「ねぇ、レオン…これ。」
ルキアは自分の足元にある、手のひらに乗る位の小さな雪だるまを指差した。
そして、それを持ち上げる。
レオンは雪だるまをじーっと見つめた。
「なんか、上目遣いじゃないのか?これ…」
と、味も素っ気もないコメントをルキアに返した。
ルキアはあまりにもロマンチックじゃないのでがくっとうなだれた。
レオンは、それを見てしかめっ面をする。
「まぁいいよ。…作ったんだ…、レオンにプレゼントしようと思って。」
ルキアは諦めたように呟く。
そして、レオンに雪だるまを差し出した。
レオンは照れくさそうにそれを受け取る。
上目遣いの雪だるまが、彼を見つめていた。


手をつないで帰った彼らは、レオンの部屋に行った。
雪だるまはベットサイドにおいて。


「…ん…あぁ…もう9時か…」
レオンは頭を抱えて起き上がる。
雪だるまは溶けてなくなっていた。
「あ〜あ…冷蔵庫に入れればよかったな…」
と、残念そうに言いながら彼は電気を付ける。
そして、眠っているルキアの隣に座った時、
なにか、に気が付いた。
溶けた雪だるまの中から出てきたピンクのメッセージカード。
レオンはそれを見つめる。

『レオンへ
いつもワガママと意地っ張りでごめんね。
大好きだよ…。
ルキアより。』

彼は微笑んで、彼女が眠るベットの中に再び潜っていった。

-END-


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