『ひでぼんの書』

前の話エピローグ

“つぁとぅぐあ”さんに渡す。

 本日も暗黒世界はン・カイ晴れ。
「ふわあぁ……おはようございますねぇ」
 今日も“つぁとぅぐあ”さんは『にへら〜』と、のんびり晴れやかな微笑みで僕を迎えてくれる。
「今回は、ちょっと変わった供物を持ってきたんですよ」
「へえぇ……それは何ですかぁ?」
「ふっふっふ、見てのお楽しみです」
 少しもったいぶってから、黒い多角形の宝石――『輝くトラペゾへドロン』を手渡すと、“つぁとぅぐあ”さんは満面の『にへら〜』を見せてくれた。
「まぁ、『輝けトリニトロン』ですかぁ……とても美味しそうですねぇ」
「全然違いますよ……って、え?」
 唖然とする僕の前で、“つぁとぅぐあ”さんは『輝くトラペゾへドロン』を、ぱくりと一口で飲み込んでしまった。
「んんん〜テイスティですねぇ」
「…………」
 今更だけど、“つぁとぅぐあ”さんがずっと全裸姿である理由の一端が、垣間見えたような気がする……
「それではぁ……今日もおっぱいでやりますかぁ?」
 ずい、と極上最高の肢体を乗り出してくる“つぁとぅぐあ”さん。その美貌は早くも妖艶で威厳ある女魔王のそれに変貌しつつある。今回も彼女はその神の淫技で最高の快楽を与えてくれるのだろう。

 その時――僕はちょっと普段とは違う事をやってみた。なぜそんな事をしたのか――自分でもよくわからない。すぐ目の前にそれがあったのと、潜在的にやってみたかったのかもしれない。我ながらちょっと意外だけど、今まで何度も彼女と身体を合わせている中、“それ”は今回が初めてだったんだ。
 何てことはない。ただ目の前にある“つぁとぅぐあ”さんのセクシーな唇に、ちょっとキスしてみただけだ。キスと言っても、ただ唇を合わせるだけの、子供みたいなキスを。
「…………」
 ところが、“つぁとぅぐあ”さんの反応は予想外も予想外だった。
 あの女王様な威厳ある美貌のまま、呆然と僕の顔を見つめると、顔をトマトみたいに真っ赤にして――
「ふみゃああああああああぁぁぁ〜〜〜」
 唇を押さえながら地面に広がる髪の上にしゃがんで、恥ずかしそうにイヤイヤ首を振って髪の中に隠れてしまったんだ。
 えーと……これってまさか……ひょっとして……“つぁとぅぐあ”さん、恥ずかしがっている!?
「もおおおぉ〜〜〜乙女にそんな事をしてはダメじゃないですかぁ〜〜〜」
 髪の山の中から真っ赤な顔を目元だけ出して、“つぁとぅぐあ”さんは僕をふにゃふにゃっと諌めた。
「す、すいません」
 一応は頭を下げたものの、どんなに濃厚で過激な変態プレイもオールオッケーな“つぁとぅぐあ”さんが、キスひとつでこんなに恥ずかしがるなんて……なんとも意外な一面だなぁ。やっぱり人外の存在は、モラルも人間と違うのかな。
 しばらく髪の毛の中でモジモジしていた“つぁとぅぐあ”さんも、根気よくなだめると髪の中から這い出てきてくれた。まだ少し顔は赤いけどね。

「ぇ、ええとぉ……まずは胸からですねぇ」
 “つぁとぅぐあ”さんはどこか照れくさそうに僕を押し倒すと、いつのまにかビンビンに勃起していたペニスを摘み、その天上天下宇宙最高な爆乳で、むにゅんと挟んでくれた。
「――ッ!!!」
 たちまち仰け反るような快楽が爆発する。“つぁとぅぐあ”さんのパイズリはやっぱり最高だ。暖かく、柔らかく、すべすべしているのにもっちりと吸い付いて、綿毛の軽さと膨大な圧迫感が、ペニス全体を包んでくれる。僅かに顔を出してる亀頭の先を、舌先でチロチロくすぐりながら、爆乳を左右から挟む手の微妙な動きが、卑猥な脈動となってペニスを刺激する。いつ爆発しても不思議じゃない快感なのに、射精しない――というよりできないのは、彼女に肉体をコントロールされているからなのだろう。
「はむぅ……あはぁ…ちゅぅ……美味しぃ」
 長い舌で淫猥に亀頭をしゃぶる“つぁとぅぐあ”さんの爆乳の先端には、濃厚な乳首がしっかり勃起している。僕は乳首を乳房に沈めるように親指で押し潰してみた。信じれないくらい柔らかくて巨大な乳房は、どこまでも僕の指を飲み込んでしまう。このまま彼女のおっぱいに僕の身体は飲み込まれてしまうんじゃないか……そんな非現実的な陶酔をしていた――その時、
「え?」
 突然、手首のミサンガが解けて編みあがり、一瞬にして“おとしご”ちゃんの姿になったんだ。

