由香は必死に悟られまいとするが、執拗な責めによって弱点が浮き彫りにされていく。
弘樹はそうして由香の足の裏を調べ尽くすと、見つけだした
一番の弱点―急所と言ってもいい―に指先を這わせた。
「はぁんっ!」
足の裏の中央よりやや内側の、土踏まず。
そこが由香の体の最も弱いところであった。
弘樹は焦らすように、指先で足の裏の皺をなぞる。
「ここ、くすぐったいんだろ?」
「…っ!ん…知ら…ないっ…」
由香は僅かに自由のきく足首から先を、もがくように動かす。
しかし弘樹の指はいやらしくそれを追いかけ、決して逃がさない。
「そういう態度とってると、いつまで経ってもやめないからな」
「ひっ!は……やっ…ぁぁああっ!ごめんなさいぃぃぃっ!きゃはははっ!!」
指の動きが早められると、それに比例して笑い声が大きくなる。
「よし。それじゃあ、『私はもう二度と万引きをしません。どうか許して下さい』って言ってもらおうか」
「い…っ…言ったら……ぁはははっ!…終わり…?」
「あぁ。言ったらもう帰っていいぞ」
言えたらな。
と小さく付け加え、弘樹はこちょこちょと由香の土踏まずをくすぐり続ける。
「…くく…わ、わたしは…二度と、万引きを…ひゃうっ!」
「もうちょっと神妙に言えないのか?ほら、最初っからやりなおし」
由香は早く言い切ってしまおうとするが、弘樹のくすぐりがそれを妨げる。
「私は二度と…ぅんっ!……」
弘樹ははわざと、由香が何とか言葉を口にできる程度に手加減している。
そして台詞の中程にさしかかると、意地悪くくすぐりを強めるのだ。
「二度と万引きをぉっ…っ…ぁひっ!ゃ……あっ…」
「おいおい、何変な声出してるんだよ。謝る気あるのか?」
「だって…ふぅっ……っくすぐったいん、だもんっ!」
由香は息を荒げ、体中に汗をかいていた。肌は紅潮し、口は半開きになっている。
そんな由香の姿は幼いながらもある種の艶かしさを感じさせ、弘樹を興奮させていた。


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