ユニバーサル・サービスを維持するためにはコストがかかる。だから、赤字になる」と、この二つは関連しているのですが、しかし、これらには欺瞞が潜んでいます。
確かに過疎地への配達は効率が悪いですから、コストがかさむでしょう。しかし、それだけでは日本が世界一高い郵便料金をとっていることを説明できませんし、また、郵便局はユニバーサル・サービスにかかるコストを明らかにしていません。逆に、ユニバーサル・サービスが、郵便局の高コスト体質の言い訳とされてきたとも言えます。それが証拠に、公社化後、民間出身の生田総裁は2003年に一千億円のコストをカットしていますが、それでサービスが低下したという話は聞きませんから。
また、クロネコヤマトの宅急便は、97年に小笠原諸島までエリアを拡大してユニバーサル・サービスを実現しており、しかも黒字をあげているのです。クロネコメール便は全国均一料金を実現してもいます。しかも、重要なことは、同じくユニバーサル・サービスを実現しながら、郵政公社が扱う郵便は年間二六〇億通ですが、クロネコは宅急便とメール便とで二十億個にしかならないのです。つまり、配達密度は郵政公社のほうが十三倍も高いことになります(簡単にいうと、郵政公社が十三軒に軒並み配達するのに対して、クロネコは十三軒に一軒の割合で配達することになり、郵政公社の”配達効率”は十三倍高いことになります)。さらに郵政公社は年賀状まで扱っているのですから、クロネコが黒字を出しているのに、郵政公社が黒字を出せないとするならば、公社の無駄使いがあまりに多いということになります。
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Subject:郵政民営化について(3−1)
From:北の狼
Date:2005/08/31 00:52
No:2638
1990年代前半において既に郵政民営化の必要性を痛切に感じていたのは、政治(財政赤字)の観点からは小泉純一郎、郵便事業の観点からはクロネコヤマト、そして金融の観点からは銀行・生保業界です。
今回は、銀行・生保との関連をみていきます。

2001年5月、現・日本郵政公社総裁の生田正治氏が率いる経済政策委員会は、以下のように提言しています。

「肥大化し民間金融を圧迫し、市場を構造的に歪め、市場原理の阻害要因となって高コスト構造を温存させている郵貯・簡保や政府系金融機関は廃止すべきである。特に郵貯・簡保については、郵貯の『ノーリスク・ハイリターン』を保証する財政補助(利子補給)や、民間にたとえると年間約三〇〇〇億円の法人税、事業税、住民税等相当額の免除や、特定郵便局が国から受け取る局舎料(東京二三区で月額五〇万円前後)など、民間と比して優遇されている点が多いため、まず、このような実質上の補助金を直ちに撤廃すべきである。そのうえで、巨大な規模(郵貯二五〇兆円、簡保一二〇兆円)ゆえに一挙に廃止できないのであれば、廃止に向けてのタイムテーブルを設けて段階的に縮小して廃止し、またATM機能のようなユニバーサルサービスとして残すべきものについては民営化の方策を検討し、それまでのプロセスを含めて明示すべきである。
郵便事業については、高コスト構造と効率性の低さを是正し、高質のサービスによる利便性向上を図るため、民営化すべきである。」


日本の民間金融らが主導してこのような提言をなすに至った背景には、郵貯・簡保の肥大化、バブルの崩壊と金融不安、そして金融ビッグバンがありました。

郵貯・簡保の規模が小さいうちは、民間とのあいだで棲み分けが行われていたのですが、個人預貯金残高・個人保険資産の30%超、対GDP比で約70%もの規模ともなりますと、マネーフローの歪みや民業圧迫として問題になってくるわけです。しかも、始末が悪い事に、旧郵政省や総務省にこのことに対する問題意識がなかったどころか、予算を消化するため次々と不要な仕事を作り出し、さらには他の省庁や族議員たちもが続々と群がってきて既得権益をがっちりと固めてしまっていたわけです(その象徴が、特殊法人や粗製乱造された無集配特定郵便局です)。まあ、古今東西を問わず、「お金」が集まるところでは、ごく普通に見られる現象ですが、郵貯・簡保の場合そのケタがずばぬけています。
以下は、郵貯・簡保の規模の推移です。


郵貯総残高と簡保総資産高の推移(兆円)

   年    郵貯    簡保
 1965      3      1
 1970      8      3
 1975     25      7
 1980     62      16
 1985     103     29
 1990     136     53
 1995     213     94
 2000     250     123


上の郵貯・簡保の「お金」の増加の意味は、時期を二つに分けて考えると分り易いでしょう。ひとつは90年まで(【前期】)、もうひとつは90年以降です(【後期】)。

【前期】における郵貯・簡保の肥大化の原動力となったのは、(無集配)特定郵便局の”数による効果”です。
戦後間もない1946年、全逓信労働組合(全逓)が結成された時に、「特定郵便局制度は郵便事業のガンであり、時代にそぐわない」として、特定郵便局制度の撤廃が叫ばれていました。世襲や渡切経費、私有局舎がやり玉に挙げられ、それに追い打ちをかけたのが、47年の中央労働委員会の勧告「特定郵便局制度は廃止すること」でした。
そして1957年に「特定郵便局制度調査会」が発足して特定郵便局長は崖っぷちに立たされたのですが、この時39歳で郵政大臣に抜擢された田中角栄が登場して、制度調査会の答申で世襲制を認めるなど、全特(全国特定郵便局長会)の主張をほぼ丸のみして、大ドンデン返しを演じています。さらに、58年、衆院逓信委員会で「窓口機関が現在の1万2000では少ない。郵便局はどうしても2、3万局必要である」などとぶち上げ、以後その言葉どおり無集配特定郵便局が粗製乱造されていくことになります。
このようにして、田中は特定郵便局の救世主かつ郵政族のドンとして崇められることになりましたが、この利権を引き継いだのが金丸信→小渕恵三→野中広務の経世会人脈です。

このように増長した全特の力を見せ付けたのが、ひとつは、103万票を獲得したと言われる80年の参院選で、自民党はこの衆参同日選で353議席を獲得し圧勝しています。
もうひとつは、1978年、大平と福田が争った自民党の総裁戦です。大平を支持した田中は、郵便局の情報網−−−郵便局というのは信書等を通じて地域住民の情報をかなり正確に把握しており、これが郵政利権の隠された側面となっています−−−を利用して、総裁予備選の投票権を有する自民党員の住所氏名を割り出し、地図で特定して、(福田が強いと言われていた)首都圏で田中秘書軍団がローラー作戦を展開して、一人一人大平に投票するよう説得して回ったのでした。結果、首都圏での勝利を信じて疑っていなかった福田はなす術なく完敗したのでした。まさにこの時、福田の側に仕え敗北の様を見届けていたのが、誰あろう小泉純一郎・・・・・・。

田中が特定郵便局(とりわけ”無集配”特定郵便局)を乱造した目的は、その地域的分布をみれば明らかになります。
全国平均では特定郵便局比率は 76 %強ですが、この比率は高い順に東京都( 91 %)、神奈川( 90 %)、大阪( 90 %)、千葉( 88 %)、埼玉( 87 %)、京都( 86 %)となっています。他に愛知( 82 %)滋賀( 82 %)兵庫( 81 %)福岡( 81 %)で、茨城、栃木、群馬はいずれも 81 %から 82 %です。 対して特定郵便局比率が低い順に鹿児島( 57 %)、鳥取( 58 %)、宮崎( 60 %)、長野( 61 %)、富山( 64 %)と続き、秋田、島根、高知がいずれも 65 %、岩手、熊本、長崎が 66 %となっています。つまり大都市で多く田舎(失礼!)で比率が少なく、このことより、田中が特定郵便局を乱造した目的は、ひとつには大都市の選挙で弱いとされていた自民党の<集票マシーン>として、もうひとつには<集金マシーン>としてであったと推察されます。この辺の田中の先見性や実行力は、ある意味で大したものです。

「日本列島改造」(つまり公共事業のばら撒き)のために、郵貯・簡保を通じた<集金マシーン>として特定郵便局が機能したのが90年までの【前期】ですが、その集金力の源泉は乱造された特定郵便局の”数による効果”に求めることができます。この頃までは、銀行の「護送船団方式」が健在で、郵貯・簡保と民間金融業界との軋轢はまだ表面化していませんでした。
90年といえば、バブルが崩壊した時期ですね。