「え、敵ですか!?」
「いいえぇ……“おとしご”ちゃんも、ボクたちとエッチしたいのですねぇ」
 “つぁとぅぐあ”さんが妖艶にささやくと、“おとしご”ちゃんはモジモジしながらこくりと頷いて見せた。こちらは素で恥ずかしがりやさんだ。
「ボクはもう少し頂いてますからぁ……“おとしご”ちゃんはひでぼんさんにお任せしますねぇ」
「了解しました」
 今度は喉の奥まで使ってペニスを咥え込む“つぁとぅぐあ”さんのフェラに、仰け反りそうになりながらも、僕は“おとしご”ちゃんの裸身を優しく抱き寄せた。
 真っ赤な顔で俯く“おとしご”ちゃんの、小ぶりながらしっかり自己主張しているおっぱいを口に含み、マシュマロみたいな感触を味わうと、“おとしご”ちゃんは可愛い吐息を漏らしてしっかり反応してくれる。それがうれしくて僕は彼女の全身を、余す所なく舐め回した。顔に首筋、背中からお尻の割れ目、指先から腋の下、太ももから足の指、線のような性器から点のようなアヌスまで……まるでお菓子を舐めてるみたいに、“おとしご”ちゃんの身体は美味しい。何だかとってもアブナイ気持ちになりそうだ。
 やがて“おとしご”ちゃんは、可愛らしく全身を震わせて達すると、くたっと力無く気絶してしまった。

「うふふふぅ……“おとしご”ちゃんもイイですけどぉ、ボクの方もお願いできますかぁ」
 唾液をローション代わりにシャフトをしごく、“つぁとぅぐあ”さんの手淫に悶絶しながら、僕は必死に傾いた。うーん、やっぱりエッチに関しては、彼女は女王様だ。
「どちらでもお好きな方を……お願いしますねぇ」
 僕にお尻を向けて四つん這いになり、雌豹のポーズを取って“つぁとぅぐあ”さんは僕を誘った。自らの手で秘所を左右に開き、愛液でクチュクチュに熟れたヴァギナと、パクパク物欲しそうに口を開くアナルを見せつける。どちらも最高に美味しそうだ。どちらにしようかな……あ、そうだ。
「ふわぁああああぁ……」
 ずにゅにゅにゅにゅと愛液を掻き混ぜる音を響かせて、僕はゆっくりと“つぁとぅぐあ”さんの膣口にペニスを挿入した。熱く、優しく、卑猥な彼女の性器は、ヴァギナ全体が淫猥に蠢いて、最後の一滴までザーメンを絞り尽くそうとする。射精を必死に堪えながら何度か腰を叩きつけて、しかし僕は名残惜しそうにペニスを抜いた。

「あらぁ?……ぁはああぁん!!」
 不思議そうに振り向いた“つぁとぅぐあ”さんの美貌が、再び快楽の波に溺れた。間髪入れずに、今度はアヌスに挿入したんだ。痛いくらいに絞めつけて、ペニス全体を包み込もうとする彼女のアナルは、いつまでもこの中に入れておきたいくらい気持ち良い。でも、やっぱり何度かピストンしたら一度抜いて、またヴァギナに挿入を開始する――そう、僕は“つぁとぅぐあ”さんの前と後ろを交互にセックスしているんだ。
「きゃふぅぅん!!あああっ、ああっ!!それぇ…イイぃ……ですぅ!!」
 2つの異なる淫穴に挿入しながら、僕は凄まじい快楽にたまらず射精した。射精しながらまた別の穴に挿入した。何度も何度も射精しながら、“つぁとぅぐあ”さんの秘所を同時に責めていく――今や彼女の秘所は僕のザーメンで白くグショグショに染められていた。
「はぁあああぅん!! ボクも…ボクもぉ……あぁあああああ――!!!」
 何十、いや何百回目の射精の中、ついに“つぁとぅぐあ”さんも絶頂を迎えて、僕を背中に預けたままぐったりと己の髪の海原に沈んでいった――

 精魂尽き果てた僕の上に、再び“つぁとぅぐあ”さんが魔性の笑みを浮かべて跨ろうとする。
「んふふふぅ……次はぁ、ボクが上になりますねぇ」
 ペニスがヴァギナに食べられそうになる直前、僕は“つぁとぅぐあ”さんの頭を抱き寄せて――唇にそっとキスした。
「ふみゃああああああぁ〜〜〜ダメですってばぁ〜〜〜」
 たちまち顔を真っ赤にして、髪の中に包まろうとする“つぁとぅぐあ”さん。ふふふ、ついに弱点を見つけたぞ!!
「ねぇ、今度はキスしながらやってみませんか?」
「きゃうううううぅん……ひでぼんさんの意地悪ぅ〜〜〜」
 髪の山から“つぁとぅぐあ”さんを引きずり出そうとしながらも、やっぱり僕は、色々な意味で彼女に『食べられて』しまったんだなぁ……と、心の底から愉快な真実に納得した。
 ……その後、全身の精気を完全に吸い尽くされた僕は、数ヶ月間昏睡状態に陥るハメになったりする……
 ああ、生きてるって素晴らしい……

to be continued...


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