機動警察パトレイバー特集
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■アニメ作品として
第1期OVA
それまでのロボットアニメといえば、勧善懲悪でしたが、「機動戦士ガンダム」あたりから「戦争」を描く作品が増えてきました。
凝りに凝った設定。善悪の区別のない争い。
「ガンダム」の頃からロボットアニメは暗くて笑いのないものがほとんどでした。
ある意味ロボットアニメの限界みたいなものが見え初めていたのもこの頃です。
「ロボットが戦争する話しかないのはおかしい。」
という漫画家のゆうきまさみのアイデアと、メカデザイン担当の出渕裕が警察官ロボットをデザインしたのがきっかけで、この作品ははじまりました。
OVAの第1期を見てみるとわかりますが、ロボットアニメファンで製作された作品というより、特撮ファンとアニメファンが製作したような雰囲気が漂ってます。
特車2課の制服がウルトラ警備隊のようなのは偶然ではないでしょうし、怪獣が登場したりしますから。
ただ、マニア向けという感じが抜けておらず、個人的にはあまり好きになれない作品ばかりです。
それでもロボットアニメとしては斬新であったことは間違いないでしょう。主人公が女性ですから。
劇場版第1作
この後、劇場版第1作を経てTVシリーズへと以降しますが、劇場版第1作が後のアニメ作品に与えた影響は大きいのでは?
「金田一少年の事件簿」や「名探偵コナン」といった推理小説の世界がアニメに登場するようになり、BABELのシーンや、2足歩行のシーンのCGの登場や、ウイルスによる工場の感染などは、後の「新世紀エヴァンゲリオン」を彷彿とさせます。
ですが、これはすべて後日談。
当時の斬新さから言えば、コンピュータをこれだけ効果的に作品の中で登場させ、ミステリアスな展開をしたアニメはこれが最初ではないでしょうか?
TVシリーズ
TVシリーズは、スポンサーの意向など制約が多いためか勧善懲悪の雰囲気が強いのですが、警察官としての正義感や、職業意識といったものが現れていて、それまでのロボットアニメにない人間ドラマをメインに描かれているような感じを受けました。
当初は半年の予定だったらしいのですが、最終的に1年間放送されました。
人気あったんですなぁ。
後に「逮捕しちゃうぞ」という警察官のアニメがTVアニメで成立するあたりも興味深いことです。
第2期OVA
TVシリーズの後、媒体がビデオに戻りますが、この頃はロボットアニメというより、アニメの可能性を追及していたような感じをうけます。
TVに登場した以上、かなり人気があったことは確かなので、好き放題していても受け入れられたのでしょう。
ビデオ版の「VS.」という話はただの忘年会をアニメにしただけで、これが作品として成立すること自体驚きでした。
劇場版第2作
そして最後に劇場版第2作で完結するのですが、これはもう擬似戦争映画の雰囲気。
監督押井守の独壇場といった感じがしないでもありません。
しかし、この頃には「AKIRA」もアニメ作品として登場しており、一部の人のための趣味の世界からより現実的な題材へと変更せざるを得なかったようにも思われます。
この作品の冒頭に出てくる新機種レイバーの試用シーンは今見ても見事な作画で関心させられます。
また、「逮捕しちゃうぞ」の原作者藤島康介がメカデザインとして登場しており、製作をスタジオディーンが行っています。
後にスタジオディーンで「逮捕しちゃうぞ」がアニメ化されるのも偶然ではないでしょう。
後のロボットアニメだけでなく、アニメ自体にも多大な影響を与えていることは確かな作品で、これ以外にも色々なシーンが後のアニメに登場していることは間違いない作品です。
まさしく80年代から90年代へ以降する際の代表作ではないでしょうか。