・・・・続く。
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Subject:郵政民営化について(3−2)
From:北の狼
Date:2005/09/01 02:05
No:2642
郵貯・簡保の「お金」の増加の意味を、90年までの【前期】と90年以降の【後期】に分け、前回投稿では【前期】について説明しましたが、今回は【後期】についてです。

【前期】における集金力の源泉は、乱造された特定郵便局の”数による効果”(組織力、情報力、地域ネットワーク力)に求めることができますが、【後期】の集金力の源泉は、直接的には「定額貯金」に代表される目玉商品の”質による効果”です。間接的には金融ビッグバン、そして背景として経済の不振にともなう公共事業増額の圧力などをあげることができるでしょう。

特定郵便局を取り巻く状況は、80年代に転換期を向かえています。
そのきっかけは、86年、「特定郵便局制度の撤廃」を要求するなど全特と戦ってきた全逓信労働組合(全逓)が、方針を180度転換したことです。全逓としても、矛盾を抱えながら肥大化した特定郵便局とはいえ、そこに改革のメスが入れば組合員の雇用にも影響が出ると気づいたわけで、こうなりますと、組合に選挙支援を仰ぐ野党としても特定郵便局制度を大っぴらに批判できなくなったわけです(現在の民主党も似たような状況にありますね)。
そうすると、「対組合」で徒党を組んでいた、全特と旧郵政省との関係に変化が生じてきました。旧郵政省にとって、組合対策としては、全特の存在価値は薄まってきたわけです。
また、80年代に入り、全特の売りのひとつであった、都市部における選挙の集票能力に、陰りが見えはじめてもいました。

そのようななか、1990年代初頭にバブルが崩壊し、民間銀行の金融不安や金利の低下を受けて、国民の民間銀行離れが進行し、「お金」は政府保証付きの郵貯に多く流れるようになりました。その際、主力商品となったのが郵貯の8割をしめる「定額貯金」で、これは半年複利で10年間の固定金利、しかも半年経過後はいつでも解約自由(もちろん利子はきちんとついてくる)という、民間機関ではとても成り立たないような破格な商品でした。バブル崩壊後の金利低下局面にあって、この10年固定の高金利は預金者に大いに評価されて、郵貯の資金量は急増してゆくことになります。実は、私もバブル崩壊直前に、NHKラジオのゲスト解説者の説明を聞いて、「お金」を定額貯金へシフトした一人です。
なかでもバブル崩壊直前の90年9月から91年6月までの定額貯金の金利は、実に6.33%。そのため、90年の預け入れ額は68兆円と過去最高を記録、91年も50兆円、92年も40兆円と続いていきました。半年複利で6.33%といいますと、100万円預けますと10年後には倍近い186万円になります。
また、1987年には300万円だった郵貯の預入限度額が、度重なる引き上げの結果、1991年に現行の1000万円となったことも、郵貯急増のひとつの要因でした。
このように、「経済バブル」のあとに生じたのが「郵貯バブル」であった、と言えます。

簡保も負けてはいませんでした。
90年代には公然と「簡保に入ると旅行がついてくる」などというキャンペーンが行われています。実は、私も間接的に誘われたことがあります(保険は他に大型のものに入っていましたので、よく検討せずに二つ返事で断りましたが)。
90年代前半、簡保が一大攻勢をかけていたときの女性旅行会社社員による以下のような証言があります(『郵貯崩壊』 仁科剛平)。

”われわれ旅行会社社員にとって簡保旅行の仲介はとてもおいしい商売なのです。何せ仲介手数料を3割とっても大丈夫なんていう旅行の手配は簡保ぐらいでしたから。そんな簡保の会の役員のご機嫌を損ねるなんて、論外です。セクハラされても、契約とってこいと当時の上司に尻を叩かれたものです。”

簡保の会の旅行というと、あの悪名高きお抱えの赤字施設「かんぽの宿」に泊まらせるのかと思いきや、実は一泊2万、3万もする高級民間旅館を利用することが大半だったそうです。つまり、「かんぽの宿」は従業員が安価で利用するだけの、一種の既得権益と化しているということですね。
ともあれ、「保険に入ったらもれなく旅行をプレゼント」などというマネは、民間にできるはずがありません。簡保がそれをできたのも、コストなど二の次で、ただ「お金」を集めさえすれば、「財投+利子補填+国家保証」というメカニズムで利益が確保されているからに他なりませんでした。

また、郵貯・簡保が違法に資金集めをしてきたことも有名です。
350万円まで非課税扱いとなる「高齢者マル優」制度を悪用した「偽装マル優口座」問題では、約9万7千口座で150億円あまりの源泉徴収漏れがあったことが2004年4月に発覚しています。
郵貯は、郵便貯金法10条で、1000万円を超えて預けてはいけないことになっていますが、1997年の旧郵政省自身による調査によっても、1000万円を超える違法貯金が96年までの3年間で38万件、額にして1兆5500億円にのぼっています。現在は、「名寄せ」によってかなり減少しているとは思いますが。
簡保でも、2003年3月、本来資格のない住宅資金や年金用などの財形商品に加入させていた事実が発覚しています。その数は、財形商品全契約数のなんと三分の一以上の約4万9000件、契約金額で約560億円にあたります。

このようなことが、郵便組織(とりわけ特定郵便局組織網)を使って、国の支払保証、三事業一体、諸税の免除、民間と異なる規制・監督といった、各種特典ないし民間との差別的取扱いという優位的状況のもと行われてきたわけです。
なお、税金については、郵貯・簡保が払っていない税金は、所得税、法人税、固定資産税、印紙税、登録免許税、法人住民税、事業税、事業所税といった国税と地方税で、唯一払っているのは消費税のみです。さらに、郵貯は民間銀行が払わなければならない預金保険料を払っていませんし、簡保は民間生保が負担している保険契約者保護機構に対する支払い負担がありません。理由は、郵貯・簡保は、国が支払いを保証しているからです(「見えない国民負担」と称される所以です)。
田中直毅氏によると、2004年3月現在で、郵貯・簡保に対する税制面での優遇は、ここ10年で郵貯がのべ5兆3540億円、簡保がのべ2兆4139億円に達しているといいます。


郵貯・簡保、すなわち特定郵便局長を中心とした<集金マシーン>が、なぜこれほどまでして「お金」を集めてきたのかというと、それなりのアメとムチがあったからです。アメのほうは、国家公務員たる特定郵便局長に付与された数々の特典や厚遇そして報償で、ムチのほうは、(郵貯・簡保資金をもとに)公共事業による利益誘導や特殊法人に連なって、利権や政治的地位を確保してきた旧郵政省や旧大蔵省を中心とする官僚そして族議員らによる圧力(ノルマ)です。
しかし、他方で、このような強引な「お金」の獲得は、当然、「民業圧迫」として不況にあえぐ民間金融の怒りを買うことになり、90年代に、その解決策として民間金融業界から郵政民営化が叫ばれるようになってきたのでした。

以上が、90年以降【後期】における郵貯・簡保の肥大、および”質による効果”の意味です。



ちなみに、郵政民営化反対の論拠として「郵政公社は国民のお金を一銭も使っておらず、公務員の給料はすべてその収益のなから捻出しており、さらに税金を補ってあまりある国家納付金も支払っている。よって民営化する必要はない」というものがありますが、簡単に駁しておきましょう。

まず、郵政三事業が黒字化したのは、あくまでここ二年のことに過ぎません。生田氏が公社の総裁に就任して以来の徹底したコスト削減、そして事業を拡大してきた成果です。
しかし、その事業拡大も、クロネコヤマトの項でも述べたように、国家保証や法・官僚のバックアップといった数々の特典付与と、その結果としての「民業圧迫」という状況のもとでなされてきたものであり、決して民間とイコール・フッティング(対等)の条件でなされてきたものではない、ということを念頭に置いておく必要があります。

