「そいじゃ、あたしも始めるとしますか」
桃子は美奈の下半身側へとまわり、M字に大きく広げられた足の付け根に顔を近付ける。
「パンツ脱がしちゃダメ?」 
「っ!?だ、駄目っ!」
最後に残った着衣に手をかけられ、美奈は反射的に叫んだ。
そんな彼女の肩に顎を乗せ、有紀は子供を諭すような口調で告げる。
「美奈ちゃんに聞いたんじゃないんだよ?でも良かったねー、脱がさないであげる」
その言葉に、今度は桃子が大声をあげる。
「えー!?なんで?あたしがここに何しに来てると思って……」
「桃ちゃんがそんなとこ直接舐めたらすぐイっちゃうじゃん。
 それじゃ意味無いんだから、ちゃんと手加減してよ?」
「むー……しょうがないか。
 順番なんだから、次の子はあたしの好きにできるんだし」
残念そうに言って下着のゴムを離す桃子。
引っ張られていたゴムは美奈の腹に当たり、パチンと乾いた音を立てた。
桃子の口振りからして、今の美奈のような目に遭ったのは一人や二人ではないのだろう。
「ま、たっぷり可愛がってあげるからね」
内股に息を吹きかけられると、美奈の膝が大袈裟な程に跳ね上がった。
桃子は期待以上の反応に頬を弛ませ、今度はそこに舌を触れさせる。
「やめ……てっ…」
「やめて?やめないで、じゃないの?」
頭上からの言葉で有紀の存在を思い出した。
首を曲げて確認するまでもなく、腋に添えられた指先が活動を再開した。
「ぁう……ん……くふふっ…」
吹き出す寸前のくすぐったさに僅かな気持ちよさが巧妙に混ぜられた、繊細なタッチ。
その絶妙な加減に翻弄され、美奈は泣き笑いのような表情で声を洩らしてしまう。
「もう感じてきちゃった?ま、せいぜい我慢してみせてよ。」
有紀の人指し指は、腋のくぼみをつつ……と虫が這うような速度でなぞっている。
肩が反射的に跳ね上がる寸前の、緩慢で微弱な刺激。
よく手入れされた爪は上から下にゆっくりと降り、一瞬の間を置いて下から上にゆっくりと登ってくる。

つつーっ………つつーっ…

機械的な指の動きに、嫌でも次の瞬間の刺激を予測させられる。
与えられるくすぐったさは弱いというのに、頭が勝手に腋のその一点を強く意識してしまう。
一方、桃子の舌は積極的に快感を与えようとしていた。
彼女は有紀との約束を守っており、下着越しに性器に刺激を加えることはしていない。
しかし、内股を舐めあげられて何も感じずにいられるほど、美奈の体は無垢ではなかった。
舌が足の付け根へと近づいてくるにつれ、彼女の下腹部にはじんわりとした疼きが生まれていた。
許された抵抗は、体を揺すって性感を誤魔化すことだけ。
(こんなの、ずっとやられたら……)
本能的に悟る美奈。
無駄と知りつつ不自由な体をくねらせるが、やはり指も舌も敏感なポイントから離れなかった。
「ぁ……あっ…」
声が、抑えられない。
有紀の綺麗な爪が腋を一往復する度、精神力が確実に削りとられていく。
桃子のざらついた舌が鼠径部を一舐めする度、背筋に甘い痺れが走る。
「おね、がい……やめ…ひぁんっ!」
「だーめ。じっくりたっぷりいじめてあげる」
この期に及んで懇願など聞き入れられるはずもなく、返事とともに強めの刺激を与えられた。
意地悪く単調に焦らされている上半身は汗で、下半身は這い回る舌によって湿らされていく。
濡れた体は天井からの柔らかな照明を受けて光り、まだ幼い肢体を妖しく彩っていた。


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