吐きそうな程に美しい空。 雲一つなく、まるで人間の頭の上に漂う海のようだ。 桔梗の花びらは宙をまるで蝶が飛ぶように舞ってみせた。 まるで地上から自らを浮かせられない私らをあざけ笑うかのように。 それは飛行機だろうが、ヘリコプターに乗ってようが同じことで。 決して何か道具が無ければ飛ぶことはできない。 私らは風にはなれない。 私らは地面に鎖で縛られている囚人なのだ。