次に、生田総裁も国会で述べているように、公社のままでは収支は徐々に苦しくなり、数年後には経営がすこぶる難しくなることはほぼ確定的です。
理由は、ドル箱である郵貯・簡保の資金が減少すると予想されているからです(資金が減少すれば、それを元手にした利子収入も減少します)。
実は、郵貯・簡保資金は既に、徐々にではありますが着実に減少してきているのです。2003年の郵貯残高は前年比で2.5%減の227兆円ですが、4年連続の減少を記録しており、これは開設以来はじめての事態です。生田総裁は、2002年には合計357兆円だった郵貯と簡保の資金量は、11年後の2013年には三分の二、すなわち240兆円に減少するとの見通しを述べています(昨今の状況からすれば、これでもまだ甘い見積もりだと思いますが)。その主な原因は、(上述した)90年代前半に高金利で集めた定額貯金がいま逃げ出しているせいで、この傾向は今後も加速こそすれ収まる兆しはありません。また、簡保の主力商品である「養老保険」や「学資保険」もまったく売れなくなっています(理由は簡単で、満期の受け取り額が払い込み額より低くなっているからです)。これらが経営悪化の主たる要因です。

つまり、「郵政公社は国民のお金を一銭も使っていない」というのは、確かに今はそのとおりですが、それでも政府保証などの特典や「民業圧迫」という土台の上で成り立っていることに変りはありませんし、また、将来的には、公社のままだと税金を投入しないと、とてもではありませんが経営が成り立たないのです。
その原因は何といっても、無駄の多い(無集配)特定郵便局にあることは明らかです。

<集金マシーン>としても、<集票マシーン>としても、いまやその機能を終焉させなければならない特定郵便局と、未だその「お金」や利権に群がり続ける官僚や族議員たちの問題。特定郵便局長が国家公務員である限り、(官僚や族議員はもとより)公社自身が自浄作用を発揮することも、外部からこれらの問題に大鉈をふるうことも、極めて困難と言わざるをえません。
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タイトルRe^5: 小泉構造改革とはなんだったのか
記事No74
投稿日: 2007/08/02(Thu) 22:33
投稿者おちょくり塾過去ログから
Subject:黒字・赤字という詭弁
From:北の狼
Date:2005/09/02 01:01
No:2648
郵政民営化反対の論拠として、しきりに以下のように主張されています。

”竹中大臣も国会答弁で述べているように、政府の「骨格経営試算」によると、郵便貯金事業が完全に民営化される2016年度には600億円の赤字に転落するが、一方、公社のままなら、2016年度に1383億円の黒字になる。だから、郵政公社を民営化することは誤りである。”

これは、文脈や数字の内実・意味をすりかえた、詭弁の一種ですね。

民営化した郵便貯金銀行とは違って、公社の場合は預金保険料を払わなくてもよく、郵便局会社への手数料への消費税も払わなくてすみます。したがって、郵政公社の郵便貯金事業は、民営化された郵便貯金銀行よりもコストが1983億円少ないので、1383億円の黒字になるのです。
上の反対論を読むと、いかにも「民営化しないほうが経営状態がいいのだから黒字になる」と政府が認めているように読めますが、実は経営の実態にはまったく差がないと前提したうえで、民間会社に当然必要とされる保険料や税金を払うか(民営化)、免除されるかで(公社)、将来的にペーパー上の収支にどういう違いが生じるか【試算】として述べたにすぎないものです。その目的は、莫大な「見えない国民負担」を算出することにあります。
まあ、極端なことをいえば、仮定の、または架空の数字ですね。それを、いかにも実態として政府がお墨付きを与えたのだ、と「誤読」して上のように主張しているわけです。

実際には以下のようなやりとりが交わされていますが、そこから恣意的に一部分を抜き出しただけのシロモノです(2005年6月6日 郵政民営化特別委員会)。


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○佐々木(憲)委員 
 そもそも民営化しなくてもできるということで公社はスタートしたはずであります。
 6月3日の当委員会の質疑の中で、小泉総理はこう述べています。郵政公社はこのままでいくと立ち行かなくなる、早い時期に民営化すべきだ、民営化しても利益を出せるような会社として国民の要望にこたえるような形にぜひともしていきたい。
 竹中大臣にお聞きしますが、ということは、郵政事業は、公社を続けるよりも民営化した方が利益が出るということでしょうか。

○竹中郵政民営化担当大臣 
 私どもが考えておりますのは、公社であるがゆえの、つまり国の機関であるがゆえの幾つかの制約がある。その制約を外して経営の自由度を拡大していただいて、もちろんそのときに民間とのイコールフッティングは大事でありますけれども、その自由度を持っていただくことによって、いろいろなビジネスの可能性が広がる。そうしたことをしていただくことによって、今総裁、先細りというお言葉も使われましたけれども、そういうものを克服してしっかりとした持続可能な経営基盤をつくっていっていただける、そのように考えているわけでございます。

○佐々木(憲)委員 
 私が聞いたのは、民営化した方が利益が出るのかと聞いたわけですけれども。
 具体的に聞きましょう。竹中大臣は、5月31日の当委員会の答弁でこう言っているんですね。「長短のスプレッドが今1.3%ぐらいで今の収益を生んでいるというふうに承知をしております。過去の平均が1%ぐらいでございました。この1.3%の長短スプレッドが仮に1%になったと仮定しますと、実はそれだけでほとんど公社の収支がとんとん、今は利益を出しておりますけれども、とんとんになってしまう。そういうやはり厳しい金融環境の中にあるというふうに認識しなければいけないと思います。」竹中大臣は、公社の郵貯事業の収益は、長短スプレッド1%という厳しい金融環境になれば収支がとんとんになると言ったわけですね。
 そこで、改めて聞きたいんですが、民営化された郵貯銀行の場合には、この公社よりも利益が確実に出ると言えるんでしょうか。

○竹中郵政民営化担当大臣 
 先ほど申し上げたことと重なるかもしれませんが、例えば、スプレッドが今縮小した場合という例を御紹介くださいましたが、そうした場合には、資産の運用の範囲を広げることができる。これは、公社の場合は安全資産に限定されるわけですけれども、信用リスクを、ビジネスに進出してしっかりとしたスプレッドを稼ぐという可能性が広がるわけでございますから、これはもちろん経営をしっかりしていただくということが大前提でありますけれども、そういった問題に対処して、新たな利益機会をつくっていくことができる。同様に、今、金融の例ですけれども、金融以外についても幾つかの可能性がある。そういう可能性について、私たちは、骨格経営試算を補強する収益の試算として御提示をしているところであります。

○佐々木(憲)委員 
 新規事業でもうけが出る可能性があると。しかし、新規事業でもうけが出ない可能性もあるわけです。
 新規事業というのは、これからゼロから出発していろいろなことをやっていかなければならぬ。しかし、それはやってみなければわからない世界の話ですから。今おっしゃった、竹中大臣、骨格経営試算、これでまず比較すべきだと思います。
 民営化された郵貯銀行、それと公社の収益を比較してみたいと思うんですが、まず確かめたいのは、長短スプレッドが1%の場合、骨格経営試算における郵便貯金銀行の2016年の利益試算、これはどうなっていますか。

○竹中郵政民営化担当大臣 
 骨格経営試算ですから、新規のことをやらない、そういう場合でよろしいわけですね。(佐々木(憲)委員「はい」と呼ぶ)
 これにつきましては、税引き前の当期利益が、2016年度でございますけれども、2015年度のプラス200億円から2016年度にマイナス600億円になるということでございます。

○佐々木(憲)委員 
 赤字になるんじゃありませんか。しかも、巨額の赤字ですね。金融サービスを郵便局で保証するためにつくられた地域貢献基金からの投入額は120億円、その5倍の赤字が出る。
 では、郵政公社が続いた場合についてお聞きをしたい。2016年度の収益は、スプレッド1%の場合、公社が続いた場合はどうなりますか。

○竹中郵政民営化担当大臣 
 公社が続いた場合は、民営化される場合に比べまして、これは、租税を払わない、そして預金保険料を払わないということになりますから、その租税が上乗せされ、そして預金保険料が上乗せされた形になりますので、単純にそれを計算いたしますと、1383億円という数字が出てまいります。
 ただし、この1383億円は、民営化の場合だったら払っていた租税848億円、預金保険料1135億円を払わない場合ということでありますので、その分の利益が上乗せされて出ているということになるわけでございます。

