君たちはどう生きるか特集
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■製作環境
本作は作品を取り巻く状況がこれまでとは違って賑やかだ。
豪華な声優、スタッフ。
情報制限を行って公開した手前、声優の声が誰だか気になって仕方ない。木村佳乃と木村拓哉は観ている内に判ったが、後はハズレてばかり。
そしてエンディングで作画監督が本田雄。作画の下請けとして「スタジオカラー」「プロダクションI.G」「ufotable」の3つが並んでいることに驚く。
本田雄はTV版「エヴァンゲリオン」のオープニングを手がけたアニメーター。
下請けの3社については、
「スタジオカラー」は宮崎駿監督と縁のある庵野監督が代表を勤める。「エヴァンゲリオン」の製作会社。
「プロダクションI.G」はこれまた宮崎監督と縁のある押井監督とつながりが深い。「攻殻機動隊」など写実的な描写で有名な製作会社。
「ufotable」は「鬼滅の刃」の製作会社。
さらに制作協力には「スタジオポノック」。ジブリの元社員米林監督の会社。
宮崎監督の最後を飾るにふさわしい製作会社が肩を並べている。
ウィキペディアによれば、日本テレビは本作に関わっていないため、インディーズ映画扱いらしいが、声優陣の顔ぶれ、スタッフの豪華さなどを観ると、とてもインディーズ映画とは思えない。
デビューしたばかりの新人監督が観たら、悔しがる事必至。成金趣味を通り越して、セレブ感丸出しだ。
無名の新人監督にこれだけの声優とスタッフは集められない。
情報制限。
引退宣言を完全に撤回する形での本作。辞める辞める詐欺の手本みたいになっている。
大々的に宣伝して不発に終わっては宮崎監督の名誉に傷がつく。
そこで宣伝をしない事で、不発に終わっても言い訳が出来るようにしたのではないか。
とまで思ってしまう。
一方で大ヒットを宿命づけられた監督が、そういったしがらみなしで、製作したかったのかもしれない。かつてビートルズは人気絶頂期に違うバンド名で曲を発表したことがあるが、それと同じような心持ちだったのかもしれない。
プロデューサー鈴木敏夫の手腕。
いずれにせよ、これらの事はおそらくプロデューサーの鈴木敏夫氏の発案だろう。最後になって宮崎監督よりもプロデューサーの鈴木氏に翻弄されるとは、思いもしなかった。