「んっ…」
バスルームに悩ましげな声が響く。
さほど大きくないはずのその声は、防音目的で出しっぱなしにしているシャワーの音よりも大きく聞こえた…ような気がした。
「あんま…声だしちゃ…くぅっ」
もっとも、バスルームだけでなく部屋自体が防音処理を施されているのだが。
当然そんなことは知らず、和泉は乳首をこね回しながら口から漏れる喘ぎを必死にかみ殺そうとしている。
「ふぅんっ…ぁぁ…この身体…感度、よすぎなんじゃ…ぁぅっ」
ぼんやりと以前身体を重ねた女性の反応を思い出し、そんなことを呟く。
二度目なのか、自分の意思だからか…今は朝と違って若干の余裕があった。
「ん…下も…ひんっ!」
ゆっくりと秘所に手を伸ばす。薄い陰毛はすでに湯以外の液体にぬめっていて、抵抗無く和泉の指を根元まで受け入れた。
とたん、そこから身体に電撃のように快感がほとばしった。
声も出せずに、思わず身体をくねらせる。が、身体のほうはやはりそれだけでは満足しないらしく、膣壁がひくひくと『動き』を求めてきた。
「はぁっ…うぅ…んんっ!ふあ…ぁ…いい…ココ…」
正直に、要求にしたがって指を前後に動かしながら、和泉が人差し指を軽く曲げる。ち
ょうど親指がクリトリスに、人差し指がその裏の辺りに位置し、途方も無い快感を脳に送り込んできた。
どうやら、そこがこの身体のGスポットらしい。そのまま左手で胸を、右手で股間を弄り始める。
「はぅぅ…んっ…!」
もう完全に、喘ぎ声はシャワーの音を凌駕している。耳を澄ませばクチュクチュという淫猥な水音も聞こえるのではないか。
そんな事を考える余裕すら逆に和泉を追い立てた。あっさりと昇り詰めてゆく。
「あぁう…もう…もうっ…」
ぞくぞくと背筋を這い上がる快感に呼応して、指の動きが意思を離れてゆくような錯覚を覚えた。
コリコリになった乳首を指の腹で押しつぶし、陰核も親指の爪で擦り上げる。
当然人差し指はGスポットへ。きゅ、と膣壁が指を締め上げた。
「あふっ…んぅぅっ!」
背中を反らして、絶頂。視界がチカチカと瞬き、意識が真っ白になる。数分間ひくひくと身体を震わせる。
「っはぁ…はぁ…ぁう…」
マダ、タリナイ。
「ダメだ…もっと…」
まだ、満足できない。今更ながらに女の性感の深さを思い知り、和泉は軽い恐怖を感じた。
一度絶頂を迎えた身体をシャワーの水滴が叩いてゆく。もやのかかった頭でそれを『気持ちいい』と感じる。
(ココにあてたら…もっと気持ちいいのかな)
くちゅ、と秘所に入れたままの指を動かす。中はまるで熱湯のように熱を持ち、動かした指を包むように脈動していた。
「んっ…」
シャワーをフックから外し、勢いを強める。勢いを増したお湯が胸を嬲り、もどかしいような快感にまた濡れた。そのままつつ…と下へ持ってゆく。
「ふくぅっ…あぅん…」
秘所の上に持っていくと、手でするのとは違った感覚が絶え間なく襲ってくる。
もっともっとと無意識に秘裂を指で押し広げ、シャワーヘッドの角度を変え、直接膣壁を叩かせる。
「あぁ…いいよぉ…」
今までに感じたことの無い刺激に、身体を揺らす。その姿はたまらなく官能的で、それを自覚できる分さらに深みにハマっていった。
自分の痴態に興奮し、その興奮がさらなる痴態を求めるという無限の回廊。
無意識のうちにイキっぱなしになった自分を想像し…和泉はそれを実行した。
まだ外気に晒したことの無い、包皮に包まれたままの…言い換えれば、手を触れたことすらなかった陰核。それをむき出しにし、軽く触れる。
「あぅっ!」
平時なら痛い…それほどの刺激も、今の状態では快感しか与えなかった。
乳首と同じように指でいじっていると、気持ちよすぎて意識が飛びそうになる。
なんとか繋ぎとめると、今度は躊躇い無く陰核にシャワーを当てる。
敏感すぎる肉芽に湯の奔流が当たる。それだけで、和泉は二度目の絶頂を迎えた。
「はぁ…ふくっ!んぁぁ…ああぁぁぁぁぁぁぁ!」
潮こそ吹かなかったものの、身体を痙攣させてその快感を味わう。
全身にまとわりつく脱力感を気力で振り払って、未だに身体を刺激し続けるシャワーを止め、壁に手を着いて立ち上がる。
ふと鏡に映った自分を見る。快楽と情欲に頬を染めた『彼女』はぞくりとするほど色っぽく、美しかった。
「うぅ…」
ゆっくりと頭を振り、和泉はスポンジを手に取った。のろのろと汗とぬめりを落としてゆく。
スポンジで擦った時に心配していた身体のうずきも、男で言う一発抜いたあとだからなのかやってくることは無く、純粋に入浴を愉しむことができた。
(まぁ…あれを一発抜いたってのと同じレベルで考えるのには抵抗あるけど…)
恥ずかしくなって「あー、くそ。やめやめ」と呻いた。無理やり思考を切り替える。
「ふぅ…さっぱりした」
髪の毛を丹念に拭いて呟く。多少…いや相当な自己嫌悪はあったが、朝に比べると幾分気は楽だ。
裸にバスタオルを巻いただけという、あられもない姿で和泉はパジャマを探し始めた。
と、ガサガサと買い物袋をあさる手が不意に止まる。
掴みだしたのは、レイが買ってた『オンナノコ』な洋服。
(着てみても…いいかな)
自慰行為のあとだからか、理性のタガが緩くなっているのかもしれない。ぼんやりと頭のどこかで思いながら、和泉は服を手に持った。
ついでとばかりに、別の買い物袋からブラとショーツも取り出しておく。
「んーと…ここをこーして、と…」
店員に教えられたことを思い出しながら、苦労して身に着けてゆく。次いでシャツとスカート、上着。
どれも落ち着いた色合いで、今の和泉に雰囲気もサイズもぴったりと合っていた。
「に…似合ってるじゃん…?」
思わず顔をほころばせる。誰にとも無く呟く声は少し嬉しそうで、鏡の前でいくつかポーズをしてみたり。
結局、一通りの服を試着し、和泉がベットに入ったのは午前一時を過ぎた後だった。


[BACK] [トップページ] [NEXT]


テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル