夏の名残 10
「・・んー・・んん・・・」
唇を奪い、抱きしめた手に力がかかる。蘭世は俊が教えたとおりにキスを返しながら体で抵抗を示す。腕で俊を押し返すもそれはわずかばかりの抗いに過ぎない。
「・・やぁ・・・あ・・ん・・・・」
蘭世の体から俊に熱が伝わる。唇をはずし俊は言い放つ。
「ほら・・・・これでもか・・・?・・」
俊は蘭世の足の間へ手を差し入れる。さっき洗い流したはずのそこはすでに新しい蜜であふれ返っていた。
俊に触れられる、ただそれだけで蘭世の体は蕩けてしまう。そう、そういう風に俊は愛してきた、そしてこれからも。
ただこれからは蘭世からも求めさせたい。俊の愛欲はわがままで欲張りだ。蘭世と体をつなげればつなげるほどその欲望は増えるばかりだ。
だからこそ、蘭世が愛しく、そばにいたい。
「・・やあ・・・ん・・・はぁ・・・」
・・・・もっとだ・・・もっと・・・俺を・・・・
「言ってみろよ、してくれって・・・・」
蘭世を巧みに愛撫しながら俊はささやく。
「は・・・んん・・・あん・・・ん・・・」
俊は蘭世の片足を腕からはずし、中心部をあらわにさせるとそこへ指先を這わせた。
ぴちゃぴちゃという音といやらしい糸が日差しに光を放つ。
「・・あ・・・ん・・・ん・・・・・やぁ・・・・・だ・・・・」
執拗な俊の愛撫は蘭世の意識を快楽の渦の真っ只中へ叩き込む。
「・・・あ・・・ん・・・ん・・・・はぁ・・・・あ・・・あ・・」
蘭世の腰のあたりに俊のいきり立ったそれがあたる。その熱さに一瞬蘭世の腰が
浮くが愛撫の波にまた飲まれていく。
「・・ふ・・・くぅ・・・ん・・・あ・・あああ・・ん!!」
感じやすくなっている蘭世はあっという間に一度軽い絶頂を迎えた。荒く息をつく
蘭世をチェアの前に座らせ分身を差し出すと蘭世はすぐにそれを口に含む。
「・・そう・・・そうだ・・・・・舌・・・使ってみろよ・・・・・」
蘭世は言われたとおりに舌を俊のそれに巻きつける。口いっぱいに広がる俊のそれは
蘭世ののど奥まで入れてもあまるほど。苦しげにしながらも俊の言うとおりにする蘭世。
俊は蘭世の髪をなでながら、その甘い舌使いに酔っていた。
そうしてサイドの冷蔵庫からビールを取り出すと一口飲んだ。
蘭世の口から自身を抜き、もう一口口に含み、抱き上げた蘭世に口付けを与える。
「・・・くふっ・・・けほっ・・・」
いきなり流し込まれたアルコールにむせながら蘭世はのどに落とした。
「つめてぇだろ?」
「・・・も・・・う・・・」
俊の膝の上に座らされ蘭世は俊を軽くにらんだ。俊は蘭世を支えていた手を離しかけた。
「きゃっ!」
俊に抱きつくしかない蘭世はちょうど胸を俊の胸板に押し付ける形になってしまった。
「ん?」
「・・・・なんでそんなことするのぉ・・」
「落ちたくないならな・・・・」
俊は蘭世にいう。
「自分でいれてみろよ・・?・・ここで・・・・」
俊のそれは張り詰めて蘭世を待ち望んでいる。これは俊のカケだった。いつも受身の蘭世に何とか自分から動くようにさせたかった。
「・・・え・・・そんな・・・・」
「ほら・・・これをだよ・・・」
俊はわざと誇示するように蘭世に見せる。蘭世はためらっている。
「欲しくなってんだろ?ここをこんなにして」
「やぁ・・・!!」
俊の足に滴るほどの蜜をあふれさせているそこの俊の指が動く。
「・・ほら・・・どうする・・?・・」
蘭世を煽るようにそこの指を動かし、俊は蘭世をいたぶるのをやめない。
「・・ふ・くぅ・・んん・・はぁ・・ん・・・・も・・あ・・」
口元に手を当てながら蘭世があえぐ。
「・・・・ほら・・・・」
俊は再度蘭世に促す。ためらいととまどいを含んだ恥じらいを見せながら、
蘭世は腰を浮かした。
俊はあえて自分は動かぬように蘭世に主導権を委ねた。節目がちにそれを自分に納めようとするもなかなか定まらない。
おずおずとそれに手を添えながらようやく入口へ導いた。そしてそこで止まった。
「・・どうした?」
「・・あ・・・その・・・」
あとは浮かせた腰を落とすだけだが、どうしてもそれをするのにためらいがある蘭世。
俊はあせらず蘭世を待った。やわらかいまなざしで蘭世を包みながら。

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