○佐々木(憲)委員 
 つまり、民営化された場合には600億円の赤字になる、民営化されずに公社のまま続いた場合には1383億円の黒字になる。それは、民営化したら、預金保険料を払うあるいは消費税を払う、余分な負担がかかるわけですよ。だから赤字になるんですよ。だから、結局、公社の場合、この利益の半分が国庫納付金になったとしても、公社の方が利益が多いんです。どう試算しても公社の方が利益が多くて、経営が安定するんじゃありませんか。民営化した場合には赤字になる、公社の場合は黒字になる、これが骨格経営試算の結果じゃありませんか。
 どうなんですか、これは。今まで言っていることと全然逆の結果が出るんじゃありませんか。

○竹中郵政民営化担当大臣 
 それは、税金を払わなければその分恵まれた状況になりますから、それは、とりもなおさず、公社の形態では民間企業の場合に比べてイコールフッティングが確保されていないということをそのまま佐々木委員はおっしゃっておられるわけです。そういう計算をしますと、これは、むしろその分民間に比べてそれだけ公社は恵まれているということを意味してしまうのだと思います。
 現実に何が起こり得るかといいますと、民営化することによりまして、さらに新しい、新規のビジネスが可能になるわけでありますから、その可能性については、私たちはかなりしっかりと幾つかの可能性を示しております。そういうものが、つまり、公社から民営化されて、それで何もしなければこうなるということとは、これはやはり意味が違うわけでございます。
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竹中大臣も述べているように、本当は以下のような文脈で読まなければいけないものです。

「試算によると、2016年、公社形態で1383億円の黒字が出ると算出されたが、これは税制の優遇や国家保証などの特典によるものである。民業圧迫にならないようイコール・フッティングを確保したうえで、民間と同じ条件でも黒字になるように新規ビジネスを展開するなどの努力を民営化に向けてしなければならない。」

赤字と黒字の差とした算出された1983億円は、公社のままだと将来予想される「見えない国家負担」を表しているのであり、このような国家負担を民営化によって解消してゆき、もって国家財政に寄与させるべきだ、というのが本来の趣旨です。赤字か、黒字か、には大した意味はありません。
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Subject:骨格経営試算
From:ore3
Date:2005/09/02 16:44
No:2650
初めて書き込みます。北の狼ファンクラブのサイトから辿ってきました。
北の狼さんの「赤字か、黒字か、ということ自体には大した意味はありません。」に同意します。

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平成16年11月10日「郵政民営化に関する有識者会議」

[竹中大臣]
このシミュレーションの趣旨として、さっき担当の高橋参事官が説明したのは、非常に極端な資本政策によって、バランスシートは非常に大きな影響を受けるわけですね。例えばですけれども、窓口ネットワーク会社の収支が厳しいかもしれない。そうであるならば、例えば経営戦略としては、公社の持っているすべての不動産をそこに持たせて、そこでレントで稼ぐようなシステムを入れてやろうというようなことをもし無理やりすれば、収支に影響を与えることはできるわけです。でも、そういう恣意的なことをやらないで、自然体で切り分けて、それでやりますと。実際問題として、資本政策としてどういうことであるかというのは、最終的な経営の判断の問題では非常に問題になってきますから、そういうことはやるわけですね。
 今やっているのは、まさにそういう意味では骨格をつくって、だからシミュレーションと書かないで、骨格試算と書いているわけですけれども、それをつくって、それぞれの事業が大きな枠組みとして、サステインされるということを確認した上で、それで次の段階としては政策シミュレーションをやらなければいけません。どのような政策をとるかによって、どういう結果が出てくるか。さらには、その次の段階としては経営シミュレーションが出てきます。翁委員も言われたように、例えばこれはどの程度の新規事業ができるかどうかというのは、これは我々で判断できませんが、次の経営者が判断して、ここで新規の事業をこれだけできるとしたらどのようになるかと、そういうベースになるものを骨格試算として示そうということですので、高橋参事官が言ったのは、そういう意味でバランスシートというものに対して、特定の判断を与えないようにしようと、バランスシートが特別な形でフローの収益に影響を与えないような試算をしようと、そういう趣旨ですので、バランスシートはフロー、P/Lをつくってバランスシートをつくって、そこからP/Lをつくっていくということで出てくるわけですけれども、それを出すのが妙な予見を与えてしまわないかどうか、その点はちょっと確認して、出し方としてはいろいろあるんだと思いますので、そういう意味ではちゃんとした計算をやっているはずですので、ちょっと出し方は検討してもらえればいいんだと思います。
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と、言っている通り、あれはシミュレーションではなく、あくまで「骨格」であり、今後行われるであろう政策シミュレーション、経営シミュレーションの標準シナリオという位置付けですね。

大体、経営シミュレーションではなく「新規事業が全く考慮されていない一方で、民間企業として租税・預金保険料などのコストをフルに負担するような前提」の単なる骨格を作って10年後も黒字になるような試算結果の出せる企業なんて、そうそうあるものでもないと思いますが...

あの骨格経営試算を根拠に赤字だ赤字だと騒ぐ佐々木議員が実に滑稽に見えます。
答弁する竹中大臣もさぞ大変だったことでしょう。

全く個人的な意見ですが、「民営化反対の材料として骨格試算を持ち出す」という事に対して非常に違和感を覚えます。
あれは「さあ骨格ができました。それでは今後、どのような政策、経営戦略を練りましょうか」という、叩き台となる試算であり、民営化賛成者のための資料となるべきだと思っています。

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佐々木議員は、「新規事業といっても人材もノウハウもないところから始まる事業で簡単に利益を見込めるものではない」「赤字になれば法人税も国に入らない」と指摘。公社のままなら利益の半分を国庫納付金として納めた後でも692億円の利益が残ることをあげて、竹中担当相の弁明をつきくずしました。
http://www.sasaki-kensho.jp/else/article/else_050606.html
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などとご自分のホームページで勝利宣言までして、いやはや...
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Subject:郵政民営化について(終):田中角栄というモンスター
From:北の狼
Date:2005/09/09 01:55
No:2679
台風に選挙と、今週は大変ですね。
次にいつ投稿できるか分りませんので、小泉構造改革・郵政民営化について一区切りの投稿をしておきたいと思います。


過去に何度も述べましたが、小泉構造改革というのは、つまるところ「田中角栄的なもの」の払拭を意味します。
「田中角栄」を原理としたからといって、いまの日本の情況全てが説明できるわけではありませんが、しかし、「田中角栄」を無視してしまっては、今の日本の情況のコアーを理解することはできないでしょう。田中で全てを説明しようとすれば過大評価ですが、どの面においても田中を無視したら過小評価になります。そして、日本のあちこちで、かつて、そして今もミニ角栄が跋扈しているというのが、日本の政治状況です。
今から述べることは、そういった感じで読んでください(参考:『田中真紀子研究』立花隆)。


【政治家】

たとえば、羽田孜、小沢一郎、渡辺恒三、綿貫民輔、梶山静六、奥田敬和、石井一といった政治家は、田中角栄が幹事長として采配を振った最初の選挙で当選してきたので、「昭和四十四年当選組」と称されている者たちです。四十四年に三回目の当選を果たした橋本龍太郎、小渕恵三もずっと田中派所属で、竹下登、金丸信、後藤田正晴、二階堂進、野中弘務、・・・・数え上げたらキリがありませんね。
あの細川護熙にしても田中派時代が長く、武村正義も国会議員に転職する時に田中の世話になっています。他の派閥に属していた議員にしても、隠れ田中派は腐るほどいました。公明党と田中の蜜月ぶりに関しても、多言は無用でしょう。


【官僚】

官僚に目を向けますと、田中角栄の官僚操縦術はずばぬけていました。
田中以前は、新憲法が発布されたとはいえ、「官僚は天皇に対してのみ服従義務を負い、天皇に対してのみ責任を取る」という明治以来の気質が色濃く残っていました。かように日本は歴史的に官僚の力が強いので、大衆の間には反官僚意識が強く、国会の場などで官僚がやりこめられたりすると、拍手喝さいとなったりするわけですが。もっとも、官僚が政治セクターに対して拮抗する力をもっていないと、三権分立が上手く機能しませんから、官僚は国家公務員法によって身分が保障されており、政治家が恣意的に官僚の身分を動かすことはできないようになってもいます。
そういった官僚たちを田中は上手く利用したのですが、その方法は官僚に思う存分仕事をさせて、何かあったら田中が責任を取るというものです。「学者は駄目だ。世間知らずだ。連中の話など聞いても机上の空論だ。一文の得にもならない。彼らの意見を聞きたいならお前が聞け。俺は、それより官僚だ」との信念を持っていた田中は、庶民宰相と持てはやされながらも、ある意味で官僚主義の権化のような存在だったと言えましょう。

”田中は、役人の正、負の特徴を仔細に知り、以後、手足のように彼らを動かした。役人の苦手なアイデアを提供、政策の方向を示し、失敗しても、責任を負わせることはしなかった。心から協力してくれた役人は、定年後の骨まで拾った。入省年次を寸分違わず記憶し、彼らの顔を立て、人事を取り仕切った。
角栄についていれば損はない。思えば思われる。角栄の経験、才幹と腕力、それに役人の知識、ノウハウがドッキングして、相乗効果を発揮した。”
(『駕籠に乗る人・担ぐ人』 早坂茂三)

「定年後の骨まで拾った」というのは、要するに、定年後・退職後の天下りのポストを確保してやったり、選挙に立候補させてやったりしたということです。そして、天下りのポストを確保するためもあって、特殊法人は田中によって量産されたのでした。また、盆暮れには幹部職員に「別封」と呼ばれた現金を送ったりしていたのですが、百万単位の半端な額ではなかったそうです。こうして官僚のモラルまでもが低下していったわけです。


【郵便局】

田中が、<集票マシーン>兼<集金マシーン>として、(無集配)特定郵便局を粗製乱造したことは、以前に述べましたので割愛します。


【外交、貿易】

田中は外交問題における独特の解決法を考案しており、その嚆矢は1971年の日米繊維交渉でした。
当時、通産大臣だった田中は、日米の繊維摩擦を外交問題として解決するのではなく、日本国内の問題として捉え、これをお金で解決するというウルトラCを考案しています。その方法は、外交ではアメリカに譲歩して日本からの繊維輸出を規制し、それで被害を受ける日本の業者に対しては被害額を算出して補償する救済措置を打ち出すというものです、この際、補償額をケチらないどころか、場合によっては数倍もの補償を与えるというのがミソです。つまり、札束で頬を引っぱたいて言うことを聞かせ、日本の中小繊維企業を次々と廃業させていったわけです(実は、私の実家も、このようにして小さな機織場を閉鎖しています)。

以後、この「田中方式」は貿易摩擦を解決する際のお手本となっていきます。竹下内閣による牛肉・オレンジ問題、焼酎・ウイスキー問題、ウルグアイ・ラウンド対策(コメ問題)、牛肉のBSE対策、と。
コメといえば米価算定の際の生産費補償方式ですが、この方式は、かかった生産費を100%補償するというもので、これが日本のコメの生産性の向上ならびに国際競争力を削いできたとされています。そして、この方式をフル活用して、農業セクターへの気前のよいバラまき農政をはじめたのが、池田内閣時代の田中角栄大蔵大臣です。
そして、この「田中方式」は多額のお金が動きますから、当然のごとく汚職などの温床になっていき、他方で国家財政を圧迫することにもなりました(ウルグアイ・ラウンド対策費だけでも6兆円になっています)。


【道路】

田中角栄の最大の利権は道路でした。ただし、運輸のほうは中曽根で、田中は土建のほうですね。ロッキード事件は、田中が不慣れな運輸利権に手を出してしまったために、脇の甘さをつかれたものとも解釈できます。また、同事件で中曽根の名前が取りざたされたのも、当然といえば当然ともいえます。

田中は昭和28年に「道路整備の財源等に関する臨時措置法」(ガソリン税を道路整備の財源にする内容)という法律を議員立法でつくっていますが、これにより道路予算が一挙に増え、田中は道路族の元祖となりました。ちなみに、田中は議員立法によって三十三もの法案を成立させていますが、この記録は圧倒的です。
この法の効果もあって、2002年の道路特定財源は五兆五五〇〇億円と、防衛費の二倍を越えています。こうなりますと、旧建設省の道路局は田中にまったく頭が上がらないことになるわけです。

“田中さんと官僚の関係ですか。やっぱり僕らは道路財源を確保するガソリン税法などを通じて、田中先生に大変な恩義を感じていますから。頼まれたことはできるだけ協力するのにやぶさかではなかったですね。私に限らず建設省としてそうです。”
(高橋国一郎 元建設事務次官)

このような関係を雛形として、建設省=族議員=土建業者というトライアングル(政官業)が形成されていくことになります。族議員は官に予算を引っ張ってやり、特殊法人をつくり、それが官の利権の源泉となります、そして、官は政治家の口利きで地元の業者に数々の公共事業・公共投資を回してやります。その見返りに業者は政治献金をしたり、選挙を応援したりします。さらに、官僚が政界に進出する時はバックアップします。
こういう政官業のトライアングルの癒着構造を、システマチックかつ大規模に完成させたのが田中です。


【参議院】

官僚と選挙といえば参議院ですね。かつては知性と良識の府と称された参議院ですが、田中角栄の出現以来、巨大労働組合、巨大宗教、巨大職業団体(医師、薬剤師、歯科医師、など)、巨大利益擁護団体(軍恩連、遺族会など)などが跋扈するようになり、なかでも国内最大の官僚組織がグループとしては最大の規模を誇っています。参院の全国区は、ある程度の規模の全国組織が組織的に選挙をおこなえば、必ず議席をとれます。
こういう流れのなかで田中は参議院で圧倒的な強さを誇り、自民党内で政争があるたびに、参院自民党の主流を握る旧田中派=旧経世会が威力を発揮してきました。現在、参議院の実力ナンバーワンは青木幹雄氏ですが、もちろん青木氏の出自は旧田中派=旧経世会です。もっとも、最近は青木氏の威光も衰えてきたようですが、それもやはり小泉が首相の座にいるからこそです。

特定郵便局も組織的選挙をやっているのですが、2002年の参院選全国区で、全特(全国特定郵便局長会)は旧郵政省OBの高祖憲治氏を当選させています。しかし、特定局長は国家公務員であり、国家公務員法第102条や人事院規則によって、選挙において特定の候補者や政党を支持し、政治的行為をすることは本来禁じられているのです。そこで、全特は任意団体であり特定局長が「私人」として参加しているとし、選挙活動を行っていました。しかし、この時の参院選では、近畿郵政局長らの逮捕にまで発展した大規模な選挙違反事件として摘発され、結局高祖氏は辞職しています。小泉内閣でなかったら、この選挙違反はどうなっていたか分かりませんね。


【土地神話】

田中の影響は、銀行の不良債権問題においても認められます。
銀行の不良債権問題の本質は土地にありました。銀行はバブル時代にじゃぶじゃぶとお金を貸したのですが、その担保のほとんどが土地でした。しかも、担保価値はバブル時代にバカみたいに跳ね上った地価をもとに算出されていたわけです。やがて、バブルの崩壊とともに地価は下落し、この値下がりのためにほとんどの担保(土地)を処分できないか、できても貸金を回収できないという事態に陥ってしまいました。これが、銀行の不良債権の実態でした。
なぜこういうことになったのかというと、戦後一貫して土地が値上がりを続け「土地神話」がつくられ、その「神話」のうえに日本経済の基礎が形成されてきたことが根本的な原因でした。この「土地神話」形成に決定的な影響を与えたのが、やはり田中角栄です。

土地と田中角栄というと「日本列島改造」(公共投資の大判振る舞い)ですが、実は「土地神話」の形成はそれ以前からはじまっています。
田中は昭和25年に「国土総合開発法」をつくり、昭和37年、自民党政調会長だった田中は「全国総合開発計画」(一全総)をつくります。そして、一全総の目標年次(昭和45年)が近づきますと、今度は「新全国総合開発」(新全総、または二全総)をつくり、この流れで「日本列島改造」が生まれてくるわけです。そして、三全総、四全総と続き、さあ開発だということで土地の投機に火がつき、その後バブルに突入していくわけです。この間、地価は多少の例外を除いてずっと右肩上がりで推移しています。
この全総も、やれ工業用地だ、やれテクノポリスだと煽っておいて、インフラ整備だけは行いましたが、結局、いくら誘致しても企業も研究機関も来てくれず、整備されたインフラも利用されずに終わり、全国各地にその残骸をさらしています。


