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会いたい・・・ 「て、言ったら、どうします?」 電話越しでのちいさなワガママ。 「・・・・・・どうしろって言うんだよ」 予想通り、怒られました・・・! 「いや、どうするかを知りたかっただけで・・・」 「別に、どうもしねぇよ」 即答ですか。 冷たいですよ、言葉が。 「そう、です、か・・・」 あー、何か自惚れてた自分がカナリ恥ずかしい。 ていうか、痛い。 それで、悲しい。 「ただ、俺がどうしようもなくなるだけだ」 言ってる意味がよくわかりませんよ、教官? 「どうしようもならねぇ自分に、腹立つだけ・・・」 「・・・・・・教官?」 「名前で呼ぶんじゃなかったけ?」 「ひ、人がしんみりしてる時に、つまんないことでツッコまないでくださいよ!」 「つまんないことじゃ、ねぇーんだけど」 「・・・! あ、あつし、さん?・・・」 「なんで疑問符・・・、まぁお前にしてはヨクデキマシタ」 きっと電話越しに特有のニヤリとした笑みを浮かべているんだろうとその表情を想像する。 他の人は仏頂面でいっつも怒ってるようで分かりにくいっていうけれど。 本当は照れ隠しだってことを、私は知ってるんですからね? 「で、それだけか?」 「・・・う、うん」 ただ逢いたかった。それは本音。 けれど声だけでも私は良かった。 だからおやすみ、て言って切ろうとしたら、 急に、 「明日の外泊出しとけよ」 言葉に呆けてる間にあっちから電話切られて、 マヌケな電子音が耳元で鳴り響いてた。 ねぇ、自惚れてもいいですか? |