スウォーズマン特集
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SPECIAL BOX。
第13弾は、「スウォーズマン」特集です。
香港映画の古装片、ワイヤーアクションブームの火付け役となった作品
「スウォーズマン」シリーズ
の特集です。
「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」で空を飛ぶことが可能になり、それが当たり前となってしまった後、空を飛びながらアクションを行うという、まさにワイヤーアクションと呼ぶにふさわしい映画として登場しました。
後に「ドラゴン・イン」という作品がこの作品のつけた火に油を注ぎ、香港映画界は空前の古装片、ワイヤーアクションブームへ突入してゆきます。
■作品紹介
- 01 / ◆制作年:1990年◆タイトル:スウォーズマン 剣士列伝
◆監督:キン・フー、ツイ・ハーク、チン・シュウ・タン、レイモンド・リー◆主演:サミュエル・ホイ、ジャッキー・チュン◆助演:チョン・マン、イップ・トン、フェニー・ユン - ◆コメント:空を飛びながらアクションをするワイヤーアクションの火付け役となった記念碑的作品。
- 02 / ◆制作年:1992年◆タイトル:スウォーズマン 女神伝説の章
◆監督:チン・シュウ・タン◆主演:リー・リンチェイ、ブリジット・リン◆助演:ロザムンド・クァン、ミシェル・リー - ◆コメント:リンチェイ主演、ブリジット・リン演じる東方不敗登場で前作よりもパワーアップした作品。
- 03 / ◆制作年:1993年◆タイトル:スウォーズマン 女神復活の章
◆監督:チン・シュウ・タン、レイモンド・リー◆主演:ブリジット・リン、ジョイ・ウォン◆助演:ユ・ロングァン、ラウ・シュン - ◆コメント:前作から4ヶ月後の設定。
東方不敗の偽者と本物との戦いに日本、スペインと加わって。。。
英語読み、中国読み等の呼び方は統一しておりません。
主演、助演の区別は独断と偏見で決めさせていただきました。
■東方不敗(とんふぉんぱっぱい)
これほど強烈なキャラクター設定もないというほど印象の強いキャラクター東方不敗。
男でありながら、秘伝の書「葵花寶典」によって女として生まれ変わり無敵の名を欲しいままにする香港映画史上、
希に見る最強の敵役。
シリーズ3作目では偽者まで登場し、東方不敗のためのような映画となっています。
演じるはブリジット・リン。この映画でのイメージが強いのか以後、男装の麗人ばかりを演じるようになります。
■原作
以前、「グリーンデスティニー特集」でもふれましたが、原作は金庸の「秘曲・笑傲江湖」です。
最初、私はそれを知らなくて空を飛ぶのを観、「荒唐無稽な、お馬鹿な香港映画」だと思っていました。
しかし、原作によると、登場人物は本来、武術の達人で修行を積むことにより空を飛べるようになった人のことだそうです。
シリーズ3作目は原作にないオリジナル作品ですが、ここで簡単な説明がされています。
ジャンプしながら空を飛ぶのは「軽功」
空を飛ぶことは「飛功」
鉄砲の玉をつかむことは「奇功」
といった具合です。
そのあたりを抑えておかないと、この映画はほんと「荒唐無稽な、お馬鹿映画」で終わってしまうのです。
それから原作と映画との違いは参考にしたサイトをご覧ください。
■日本人他
シリーズ2作目から同時代の日本人も登場してきます。
ところが、これが曲者で「あんたがたどこさ」は歌うは、緊張感の無い日本語でアフレコを行っていて苦笑ものです。
シリーズ3作目には霧隠才蔵ならぬ霧隠雷蔵という甲賀忍者が全身鎧で顔さえも隠されて出てきたりします。
挙句の果てに霧隠雷蔵は柳生一族に滅ばされたとまで言ってしまう始末。
ちなみに、霧隠才蔵は伊賀の忍者で柳生一族に滅ばされたりはしていません。
それから、琉球朝廷からアヘンが送られてくることになっていますが、史実では、アヘン戦争で中国が危機に陥るのはもっと後の時代のことです。
お馬鹿ついでに苗族という中国の遊牧民が出てきますが、これも映画のような邪悪なものではなく、秦の始皇帝の頃に中国から辺境へ追いやられた民族のことです。
まぁ、香港映画で細かいことを気にしすぎると馬鹿を見るのはこちらなので、お馬鹿映画として楽しんだ方が無難でしょう。
■編集後記
香港映画界空前の古装片、ワイヤーアクションブームの先駆けであるだけに真面目に武侠映画の面白さから取り上げて見ようとおもいましたが、どうも日本人の描き方が今一つなため真面目に特集を組めませんでした。
思えば、日本の時代劇の偏ったイメージが香港に浸透したために発生したものだと考えられます。
逆に日本人が中国人を描く際、赤い服を着てカタコトの日本語で話し、語尾に「~あるよ。」をつけてしまうのと大差ないように思われます。
どうも、他国を描くのはお互い難しいようです。
■参考にしたサイト
以下のサイトの情報を参考にさせていただきました。
亜州明星総覧(作品リスト作成に参考とさせていただきました。)
香港電影工作室(作品リスト作成に参考とさせていただきました。)
僑忠的香港奇遇(原作と作品との違いについて書かれてあります。)
ありがとうございました。