劇場版 鬼滅の刃 無限列車編特集
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■編外余録
ここでは思いつくまま本作について色々書いてみようと思います。
コロナ禍での公開。
新型コロナウイルスによって映画界のみならず、あらゆるエンタメ業界が制限を余儀なくされた中、本作は公開され大ヒットを記録しました。
これまで我慢を強いられた観客が一斉に押し寄せたため、これだけの大ヒットになってしまった。
と考えられなくもない。本来なら10億程度のヒットで収まっていたかもしれません。
洋画が全く公開されていない状況下でもありますしね。
このヒットがコロナによるものかどうかは、コロナが収束してからはっきりすることでしょう。
そのためにはこの大ヒットを受けて色々と変更を加える大人の事情に振り回されて欲しくないと思っています。
パロディになったり、似たような作品が量産されたり、実写化したり、声優を人気俳優に変更したり、深夜枠だった放送枠をゴールデンタイムに変更し規制だらけの表現で誤魔化したり、原作にないエピソードや人物を追加して話を水増ししたり、死んだはずの人物を復活させたり、前日談や後日談を作ったり、その他色々。
せめてコロナが収束するまでは大人しくしていて欲しいと思います。大人なんだから。
「進撃の巨人」の対抗馬としての「鬼滅の刃」。
原作を読んでいないのにこんなことを書くのはおかしな話です。しかし本作をテレビアニメで観た時、「進撃の巨人」がオーバーラップしたのだからしかたありません。おそらく残酷描写が数多く出てきたからでしょう。
本作が人気作となるまでは「ワンピース」と「進撃の巨人」が二大人気漫画でした。
特に「進撃の巨人」は講談社の少年マガジンということもあって、これまでの集英社の少年ジャンプ路線と一線を画していました。
友情を賛美するジャンプ路線を真っ向から否定し、仲間の中に敵がいます。しかも主人公が無敵でもありません。大事なところで全然役に立たないし、1対1よりも1対多の対決ばかりです。話の内容もどちらかと言えば「エヴァンゲリオン」よりの謎だらけのストーリー展開。
そんな作品がヒットしたため、本作では友情路線を封印し、兄妹愛と家族愛を前面に持ってきました。BLと呼ばれるボーイズラブ漫画が認知されてきたこともあるのでしょう。これまでのジャンプ路線とは大違いです。
しかしそれでは往年のジャンプファンが黙っていないので、お約束の修行シーンを入れて強くなる定番の話を入れてあります。他にも比べてみると色々とありそうですが、どこぞで誰かがすでに何かしら書いているかもしれないなぁ。
ブームとしての「鬼滅の刃」。
先述した「進撃の巨人」も多くの謎が解明されラスト間近。本来なら最終回に向けて盛り上がりそうなものですが、そんな気配がありません。
実写版「進撃の巨人」が不評だったとか、映画化されても総集編でしかなかったためかもしれません。
2020年の後半から「進撃の巨人」のファイナルシーズンが放送されていますが、その反応を見ていると人気作の栄枯盛衰を感じてしまいます。本作も何年かしたら、一つのブームとして忘れ去られてしまうのでしょうか。あるいはコロナ禍という特殊な状況下のヒットだったと言われるかもしれません。
深夜アニメとしての「鬼滅の刃」。
本作は深夜アニメから人気が出たといわれています。これまで人気アニメと言えばゴールデンタイムか、夕方が一般的でしたが、それだけアニメ視聴者が大人ばかりになったということでしょう。
ニュース映像で見た漫画の最終巻を求める行列は、平日であったということもありますが、大人ばかり。それは果たして手放しで喜んでいいことでしょうか。
テレビから時代劇が消えた原因の一つは、高齢者しか時代劇を観ないからだと言われています。
同じ原因でアニメがテレビから消える日も近いかもしれません。
連想作品。
テレビアニメでは屋敷の中で鼓を打つと天地左右が入れ替わる術を鬼が使います。この仕掛け「インセプション」のようでもあり、山田風太郎の「忍法八犬伝」のようでもあります。
大正コソコソ話によると、この鼓を打つ鬼は人間の時「八犬伝」が愛読書だったので、山田風太郎の「忍法八犬伝」が元ネタではないかと思われます。
他には列車と競争したい伊之助に「8マン」を彷彿としたり、列車内での煉獄の移動速度が「サイボーグ009」の加速装置を彷彿としたりしましたが、多くの作品に触れれば触れるほど連想作品は増えてしまうので、半ば作品を多く鑑賞したことによる弊害かもしれません。
あと、どうでもいい話になってしまいますが、煉獄の父も弟も煉獄とほぼ同じ髪型なのには笑ってしまいました。
とまぁ、色々と書いていくとキリがないので、このあたりで。