松本零士特集


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■宇宙戦艦ヤマトについて

ここでは代表作の一つ「宇宙戦艦ヤマト」について書いていこうと思います。

1作目 宇宙戦艦ヤマト

地球滅亡までの1年間で惑星イスカンダルまで往復し、地球を助ける。というお話。

昔々。私がまだ小学生だった頃。
TV版は、放送していましたが観ていませんでした。
劇場版が公開され、人気が出たため映画館で初めて観賞しました。
そのため沖田艦長が亡くなるのを知らず、艦長の最後に涙したものです。

漫画も購入し、初めて松本零士作品を読みました。
当時は1巻しかありませんでしたが、漫画版は劇場版とほぼ同じ。途中がごっそり省略されていました。

その後TV版の再放送を観賞。
反射衛星砲の仕掛けに感心し、「すげぇ。」と思いました。
デスラーも最初は部下に容赦ない暴君で、徹底抗戦を主張する好戦的な人物として描かれ、後の作品群に登場してくるような雰囲気は微塵もありません。
また、後にデスラー戦法と呼ばれるワープを使った戦い方も、元はドメル将軍が発案者だったという、劇場版で省略されていた様々なことが判明したものです。

後年実写版が公開される頃に、観る機会を得ましたが、その時の感想を書いておきます。

劇場版の主役は古代進ではなく、沖田艦長。
特に「前門の虎、後門の狼」状態で、「毒を持って毒を制す」作戦を指揮するあたりは秀逸です。
ガミラス本星での決戦も艦長の指示をクルーが忠実に実行したに過ぎません。

一方、古代は艦長の命令を無難に実行し、森雪とイチャついているチャラ男でしかありません。

おそらくこんな感想を持ったのは、自分がある程度年齢を重ねたため、古代ではなく沖田艦長に感情移入したからだと思います。
そういったことを踏まえると、大人になった頃に観ても色褪せないのが1作目の魅力です。

2作目 さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち

前作の人気を受けて製作された続編。ある意味完結編。
惑星イスカンダルの旅から数年後、今度は白色彗星が地球を襲う。地球を助けるため再びヤマトは旅立つ。というお話。

やっと古代進が主人公らしくなっていきます。
安彦良和氏による劇場版の「断じて違う」は名シーン。
ここでヤマトは終了させるべきでした。

後にラストが異なったTV版2作目「宇宙戦艦ヤマト2」が放送されます。

3作目 ヤマトよ永遠に

ここからは内容を、ほとんど覚えていません。
ガンダム人気もありますが、前作の劇場版で「これでヤマトは終了です。」みたいなテロップを出しておきながら続編を製作。
しかも死んだはずの登場人物がほとんど生き返っている状態に興醒めしてしまいました。

それでも古代進と森雪が離れ離れになるシーンは必見。
情感あふれる手の芝居が秀逸です。

後にTV版3作目「宇宙戦艦ヤマトIII」が放送されます。

4作目 宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち

もう無茶苦茶。前作で倒したはずの暗黒星団ともう一度戦う話。
元々はTVの特番だった作品で、放送されたのは「ヤマト2」と「永遠に」の間。

ですから本来は「ヤマト2」の続編となるのですが、「永遠に」の後に劇場公開したため、こんなおかしな事になってしまいました。

5作目 宇宙戦艦ヤマト―完結編―

沖田艦長が復活しただけで、私的にはNG。
映画館で流した涙を返してくれ。と言いたくなるからです。
一部の熱狂的なファンのために、古代進と森雪の結末を見届ける作品となっています。

後に「宇宙戦艦ヤマト 復活編」が公開されます。

6作目 SPACE BATTLESHIP ヤマト

「完結編」から数十年ぶり製作された実写版。内容は劇場版1、2作目のハイブリッド。
デスラーをはじめとするガミラス星人を意識の集合体のようなものとして描いた点は目新しかったのですが、それ以外は蛇足だらけ。

最新テクノロジーが結集した宇宙戦艦にしたため、攻撃がほぼ全自動。アニメ版の手作業で操船するヤマトの魅力はどこへやら。
またガラスが割れる音と共に艦内が爆発する演出もない。
PTAが校内暴力を助長すると言ったかどうか知りませんが、ヤマトの爆発音でガラスの割れる音は必須です。
爆発音にもめげずに人が必死で目的を達していくのがヤマトのヤマトたる由縁。

一方でコスチュームはそのまま再現。70年代は矢印のコスチュームでも問題ありませんでしたが、2010年にこのコスチュームでは、さすがに無理。同時期の2次元作品を観ていればわかりそうなものです。
これでは、ただの仮装パーティです。

変更すべき所と、変えてはダメなところを履き違えてしまいました。

その他

TV版の「宇宙戦艦ヤマトIII」は、序盤だけは面白かったのですが、最後どうなったか忘れています。
リメイク版は、ヤマトというよりガンダム。
時系列的にもリメイク版はガンダムの後発なので、どうしてもガンダムの影響を感じてしまいます。
他に「復活編」、シド・ミードによるデザインのものもありますが、私が観ていないので、なんとも言えません。

シリーズ物として

2作目の「さらば」で止めておけば名作のままでいられたのですが。。。
続編を作れば作るほど混沌としたヤマトワールドが構築されていきました。
一応今回の特集を組むにあたり、ウィキペディアで調べた混沌としたヤマトワールドを整理しておきます。

作品を極力矛盾なく観るなら、

劇場版1作目TV放送版。
TV版2作目(ヤマト2)。
TV特番(新たなる)。
劇場版3作目(永遠に)。
TV版3作目(ヤマトIII)。
劇場版4作目(完結編)。

となります。

「さらば」に感動した方には物足りないシリーズになってしまいますが。

今では西崎義展氏の著作物となっているヤマトですが、松本氏を一躍有名にした作品であることに変わりないため取り上げました。

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