【公共事業】

バブル後の不景気から脱却するために、田中同様、歴代内閣も公共事業を大判振る舞いしましたが(橋本内閣は一時抑えようとしました)、その狙いは、全総の発想に基いて地価を上げることに最大の眼目があったと言ってもよいのです。地価が上昇すれば自然と銀行の不良債権が減少し、景気も回復するという次第です。
しかし、数百兆円のばら撒きを行ったにもかかわらず、効果は限定的でした。つまり、日本経済の基礎構造は、バブルの崩壊とともに「土地神話」から脱却してしまっていたのです。そんなところに、全総型の発想(公共投資の大判振る舞い)を持ち込んでも効果がないことは自明だったのですが、しかし、政治とりわけ政官業(財)の癒着構造にどっぷりつかっていた利権家たちはそのことに気づかず、馬鹿な経済学者の煽りもあって(その典型がリチャード・クーや「新党日本」の副代表に現在おさまっている紺谷典子です)、経済が回復しないのは財政出動がまだまだ足りないからだという理屈で公共投資をどんどん増やしていったわけです。結局、後に残ったのは膨大な財政赤字のみで、それの尻拭いを今、小泉政権がやっているところです。

“この時期、土地のほかに、政治家とカネを結びつけることになった媒体に公共事業がある。一全総、二全総ともに全国に公共事業をばらまいたが、一全総がいわば「点」的に公共事業を展開したのに対し、二全総は「線」的、「面」的な公共事業を繰り広げた。新幹線、高速道路が「線」、国際空港、同港湾、大規模工業基地などが「面」にあたる。それら公共事業がかつてない規模でおこなわれたのである。
公共事業でもっとも注目されるのは「箇所づけ」である。いつ、どこで、どれくらいの規模の、どのような事業がおこなわれるかということである。企業(土木建設業)と地元は、自らを豊かにする「箇所づけ」を知るのに血眼になるが、その情報は中央省庁が一手に握っている。それは建設省、運輸省、あるいは農水省といった公共事業官庁ということになるが、これら省庁が情報を独占しているということは、その省庁を支配している政治家のところに情報が集中することを意味する。この時期でいえば、田中の情報量がもっとも大きい。田中と企業、地元とのつながりが、公共事業を軸に年々より強固なものになると同時に、田中のところには情報の見返りとしてのカネが入ることになる。もちろん、その過程で多くのミニ田中がうごめいていたのはいうまでもない。
(中略)
このようにマクロの政治体制においても、ミクロの政治体制においても、官の情報にもとづき、権力を有する政が、事業がほしい財界にその口利きをして政治資金を得る手法が一般化し、政・官・財の構造的三角関係がより強固に構築されていった。二全総以降のロッキード、共和、リクルート、談合、佐川急便事件、ヤミ献金事件等は、おおかた田中がまいたタネから派生したものといってよい。それらはすべて土地と公共事業とその許認可に関連したものであった。田中は一全総〜列島改造論に至る過程でその手法をフルに活用して、結局はロッキード事件で自縄自縛に陥ったが、その手法だけは今日に至るまでなお生きているといっていいだろう。“
(『国土計画を考える』 本間義人)



繰り返しになりますが・・・・「田中角栄」を原理としたからといって、いまの日本の情況全てが説明できるわけではありませんが、しかし、「田中角栄」を無視してしまっては、今の日本の情況のコアーを理解することはできないでしょう。田中で全てを説明しようとすれば過大評価ですが、どの面においても田中を無視したら過小評価になります。

小泉構造改革とは、「田中角栄的なもの」によってしゃぶりつくされ滅茶苦茶にされた、日本の政治、経済、社会の再生に他ならないのです。
郵政民営化について論じていると、上にあげた「田中的なもの」の殆ど全てが不可避的に顔を覗かせることになります。つまり、郵政民営化というのは、かようにいろいろな問題と関連しているわけです。
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タイトルRe^6: 小泉構造改革とはなんだったのか
記事No75
投稿日: 2007/08/02(Thu) 22:33
投稿者おちょくり塾過去ログから
Subject:郵政民営化反対論(終)
From:北の狼
Date:2005/09/10 13:11
No:2682
郵政民営化に反対する論拠がいろいろと流布されていますが、どれもとるに足らないものでしたね。以下に某国会議員(民営化反対派)のHPから引用して、簡単に駁しておきます(殆ど、当サイトの過去の投稿の繰り返しになりますが)。


1.郵便局の維持が難しくなる。

郵便局の維持が難しくなるのは、”金食い虫”(粗製乱造された特定郵便局)のためです。特定郵便局職員は国家公務員ですから簡単にリストラできません。民営化して、もっと有効な仕事をさせるか、リストラするしかありません。それができなければ潰れますが、そうなったら後はクロネコヤマトなどの民間宅配業者にまかせればいい。


2.全国一律の貯金業務(ユニバーサル・サービス)ができなくなります。

クロネコヤマトは、民間業者としてそれを達成しています。


3.定額貯金や簡易保険は廃止されます。

定額貯金は既に魅力を失っていますし、そもそもその魅力は、民間業者では不可能な好条件、つまり「民業圧迫」で基いたものであったのです。簡保は、職業条件が緩いなど加入しやすいすが、その効果は局所的です。


4.民営化により、かえって国民負担が大きくなるおそれがあります。

郵貯・簡保が減少してきている昨今の状況では、公社形態のままでは経営が苦しくなり、将来税金を投入さざるをえないことことになる、と生田総裁も述べているところです。


5.郵貯・簡保の資金が特殊法人等の無駄遣いをもたらしているという指摘は本末転倒の議論です。(すでに、平成13年に財政投融資制度の改革が行われ、郵貯・簡保の資金はマーケットを通じて流れる仕組みになっています。 )

こう主張する反対派がいるかと思うと、他方で、特殊法人・財投の改革こそが重要であり、それを放置して民営化しても意味はない、などと主張していますね。
まずは、郵政民営化の大きな目的のひとつは行財政改革ですが、それが全てではない、ということをあげておきましょう。

また「財務省の責任逃れ」だとか(不思議なことに、こう主張するものは族議員や特定局長を批判することはあまりありません)、「民営化関連法案には特殊法人・財投改革についてまったく言及がないではないか」などとトンチンカンなことを述べるものもいます。
特殊法人・財投改革については、小泉内閣は、特殊法人を削減し財政投融資の計画額は17.2兆円とピークの4割に削減していますし、公共事業は20%、ODAは25%削減ししています。確かにまだまだ不十分でしょうが、手をこまねいてみているわけではわりません(http://www.gyoukaku.go.jp/index.html)。
また、「民営化法案に特殊法人・財投改革についてまったく言及がないではない」という主張にいたっては、法律に対してあまりに無知であると言わざるをえません。特殊法人の設置や財投は、いずれも個々の法律に基いて行われているのです。従って、改革はそれらの法律の改正や廃止によって行われるのです。
  

6.郵政公社の職員は、独立採算性の下に給与を得ており、税金を1円も投入していません。

郵政三事業が黒字化したのは、あくまでここ二年のことに過ぎません。生田氏が公社の総裁に就任して以来の徹底したコスト削減、そして事業を拡大してきた成果です。
しかし、その黒字も昔ながらの、各種税金の免除、国家保証や法・官僚のバックアップといった数々の特典付与と、その結果としての「民業圧迫」という状況のもとで達成されているものであり、
決して民間とイコール・フッティング(対等)の条件でなされてきたものではない、ということを念頭に置いておく必要があります。

また、生田総裁も国会で述べているように、それでも公社のままでは収支は徐々に苦しくなり、数年後には経営がすこぶる難しくなることはほぼ確定的です。
理由は、ドル箱である郵貯・簡保の資金が減少すると予想されているからです(資金が減少すれば、それを元手にした利子収入も減少します)。
実は、郵貯・簡保資金は既に、徐々にではありますが着実に減少してきているのです。2003年の郵貯残高は前年比で2.5%減の227兆円ですが、4年連続の減少を記録しており、これは開設以来はじめての事態です。
生田総裁は、2002年には合計357兆円だった郵貯と簡保の資金量は、11年後の2013年には三分の二、すなわち240兆円に減少するとの見通しを述べています(昨今の状況からすれば、これでもまだ甘い見積もりだと思いますが)。

