ざわざわ・・・・
教室がざわめく。ここは2年A組の教室。
私立霜村高校は有名大学に進学する生徒の多い進学校。OBには某有名大学の教授や政治家、評論家が多い。
進学に熱心な学校なので2年生から能力別にクラス分けをしている。
ここA組は、学年上位の成績の生徒を集めていて、まさに進学専門集団なのである。
今は午後の授業の中休み。クラスメートの注目は・・・九条弘美に注がれていた。
「珍しいよな。九条の奴が授業に出るなんて」
「いつもは、サボっていたのにな。どういう風の吹き回しだろう?」
「でもさっきの物理の授業は学年トップって感じでさぁ、さすがだよ」
男子生徒からはこんな声が聞こえる一方、女子生徒は・・
「弘美。あんた、よく授業を受ける気になったわね。いつもはいないのに」
「なんかさぁ、さっきの授業の時はいつもの九条さんと違うのよね。凛々しくて素敵♪」
「おいおい、ナッチーは弘美に惚れたのですかぁ?」
女子からは黄色い声があがる。
・・・・はぁ。うんざりだ・・・こりゃ逃げ出したくなる罠・・・・
心の中ではウンザリしている貴章。今は九条弘美として振舞わないといけない。
そのためなのかどうも気分が悪い。
「なんだよ・・・こう女ってうるさいのかねぇ」
つい貴章本人の言葉がでる。
「え? 弘美。なんか言い方がおかしいよ。アンタも女でしょう?」
弘美の腐れ縁?らしい、 北条 美穂 (ほうじょう みほ)が驚いた表情で言う。 
「美穂? あ、あ・・・そ、そうだよね。お、わ、わたしったら・・うぅん、何でもない」
・・・うへ・・・女のふりをするのは気持ち悪い。早く終わらないかな。
あ、また俺の知らなかった事が頭に浮かぶな。これも弘美の記憶かよ・・・
改めて授業に出た事を後悔する貴章であった。

休み時間も終り近くの頃・・・。
「ほよぉ・・・やべ・・・」
猛烈な尿意が来る。貴章は溜まらずスカートの上から股間に手を当てる。
・・・・そういえば、トイレに行ってないな・・・・・
額に汗を掻いて急いで、席から離れ教室を出ようとする。
「あ、弘美。授業がはじまるよ」
「美穂、ちょっとトイレに行ってくる。すぐよ、すぐ」
後ろから美穂の声がするが、適当に答えてその場から離れた。
・・・ひーーー、漏れそう。ここか・・・・・
急いでトイレに駆け込むと中に数人確認した。目線を感じる
「・・・・・・俺に何か付いているのか? 何で俺をジロジロ見る?」
と言うよりは、数人がこちらを見て困惑している。
ある者はこちらを見て驚き、ある者は振り向く・・・男子生徒ばかり。
「・・・・・!!」
今いる所がどこなのか気が付いた(笑) 急いでその場から離れて隣の方へ入り、個室の鍵をかける。
数人の女子生徒が洗面台の前で話をしていたが、貴章自身そこまで省みる余裕はなかった。
「はぁはぁ・・・ぜぇぜぇ・・・・やば。何でこんな時に?」
さっきから弘美の感覚なのに今は貴章の、いや男の感覚に貴章自身困惑していた。
壁に体を凭れ、ブラウス越しに胸に手を当てると心臓の鼓動が早く感じられた。
「・・・・とにかく」
意を決したかのようにショーツをさげ、スカートを下げて洋式の便座に座る。
「ふう・・・間に合った」
尿道口から勢いよく水が出る。
「そういえば、女の姿では初めてなんだよな・・・・・」
流れる水を見ながら呟く。
水の出が収まると感覚は弘美なのだろう、自然と柔らかいティッシュで優しく拭いた。
自然と女としての知識が浮かぶ。ついほんの少しまでは男だったのに。貴章自身複雑な気分になっていた。
「これも弘美の感覚かよ。俺ってこのまま、弘美になっちまうのか?」
ふと目の前の秘部が疼く。貴章は思わず細い指を近づけていった。
何時の間にか、男の感覚にもどったのだろうか、夢中で陰核を弄る。
電気が来るような感じがするたびに一瞬躊躇したが、それでも弄り続けていた。
「・・んん・・・んふぅ。あん・・」
誰かが聞いているかもしれないと思い貴章は口を噤んだが、甘い声は時折出てしまう。
快感に酔い始めた貴章は自らブラウスのボタンを外し、下着を剥き出しにするとブラを巻く利上げ、直接乳房を揉み始めていた。
「ぃや・・や、やめないと・・・で、でも・・・んん」

キーーーーーーンーーーーーーコーーーーーン

「きゃ! やば。始まっちゃたよ〜」
「はやく、はやく! 行こ!」
「今入った子、大丈夫?」
「そんな事言っている場合ではないでしょ! 先生が来ちゃうじゃん」
女の子達はドヤドヤと急いでトイレから出て行く。
一方貴章は授業開始のチャイムが鳴っても行為は終わらない。今は誰もいないトイレの中、乱れた呼吸の音が響く。
「んふぅ・・・んん・・・・・」
揉むたびに乳房は形が変わり、桜色の突起は自己主張を続けている。奥から湧き上がる快感は全身を駆け巡る。
「んん・・・はぁうう・・・・・あん♪」
陰核は皮が剥け、若芽が顔を出す。蜜壷には蜜が溢れ、いつのまにか便器の下に滴り出していた。
男としての感覚が指を動かし、揉むたびに女の快感が湧き出る。貴章はこの快感に酔っていた。
『ふふっ、淫乱ね。気持ちいい?』
不意に声がしたので貴章は思わず手を止め、辺りを見回した。
「はぁはぁ・・・誰?・・・はぁはぁ」
『止めなくていいわ。もっと気持ち良くなるから。』
「・・・はぁ・・・・どうして?・・・はぁはぁ」
『それは後のお楽しみ。・・・・・ふふふっ♪』
その後、謎の声はなかった。貴章は再び行為を始めていた。
「はぅん・・・んん・・・ぁああん・・・」
くちゃくちゃ・・・・
「・・・・あっ・・・・・・・」
瞬間的に体がビク!と反応する。同時に全身が心地よい快感に包まれていった。
「はぁはぁ・・・・またイッちまったのかよ」
自己嫌悪が心を満たす。ふーーと溜息が漏れる。
「一体、今の声は・・・・」
乱れたブラウスと下半身を剥き出しにしながら呆然とその場に座りこんでいた・・・


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