「郵政公社は国民のお金を一銭も使っていない」というのは、確かに今はそのとおりですが、それでも各種税金免除・政府保証などの特典や「民業圧迫」という土台の上で成り立っていることに変りはありませんし、
また、将来的には、公社のままだと税金を投入しないと、とてもではありませんが経営が成り立たないのです。
その原因は何といっても、無駄の多い(無集配)特定郵便局にあることは明らかです。


あと、他サイトで反対派から言及されたのですが、以下についても簡単に。


7.「官から民へ」お金は流れない。

「官から民へ」お金は流れます。
民営化後は、現在の郵貯・簡保の資金(340兆円)は「旧勘定」として分離され、新設の独立行政法人たる「承継法人」が受け継ぎ、政府保証とのトレードオフで、安全確実に(つまり国債で)運用されることになっています。「旧勘定」は契約の更新・継続ができませんから、満期をむかえたものから国民(貯金者、契約者)に徐々に返却されていくことになります。
このように、今まで「官」の中でプールされていた巨大な資金(340兆円)が、約10年かけて国民に返却されますが、その後のお金の使い道は国民自身が自由に決めることになります。
再び郵貯に貯金しようが、他の投資に回そうが、タンス預金にしようが、消費しようが、使い道はいっさい国民の自由な判断に任されることになります。
これが「官から民へ」お金が流れる、ということです。


8.郵貯・簡保の340兆円が外資やアメリカに乗っ取られる。

「7」で述べた、現在の郵貯・簡保の資金(340兆円)が「旧勘定」として分離され運用される、ということにはもう一つ重要な意味があります。
それは、外資が郵貯会社を買収しよう何をしようがが、さらに政府でさえ、このお金(「旧勘定」)には手がつけられないということです。
「旧勘定」の扱いは「承継法人」(独立行政法人)が担当し、(民営化された)郵貯会社に運用が委託されることになっていますが、政府保証のもと安全確実に運用される(=国債で運用されることは確実)と規定されていますから、その国債を売り払って他の投資に回すなどということはできないのです。

郵貯会社が自由に運用できるのは、民営化以後に獲得した資金(「新勘定」)のみで・・・・「新勘定」がどれくらい獲得できるかはまったく不明で、企業努力による・・・・、最悪、郵貯会社が外資に買収されたとしても、外資が影響を及ぼすことができるのは、この「新勘定」のみです。もっとも、政府も三分の一の株を保有していますから、それでも外資がまったく自由にできるということにはならないと思いますが。
ちなみに、政府が過半数の株を保有しろとか、外資規制を20%以下に抑えるよう規制しろなどといった主張をなす者は、民営化というものの意味を理解していない。現在、多くの有名バンクは20%以上外資によって株が保有されていますし、また、外資に買収されるのがどうしても嫌なら、郵貯・簡保会社自身が、株主総会で防衛策を決議すればいいのです。それが民営化するということです。

この「新勘定」は、郵貯・簡保会社が自由に運用できますから、例えば投資等に回すこともできます。もちろん、その場合は、リスクが顧客に説明されたうえで、安全な貯金とは区別されて販売されることになることは言を待ちませんが。そのような商品を発売するために、以下のように既に投資顧問会社が選定されています。

http://www.japanpost.jp/pressrelease/japanese/kani/040331j401.html

これらの会社をあげつらって、小泉は340兆円(=旧勘定)を外資やアメリカの食いものにさせようとしている、小泉内閣は売国政権だ、などと言う者もありますが、これらの会社に運用が委託されるのは「新勘定」(現在、民営化に向けて既に試験的に「指定単」としてはじまっていますが)であるということを全く無視しています。
現在、巷に流布しているこれら「340兆円が外資やアメリカの食いものになる」などといった外資脅威論は、「旧勘定」(国債で限定的に運用)と「新勘定」(郵貯会社が自主運用)を混同したものです。
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Subject:朝日新聞
From:ナポレオン・ソロ
Date:2005/09/25 11:04
No:2744
 朝日新聞が戦後に行った反国家的報道や戦争関連の捏造事件への批判として纏まったモノと感じましたので、ご紹介致します。
<ch桜板 日本再生さんコメントより引用開始>
 あまり知られていないことだが、全国第3位という甚大な発行部数を持つ 創価学会の『聖教新聞』と、政党新聞にも関わらず聖教新聞の約半分に 匹敵するほどの膨大な発行部数を持つ公明党の『公明新聞』の2紙は、 “自前の印刷工場”を持っていない。

 それをどのように印刷しているかというと、実は全国紙を発行する新聞社の印刷工場の空き時間を“買って”全国大手各社の工場で印刷している。

 それがどのような意味を持つかといえば、この『聖教新聞と公明新聞をあわせた2紙の賃刷り』というもので『産経、朝日、読売、毎日』など全国数十社の大手新聞社にとって
朝鮮が数億円規模の大スポンサーになっているということである。

 また、そのグループ企業である『フジテレビ、テレビ朝日、日本テレビ、TBS』にも同様の影響力が及び、さらにテレビには一社提供番組等の莫大な広告利権を与えることにより民間メディアをほぼ全て囲ってしまった。

 加えてNHKも、予算や決算に国会の決議が必要であり、与党の一角に公明党があることで日本のメディアは完全包囲されているのである。

(※産経新聞、読売新聞、フジテレビなどは中ではまともな方である。逆に毎日や朝日は中国や朝鮮に制圧された最悪の工作新聞である。ただ、どちらも創価学会に関する報道をしないという点では同じである)

 こうして日本では創価学会と在日朝鮮人関連の情報は「雑誌」などの中小メディアでしか知ることができなくなった。(政治家のスキャンダルのほとんどが「雑誌」などから発覚するのとよく似た構造。まだ現時点では、雑誌のジャーナリズムは圧力では握りつぶせないことが多いらしい)

 ここでいう中小メディアとは『中規模・小規模の新聞や、ローカルテレビ、雑誌、インターネット』などの朝鮮の影響が及ばないもののことである。

 ちなみに創価学会の記事で販売部数が跳ね上がることもあってか、いまだに圧力に屈せずに創価学会の記事を載せ続けている週刊誌のジャーナリズムに対して、創価学会が放置・容認してるかといえば、全くそうではなく、実は今までも水面下で熾烈な攻防戦が繰り広げられてきた。

 創価学会の言論部は、批判記事を書くジャーナリストやライターに対して深夜に及ぶ執拗な抗議電話や一日に500通の投書を行ったり、広告の大量出稿での抱え込みを画策したり、創価学会のお抱えの大作家から直接圧力をかけたり、裏から手を回して出版差し止めや取次ぎ拒否をして店頭に本が並ばないようにしたりしていたことが有名だが、昭和44〜45年の『言論出版妨害事件』によりその手の実力行使が明るみに出たのを受けて、
今では攻撃手段を「名誉毀損を理由にした司法攻撃」に変えている。
それを幇助するために施行された法律が『個人情報保護法』であるという。

こうして日本のメディアで在日朝鮮人を含む朝鮮に関連した犯罪や工作を報道することは著しく難しくなった。今後それらの記事が国民の目に触れるかどうかは全国紙グループから独立した雑誌社・新聞社・ローカルテレビの関連会社の努力次第である。

朝日新聞とは、中国共産党と創価学会の影響を強く受け続け、社員に在日枠が用意されているため在日朝鮮人が記事に影響を及ぼし、中国共産党の機関紙(国営紙)である人民日報とは正式な提携関係にあり、日中韓3国だけの意見を引用して反日をあたかも国際的意見のように騙りつつ、裏では『朝鮮人の資金源である“武富士”』とつるむ露骨な売国新聞である。
そして『朝鮮総連(※後述)』にはジャーナリストらしい突っ込みを入れずに、拉致被害者「曽我ひとみ」の当時北朝鮮にいる家族の住所をそのまま報道し、本社の脱税額は11億8600万円などという明らかにモラルに欠けた日本最大手の新聞である。

実はこの朝日新聞も戦前は本当に愛国心溢れるまともな新聞社だったのだが、中国と朝鮮の影響で徐々に内容がおかしくなっていった。

1970年。朝日新聞の広岡知男社長は中国の『文化大革命』を礼賛する記事を掲載した。

※文化大革命とは、中国政府にとって都合の悪い“自国民”をなんと「2000万人以上」政府が虐殺するという世界に類を見ない政策。(ちなみに原爆2発分の被害者ですら“数十万人”である。規模が桁2つ違う)
 世界中から避難されている中国の愚行を“肯定”する記事を載せたのである。

そしてその年の10月21日、朝日新聞は『中国政府の意向に沿った記事を書くこと』を公言した。

1971年。『南京大虐殺』という嘘を浸透させるキャンペーン開始。
朝日新聞の記者である本田勝一により『中国への旅』が連載された。

新聞で「百人斬り」「慰安婦」「大虐殺」など中国の注文通りの無茶な作り話を検証を一切せずに報道し、日本国民に『罪悪感』を植え付けることに成功。

ちなみに日本刀は構造上1本の刀で斬れるのは2〜3人が限界でそれ以上は刃を鍛えなおさなければ不可能であることは刀を知る者の常識である。
後に中国の嘘や捏造が次々と証明されるのだが、朝日新聞は報道しなかった。

そして後に、記事を書いた「本多勝一」の本名が「崔泰英」であると発覚した。
つまり日本人ではない。

これがどんな意味か、言うまでもないだろう。
この洗脳工作が成功してしまった背景として、当時はまだ新聞やテレビが「ある種の権威だったこと」が挙げられる。当時の国民は、新聞を疑えるほどメディアに対して成熟していなかったため、「まさか新聞がいい加減なことを掲載しないだろう」と完全に鵜呑みにしてしまったのだ。

さらに朝日新聞は自ら中国に1000万円の『謝罪的寄付』をするなどの誘導的パフォーマンスまで行って「日本が悪いことをした」という嘘をまるで真実であるかのように世間に浸透させ、『その状態で』同年9月に日中国交樹立に至ったのである。これでは当時の政府が中国の出す不利な条件を飲まざるを得なかったのは止むを得ないだろう。

そもそも今いわゆる“大虐殺”と呼ばれる南京攻略戦(1937年)は、例の東京裁判まで『9年もの間』、中国を含め誰一人問題にしてない。

要するに南京戦というのは「戦時中、無数にあった局地戦のひとつ」でしかなかったのである。
そんなものが東京裁判に際して突如出現するのは明らかに不自然である。

そして東京裁判では証拠(「誰々が是々と言っていた」という程度の伝聞が証拠として扱われている)等の検証も一切されず、反論も許されぬまま、戦勝国に「南京大虐殺はあった」という嘘を裁判で通されてしまった。
これがまず最初の捏造ポイントである。

そしてしばらくこの問題は「事実として」放置され、朝日新聞の報道の後、1978年になって日本の中学校教科書に「南京大虐殺」が記述された。

ここにも面白い事実がある。

実はその時点(1978年)では、『中国の教科書にさえ』南京大虐殺の記載などなかったのである。

中国の教科書にも日本の後追いで1979年から掲載したが、『大虐殺』などという仰々しい名称をつけ、今になって大騒ぎしてるのに、事件から『42年もの間、中国自身の教科書にも載ってなかった』のだから、つくづく不思議なものである。

教科書だけではない。中国の主張する『30万人の大虐殺』など外国の記者を含め、兵士も民間人も誰一人記憶に留めていなかったし、30万もの人を埋めたり河に流したりという不可能な証拠隠滅論など世界中の誰も想像もしなかったのである。

……中国にとって「それ」が必要になるまでは。

当時の人間が「誰も見てない・誰も知らない」のは当たり前である。
実際には南京攻略戦という「並み程度の規模の局地戦」はあったが朝日新聞と中国の主張する「大虐殺」など存在しなかったのだから。

なぜ突然、『それまで無かった話』が湧いて出たのだろう?
要するに南京大虐殺とは、
 1.東京裁判で日本を悪者にするため。
 2.戦後の日本人に自虐教育をするため。
 3.日中国交樹立交渉、及び、その後の日中の力関係を有利にするため。
大雑把にはこの3つの目的のために中国が急造したフィクションであり、得意のプロパガンダ(宣伝工作)のひとつだったのである。

南京大虐殺という嘘は、現在随分と浸透してしまった。
だが、間違いなく中国の捏造であるとはっきり断言できる。

話を戻すと、それらの中国の宣伝工作に日本国内で協力していた売国奴が『朝日新聞』なのである。
その後も、朝日新聞は日本を中国に売り渡すために活躍し続けた。
『靖国参拝反対』というキャンぺ―ンを展開したのも朝日新聞。
朝日新聞と人民日報が“互いの記事を引用”しながら反対運動を増幅した。

『従軍慰安婦』という戦争中に存在しなかった言葉を作ってあたかもそんな事実があったかのようにキャンペーンを展開したのも朝日新聞。

従軍慰安婦を初めに史実だと言い出し、問題を作った張本人は吉田清治。
その唯一の「加害証言」である吉田の証言も、複数の学者や記者から捏造を暴かれ、言い出した本人が『あれはフィクションです』と認めている。
そもそも従軍慰安婦はプロの売春婦であり、韓国では今もこの制度がある。
また、「従軍慰安婦」にあれこれ言う胡散臭い輩は「女子挺身隊」をも慰安婦として扱う支離滅裂な主張をすることがある。

この「女子挺身隊」というのは、大東亜戦争時に昭和19年の「女子挺身隊勤労令」により日本国民女子も軍需工場など(主に国内)に軍用機の製作などの“労働力として”従事する部隊のことである。

勘違いなのか作為的な情報工作なのかわからないが、酷いものである。
ちなみに名乗り出て被害者ぶって賠償金を請求してる婆さんのほとんどは戦争の時期と「年齢が合致しないこと」など簡単な証明だけで嘘がバレている。
つまり騒ぎに便乗して“金持ち日本政府”から金を巻き上げようとした犯罪者が年寄りを利用しただけの『成りすまし元慰安婦』である。

「婆さんの嘘」というより、金に目が眩んだ家族や親族が反日教育を受けていたため、「インドネシア軍の」慰安婦だったという事実を金の取りやすい「日本軍の」慰安婦だったと摩り替えたといったところだろう。

繰り返していれば婆さんもだんだんその気になってくるだろうし、そうしていれば家族が長生きするように励ましてくれるのだ。

お年寄りを嘘つき呼ばわりするのは日本人の道徳観念上心苦しいが、やって良いことと悪いことがある。朝鮮人の虚言癖は罪作りなものである。

だがこの「罪作り」に関与した腹立たしい日本人もいる。河野洋平である。
河野官房長官は、彼女らの主張がデタラメなのは明白にも関わらずその“事なかれ主義”により、事実無根の「官憲による強制連行」をなんと「公式に」認め、謝罪してしまったのである。

それを聞いて大喜びで煽り立てたのは、やっぱり朝日新聞である。
その宣伝活動のおかげで、証拠不十分で“半ばダメ元”で活動していた自称慰安婦の日本への賠償請求活動は著しく活気づいた。

朝日新聞はこのような売国行動をその後も幾度となく繰り返す。
『北朝鮮は全員平等で地上の楽園』という嘘を宣伝したのも朝日新聞である。
(後に独裁政治・餓死者続出の現実が知れわたり宣伝を中止したが。)それだけではない。
『スイスは永世中立国で平和な国』と宣伝して、日本の自衛隊の拡充を牽制しようとしたが、実は「スイス国民全員に徴兵の義務があること」が知れ渡って宣伝を中止したのも、『フランスはすばらしい文化大国』と宣伝して、日本の欧米への劣等感を作り出そうとして、実は「フランスは武器輸出大国であり、中国が日本に向けている兵器もフランス製」だと知れ渡って宣伝を中止したのも、『ドイツの先の戦争に対する謝罪は日本と違って素晴らしい』と宣伝して、日本を永遠に謝罪させようとして、実は「ドイツは日本と違って自分で都合のいい憲法を制定していた」と知れ渡って宣伝を中止したのも、全部、朝日新聞なのである。
<引用終り>
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